不知火判事の比類なき被告人質問 の商品レビュー
法廷ミステリ連作5編。左陪審員の不知火判事が鋭い洞察力で比類なき被告人質問を行い真相を暴いていく。不知火判事の着眼点に、なるほどそこに気が付ければ良かったのかという気持ちになる。面白かったんだけれど、パターンが一緒で少し平坦な作品に思えた。
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目次 ・二人分の殺意 ・生きている理由 ・燃えさしの花弁 ・沈黙と欺瞞 ・書けなかった名前 初めて読む作家の本だったので、新人かと思ったらデビューして10年以上たっている中堅作家さんでした。 なんで新人と思ったかというと、あまり文章が上手くないから。 ガチャガチャとわかりにくい文脈は、もう少し整理して書いてほしいと思いました。 不知火判事の目の付け所は面白く、質問が比類なさ過ぎて、どんでん返しすらない無双状態というのを、法廷で被告人とまたは検察や弁護人とと丁々発止のやり取りを経てからの解決だったら、もっとわくわくできたかなと思います。 ただ、これも文章力の問題だと思いますが、遺書の文言の不自然さを、捜査陣が誰も気づかなかったのだとするとうかつすぎるし、文章を読んだだけでも登場人物二人の見た目の特徴が同じであることにだれも気付いていないのも違和感。 二人の顔の特徴を読めば、どういう関係なのか気づきそうなものじゃないの? だから読者に対してフェアであると言えば、そうなのだと思いますが、もう少し読みやすい文章になるよう、情報を整理して書いてほしいと思います。 今後に期待。
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不知火判事のズバッと真実を見抜く質問が爽快感。シリーズ化しても面白そうだったかなー。 個人的には「燃えさしの花弁」が好き。
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発想や動機は面白かったが、検察側も肝心の不知火判事も、そんなガバガバの理由でそこまで言います?という感じ 犯人の自白もなく証拠も全く無いのに動悸があったってだけで逮捕して裁判まで漕ぎ着ける事って、実際出来るのかな?出来ないよね?出来たら怖すぎるんですが…
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毎話繰り広げられる逆転劇は爽快感があって楽しかった 最後の話はいらないと思った それまで感じていた、俯瞰したものの見方のできる語り手という印象は一瞬にしてなくなった もっと不知火判事のことを深掘りする話でもよかったと思う
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【収録作品】二人分の殺意/生きている理由/燃えさしの花/沈黙と欺瞞/書けなかった名前 意外性はあるし、おもしろいのだが、裁判官による被告人質問って、こんなに自由なのか。 公判手続きの整理とかで、検察官や弁護士と事前に打ち合わせをする機会もあるわけなので、公判でのびっくり質問はどうなんだろうか。検察官からすれば、「早く言ってよ!」という気がするが。 実務を知らないので、実際に刑事裁判を傍聴してみたい気もする。
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裁判の結審直前に行われる裁判官の被告人質問によって、事件の様相が一変するという短編集。 法廷を舞台にしたミステリではあるが、判事が裁判資料や被告人の言動などから一気に真相にたどり着くので名探偵モノの趣。事件の内容は重くシリアスだが、型破りの弁護士や語り手のフリーライターのトンデモ...
裁判の結審直前に行われる裁判官の被告人質問によって、事件の様相が一変するという短編集。 法廷を舞台にしたミステリではあるが、判事が裁判資料や被告人の言動などから一気に真相にたどり着くので名探偵モノの趣。事件の内容は重くシリアスだが、型破りの弁護士や語り手のフリーライターのトンデモ推理などもあって、さらっと読めて面白かった。
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誰もみたことのない衝撃の逆転裁判がはじまる――。フリーライターの湯川和花は殺人事件の裁判を傍聴するのだが、結審直前に衝撃的な被告人質問を目の当たりにする。 左陪席の不知火春希裁判官が予想外の質問を被告に投げかけ、悲しすぎる事件の真相を自白のもとに晒して法廷の景色を一変させてしまう。 どんな落ちが?となかなかワクワクしながら読めた。
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事件があって、語り手であるライターがその裁判を傍聴して、裁判中に不知火判事が真相を見抜くというわかりやすい流れを毎回踏襲する短編集。 なんだろうなあ。とても軽い読み口のわりには事件がアンバランスなほど重い。最初の事件部分だけでちょっとげんなりするくらい重い。そのわりにそこからは...
事件があって、語り手であるライターがその裁判を傍聴して、裁判中に不知火判事が真相を見抜くというわかりやすい流れを毎回踏襲する短編集。 なんだろうなあ。とても軽い読み口のわりには事件がアンバランスなほど重い。最初の事件部分だけでちょっとげんなりするくらい重い。そのわりにそこからはえらいことあっさりしてる。いっそコミカルなくらい。裁判がもう逆転裁判なみにファンタジックというかエキセントリックというか。裁判中に二転三転する無茶な展開。不知火判事のとぼけた描写だったりとかかすかなコミカルっぽさを感じなくもないですが、そっちへのふり幅もわずかで、では事件の内容のようにシリアス・・でもないちょっと中途半端な印象。
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誰もみたことのない衝撃の逆転裁判がはじまる――。フリーライターの湯川和花は殺人事件の裁判を傍聴するのだが、結審直前に衝撃的な被告人質問を目の当たりにする。 左陪席の不知火春希裁判官が予想外の質問を被告に投げかけ、悲しすぎる事件の真相を自白のもとに晒して法廷の景色を一変させてしまう...
誰もみたことのない衝撃の逆転裁判がはじまる――。フリーライターの湯川和花は殺人事件の裁判を傍聴するのだが、結審直前に衝撃的な被告人質問を目の当たりにする。 左陪席の不知火春希裁判官が予想外の質問を被告に投げかけ、悲しすぎる事件の真相を自白のもとに晒して法廷の景色を一変させてしまう。 こうした不知火判事の質問は「他に類を見ない質問」と法曹関係者の間で囁かれていた。 少し前にやっていた「イチケイのカラス」を思わせるようなお話だった。すごく面白くて、実際にこんな判事がいる裁判なら傍聴しに行きたい。 そして、まさか作者が「マザー・マーダー」の作者と同じだとは思わなかった。あの薄っすら怖いかんじの作品と全然違うじゃん。こっちは、どっちかというと救いがあるけど、あっちはもう救いがなくて早くどうにかしてってかんじだった。 まぁ、「マザー・マーダー」のときもそうだったし、主人公?の和花ちゃんが言っていたみたいに「ごく普通の人」がなぜ事件を起こしてしまったのか。それを裁判で審理してたのに、不知火判事が全てをひっくり返して真相を見破る。 特に2章の「生きている理由」は、最後泣きそうになった。まさかの真相だったけど、彼には頑張って生きてほしいと思った。 3章の「沈黙と欺瞞」は、襲われても仕方ない人たちが被害者となり、犯人でも仕方ないような人が犯人で、クズがクズを制裁したようにかんじた事件だったが、そこは不知火判事の被告人質問で、本当の事件の全貌が見えたときに、まさか…ってなったし、犯人の意思がすごかった。 なんだかそのうちにドラマとかになりそうだなぁと思いつつも、「イチケイのカラス」とどこか似ているかんじもするから難しいかなぁ。傍聴が趣味の大野さんと坂上さんもいい味出してた。いつの間にか仲間と思われた和花ちゃんかわいそうだけど。 2023.4.9 読了
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