准教授・高槻彰良の推察(8) の商品レビュー
嘘を聞き分ける耳をもつ大学生・尚哉と都市伝説や怪異を研究する教授・高槻のシリーズ8作目。 どの話も面白かったが、少しばかりのもやもやも感じる部分もあった。第一章「押し入れに棲むモノ」では、尚哉が偶然再会した小学校時代の友達の涼に高槻のことを話したきっかけで、涼の...
嘘を聞き分ける耳をもつ大学生・尚哉と都市伝説や怪異を研究する教授・高槻のシリーズ8作目。 どの話も面白かったが、少しばかりのもやもやも感じる部分もあった。第一章「押し入れに棲むモノ」では、尚哉が偶然再会した小学校時代の友達の涼に高槻のことを話したきっかけで、涼の兄から勤務先の小学校で子どもたちが怯えている"モンモン"という妖怪について相談される。 最初に"モンモン"の話をした広川くんを馬鹿にした大多数の子どもたちの"悪意"。そちらの方が、"モンモン"よりもずっとおぞましいものだと思う。給食袋を破かれた真相を増田が知ったところで、改心するのだろうか。むしろ、周りを扇動して芦谷さんのことを攻撃しようとするのではないかと感じた。それに、芦谷さんが周りを説得したからといって、広川くんを傷つけないように受け入れるクラスになるのかも疑問。広川くんは、中学校から心機一転違うところに行った方が良いのでは? 第ニ章「四人ミサキ」では、高槻の従弟・優斗から妻の知人に起きた、亡くなった友人の呪いと思われる"怪異"についての相談がある。 亡くなった友人・美紗紀の父親がひたすら不憫に感じた。小説家なら、何も言わずに死んでいった妻を美化した思い出として昇華したとしてもそこまで責め立てられることだと思えない。娘を見捨てて、かつ亡くなったあとも自分たちの心配しかしていない娘の友達に嫌味を言ったとしても親として仕方がないのではないかと思う。何が悪いの。美紗紀の病床の苦しみを見てもいないのに、"友達"として父親に逆ギレをかましているようにしか見えない光莉には釈然としない。これから先、美紗紀のことを忘れずにいられるのか、もっと元の友達を爪弾きにしたことを反省してくれたら良いのにと思った。 第三章「雪の女」で現れた志乃。"八百比丘尼"の沙絵に引き続き"雪女"の登場。本物の怪異の続出がこの先、"異捜"が高槻と尚哉に関わってくる契機になりそうで、物語の新たな展開が示唆された。個人的には、単なる"怪異"の謎解きがメインの話の方が好みだが。
Posted by
最後に尚哉が気づいたように、最近『本物』を引き当てる確率が上がっている気がする。人ではない彼女達は姿を消しながら、人の世界を生きている。―人が好きだからですよ。…私は、私の息子を今でも愛しています 尚哉の周りにいい変化がでてきて嬉しい。犬を飼ったのは尚哉と話したいから、尚哉に帰っ...
最後に尚哉が気づいたように、最近『本物』を引き当てる確率が上がっている気がする。人ではない彼女達は姿を消しながら、人の世界を生きている。―人が好きだからですよ。…私は、私の息子を今でも愛しています 尚哉の周りにいい変化がでてきて嬉しい。犬を飼ったのは尚哉と話したいから、尚哉に帰ってきてほしいからだったことが、暖かった。「もう一人」が出てきたときといい、尚哉が心強い。お互いに守り合いっこだね。―だってそんなのは、ただの神隠しだから。本人も周りも傷つくから
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
尚哉が「本物」との遭遇率が上がっていると感じていた通り、今作はいつもより「本物」が多かったように思います! 第一勝では、私も昔やっていた「かごめかごめ」のお話で、高槻先生の講義でそのルーツを知れて面白かったです。 馴染みのある「かごめかごめ」に加えて、「モンモン」という謎の怪異が出てきて、なんだそれと思いつつ、子供の妄想だと私も思っていました。しかし、何やら不気味の正体不明の怪異で...。 結局尚哉は高槻先生にモンモンに会ったこと言ったんですかね。 第2章のお話は読んでいるうちに割と予想できた結末でした。 だだ、美紗紀ちゃんはただのスピリチュアルな子かなとか思ってたら、最後の最後にマジだったので、ビックリでした。 第3章では「幸運の猫」のお宿に泊まるお話で、怪異の話じゃないのかなと思ったら案の定の怪異の登場です(^^) しかも雪女のお話。怪異の話の中では、雪女のお話は個人的に元々好きだったので、嬉しい回でした。 結局は人間の悪意によるものでしたが、紗絵さんの人魚に続いて雪女もでてきて、「本物」さんたちが勢揃いしつつで楽しかったです。 今回は3作ともに怪異や不思議な力が登場して、個人的には激アツな巻でした!!
Posted by
1巻はエピソードが怪異と思われるけど、ちゃんと解き明かすものだったけど、段々と本当の怪異に占められるようになってきた。 このまま続くのか、それとも彰良の謎を解いて終わるのか…。まだまだ続いて欲しい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
キャラクター紹介に遠山さんと沙絵さんが追加されてて嬉しい 四人ミサキの話がうっすらと怖い 娘を忘れてほしくないと言う一方で、娘のことを悪霊にしてしまう父親..思いが空回ったのか別の思惑があったのか 高槻先生を守るために頻繁に出てくるようになり、ついでに深町くんも守るもう一人さんだけど人の体の仕組みを知らないせいで危うく自分で先生を殺しかけるという ますます正体が気になる。もう一人さん推せる.. 深町くんが若干不安定 高槻先生を守るためなら先生から離れることを選びそうな危うさがある
Posted by
2023.11.30 Audibleにて完聴 3話中、2話が本物の怪異で、残り1つも予知能力のあった子が出てくる。 段々、本物を引き当てる確率が高くなってく中で、ナオヤともう1人の高槻と会う回数も増えてきている。 お互いに出会ったことで、いい方向に進んでいると思いたい。 ナオヤ...
2023.11.30 Audibleにて完聴 3話中、2話が本物の怪異で、残り1つも予知能力のあった子が出てくる。 段々、本物を引き当てる確率が高くなってく中で、ナオヤともう1人の高槻と会う回数も増えてきている。 お互いに出会ったことで、いい方向に進んでいると思いたい。 ナオヤと高槻、高槻とササクラというコンビが濃い中で、ナオヤとササクラのコンビも確立しつつある。ササクラが、不安定な2人を支えてる様が、いい。高槻が、神隠しにあったあと、態度の変わらなかった人の中に、ササクラをあげてるけど、そう言われてみれば、高槻が叔父の所に居たときも、会いに行ってたなぁと思い返して、ササクラと高槻はお互いに切り離せない存在なんだなぁと思う。そして、高槻にとってナオヤも大切な人になり、ササクラにとってもそうなっているんだなぁ。 モンモン怖すぎ!
Posted by
シリーズ9作目。深町君の帰省に、昔馴染みからの依頼、スキー旅行と怪異の話。どんどん怪異とのエンカウント率上がるから今回はどっちかと怖さが増す。怖いのは怪異か人間か。そして深町君の親との話がじんと来る、先生がおってくれて良かった。
Posted by
順番が前後しましたが読みました。 雪女怖くない!? わたしは難波君が推しなんですけど、ほんと人間が出来ている。
Posted by
シリーズ前半に比べて本物の怪異に遭遇する確率が高くなっているため、とても面白い。 モンモンの話はその後どうなったのか、続きが気になった。 「もう一人」が最初の方は何もわからず怖かったが、今は聞き分けが良く可愛く思える。 尚哉が「お祓いをすれば助かると思っている人間を面白い」...
シリーズ前半に比べて本物の怪異に遭遇する確率が高くなっているため、とても面白い。 モンモンの話はその後どうなったのか、続きが気になった。 「もう一人」が最初の方は何もわからず怖かったが、今は聞き分けが良く可愛く思える。 尚哉が「お祓いをすれば助かると思っている人間を面白い」と感じているところが、本当に怪異に遭った人間にしかない価値観だと思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
①押し入れに棲むモノ(深町尚哉の里帰り、からの母校小での「モンモン」出没の相談。「かごめかごめ」にまつわる話。)②四人ミサキ(小学校で仲良し4人組だった女子。疎遠になってからの死の呪い?)③雪の女(失踪した母に似た雪女を探す青年と偶然居合わせた高槻彰良達3人。) ①尚哉の親子関係の進展が温かい気持ちになった。モンモン?はちょっと不気味。②なんとなく女子4人の名前が入り込み憎く、いつもよりはちょっと読むテンポが遅くなった。③本物の絡む、本シリーズらしい話。好き。
Posted by