十三夜の焔 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「決して忘れはせぬ。十三夜にお前が流した涙を。」 「ならば俺の流した涙の夢を抱いて死ね。」 この帯の文字にひかれて手に取りました 追うものと追われるもの、偶然の出会いから始まった宿命。なにかあるのは決まって十三夜。 真実に近付くにつれて現れる本当の敵の正体。忠義とはなにか、守るべき家族と己が矜持。忘れ難き過去と現実。 やー面白かったです。好きな要素しかなかった。 お互いへの恨みを忘れずにいながらも宿命の2人のバディもののようでもありにっこり。 2人の奥さんや娘さんの強さ潔さや、名前の知っている歴史上の人物が出てくるのも面白かったです。
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十代で出会った追い追われる二人の生涯に渡る因縁話。 島流しの刑の内実や拷問の描写に改めて過酷で苛烈だった当時を想い胸が軋んだ。 そして武士と商人の立場の違い。 そんな二人が晩年共に有る不思議と別れに苦しくもなりました。 作中、長谷川平蔵や遠山金四郎が重要人物として登場するのも...
十代で出会った追い追われる二人の生涯に渡る因縁話。 島流しの刑の内実や拷問の描写に改めて過酷で苛烈だった当時を想い胸が軋んだ。 そして武士と商人の立場の違い。 そんな二人が晩年共に有る不思議と別れに苦しくもなりました。 作中、長谷川平蔵や遠山金四郎が重要人物として登場するのも、盛り上がりになっていてサクサク読み進められます。 ただ、会話の言い回しや立場、状況の描写は、時代小説を読みなれていない人には取っ付きにくそうかなぁ、と思ったりも。
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ほとんどといってもいいほど時代小説は読まないのだが、月村了衛さんの小説は何冊か読んでいるので今作も手に取った。 十三夜に出会った幕府の喬十郎と闇社会で生きる千吉。 この立場のまったく異なる2人の再会。 運命ともいうべきか。 初めて出会った日から、互いに憎み合い、戦い合ってきたこ...
ほとんどといってもいいほど時代小説は読まないのだが、月村了衛さんの小説は何冊か読んでいるので今作も手に取った。 十三夜に出会った幕府の喬十郎と闇社会で生きる千吉。 この立場のまったく異なる2人の再会。 運命ともいうべきか。 初めて出会った日から、互いに憎み合い、戦い合ってきたこの2人が、最後には百年の知己よりも親しい仲になる。 そうなるには、どちらも娘のおかげもあったのかもしれない。 最初に見た涙を最後にまた見ることになった。 その涙に温もりを感じた。
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おもしろい。私的には、池波正太郎か藤沢周平かと言うぐらい一気に読めた。鬼平や東山の金さんが出るのも楽しい。
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ひょんなことから敵同士のようになった御家人と盗人上がりの両替商が幕閣に巣食う巨悪に立ち向かう。 私腹を肥やす幕閣にしても、その手先となって余録に預かろうとする商人たちにしても、単純すぎて深みがない。 親の確執の雪解けのきっかけとなる娘同士の交流にはほっこりした。
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十三夜に因縁の出逢いに遭遇した幣原喬十郎と千吉。唯一無二の友になるまでの二人の波瀾万丈の生涯を描いた時代小説。私利私欲の為、弱き立場の人間を利用する御上。今の政治を見ているようだ。
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江戸時代末期、ある十三夜、先手弓組番方幣原喬十郎は殺人の現場で匕首を手に涙を流す若い男千吉と運命的に出会う。仇敵となった二人、節目ごとに相まみえるが…。御上の都合、腐敗した施策、幕閣内の確執で踊らされた彼らが哀しい。現在の政治とかぶるように見えるのが怖い。
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月村了衛『十三夜の焔』読了。江戸の治安維持にあたる御先手組の武士と盗人の若者二人の因果な邂逅からその後数十年に及ぶ「強敵と書いて"とも"と読む」的な関係を主軸に据えた本筋の巧さ。作中の寛政の遺老による緊縮財政、そして政治的腐敗が過去のものには思えず、作家として...
月村了衛『十三夜の焔』読了。江戸の治安維持にあたる御先手組の武士と盗人の若者二人の因果な邂逅からその後数十年に及ぶ「強敵と書いて"とも"と読む」的な関係を主軸に据えた本筋の巧さ。作中の寛政の遺老による緊縮財政、そして政治的腐敗が過去のものには思えず、作家としての視点の鋭さに感服。
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番方・幣原喬十郎が男女の惨殺体を発見する。そばには血にまみれた匕首を手にし滂沱する男。すぐさま追うが、自分がやったのではない、と言い残し逃げて行ってしまう。 二人の男が対立する人生を送りつつも、だんだんと真相を追っていく様が非常に興味深く目を離せないまま一気に読み進めてしまいま...
番方・幣原喬十郎が男女の惨殺体を発見する。そばには血にまみれた匕首を手にし滂沱する男。すぐさま追うが、自分がやったのではない、と言い残し逃げて行ってしまう。 二人の男が対立する人生を送りつつも、だんだんと真相を追っていく様が非常に興味深く目を離せないまま一気に読み進めてしまいました。 ただなんか、こう・・・結局は幕政というかそういう大きなものが相手だってもいるので巨悪と対峙というよりはただただ翻弄されていく感じが「すっきりと解決!」な気分にはならないですね。面白かったですけどね。
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天明四年五月の十三夜に始まる御先手弓組・幣原喬十郎と、「大呪の代之助」一味の千吉との因縁の物語。その因縁は田村意次と松平定信の確執にまで遡り、幕府の金融政策をも巻き込む巨大なものとなる。 長谷川平蔵や遠山金四郎といった著名な登場人物が脇を固め、読み応えのある時代小説だった。
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