十三夜の焔 の商品レビュー
幣原と千吉の運命的出会い。 そして、対決。 別れ。 ふたりとも時代に生かされ、自分の道を全うしたという、感じですね。
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長男(小5)が図書館で借りてきた本。読み始めるも好みの本ではなかったためそのまま返却。もう少し年齢が上がると楽しめるのかもしれない。
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二人の男の確執、共通の敵との対峙、体制側=巨悪ゆえの諦念。潔癖な若者なら受け入れられないものも、加齢と共に飲みこまざるをえなくなる。庶民に抗う術はない。 しかし、それでも、矜持をもつことはできる。 喬十郎の「甘さ」は人間であるための「甘さ」。その妻とそれぞれの娘ができすぎの感はあるし、結末も甘いが、物語としてはそれがいい。特に千吉の娘・おりんの生き方に共感。
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十三夜に遭遇した涙する漢と生涯にわたって追い続けた武士の話であるが、当時も今も変わらぬ政治家の金の汚さを思う。政治と金は禁忌、それを一介の先手弓組番方が収めるにはあまりに闇が強大だ。仇となる男も盗賊から両替商となり、幕府の裏事情を汲まされ苦悩する。面白いのは両者に理解者となる奥方とそして同じ歳の娘を持つことで男同士のプライドの狭間に風を送り込んでくれる。人情あり、チャンバラありと時代劇を盛り立てる要素をしっかり押さえており飽きさせず楽しませてくれた。惜しむらくは時代小説を読むにあたって自分の知識の乏しさに先手弓組番方とはいったい何?とか知らない役柄などがあり、読んだ後から調べてしまうとかいうミスをやってしまい、面白さを半減させてしまったのは痛恨だった。
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月村了衛作品の時代小説は嫌いじゃないけど、読みながらイメージしてしまうのは舞台上の貧弱なセットや衣裳。 もっと迫力が欲しい!! 次は、直木賞候補作品を読む予定。
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天明四年五月の十三夜、番方の幣原喬十郎は、湯島で男女の惨殺体を発見、傍らには匕首を手にした若い男。 その男は涙を流していました。 咄嗟に問い質す喬十郎ですが、隙をつかれて取り逃がしてしまいます。 逃げた男は大盗賊代之助一味の千吉だと判明しますが、行方は知れず。 十年後、喬十郎は両...
天明四年五月の十三夜、番方の幣原喬十郎は、湯島で男女の惨殺体を発見、傍らには匕首を手にした若い男。 その男は涙を流していました。 咄嗟に問い質す喬十郎ですが、隙をつかれて取り逃がしてしまいます。 逃げた男は大盗賊代之助一味の千吉だと判明しますが、行方は知れず。 十年後、喬十郎は両替商となり、名を利兵衛と変えた千吉に出合います。 火付盗賊改長谷川平蔵も絡み、裏切りにより左遷されながらも、悪事に立ち向かい続ける喬十郎。 裏にうごめく幕政に翻弄される喬十郎と千吉の、二人の因縁が描かれます。 ストーリー展開が本当にうまいです。 楽しめる時代小説です。
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機龍警察の著者による時代もの。十三夜によるに偶然出会った盗っ人と若い侍。その後数十年にわたる因縁の始まりであり、期せずして大老の謀に巻き込まれていく。十数年単位で場面が移り、その度に成長していくし、家族や立場も変わるが、その変化とストーリーが巧みに織り合わさっていて、大河ドラマを...
機龍警察の著者による時代もの。十三夜によるに偶然出会った盗っ人と若い侍。その後数十年にわたる因縁の始まりであり、期せずして大老の謀に巻き込まれていく。十数年単位で場面が移り、その度に成長していくし、家族や立場も変わるが、その変化とストーリーが巧みに織り合わさっていて、大河ドラマを一気に見ている感じ。二人の感情がとてもよく伝わってきて、最後の1ページは泣ける。
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新聞の書評(?)では面白そうだったのだが、ちょっと話を作りすぎ、わざとらしい。長谷川平蔵や遠山金四郎まで出てくるが、必要とは思われない。残念だった。
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敵対する因縁が、様々な因果を経て、心通じる者達となる過程が素晴らしく、ただただ、素直に感動しました。
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うーん、面白かった!昨日の敵は今日の友まではよくあるが、そこからまた敵対し最後には知己となるとは。基本的には幣原対銀字屋なのだか伊丹塔仁や御上の役人等などとの複雑に絡み合った戦いが奥深く、ミステリー要素もあり素晴らしい。 また、それぞれの妻子や終盤に登場する遠山金四郎などが良い味を出してさらに面白くしているように感じた。 甘さが強さになっているってところがとてもカッコ良し! またエピローグ的な晩年の2人のやりとりをサラッとではなくしっかり書き上げてくれている点にも注目したいな。
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