無人島のふたり の商品レビュー
読者を不安にさせないように書かれているように感じた。 とても気遣いのできる方だったのだろうと偲ばれる。 たくさんの人が思っていると思うけれど、私もこの方の作品をこれから先も読みたかった。 ご冥福をお祈りします。
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最後の日記のあっけなさが、我が身の現状にリアルできついかった。応えた、ダメージ喰らった。身につまされた。 文体は冷静に淡々と、ユーモアや他者への気遣いや自虐も含めて、余裕さえも感じられる。言語化するのは、小説家にとっては救済なの?承認欲求?凡人からしたらむしろ苦行に思えて、作家と...
最後の日記のあっけなさが、我が身の現状にリアルできついかった。応えた、ダメージ喰らった。身につまされた。 文体は冷静に淡々と、ユーモアや他者への気遣いや自虐も含めて、余裕さえも感じられる。言語化するのは、小説家にとっては救済なの?承認欲求?凡人からしたらむしろ苦行に思えて、作家という職業のサガを感じた。
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死と向き合う本を立て続けに読んでる。 亡くなられる直前まで書かれていた日記。のっけから綴られた「うまく死ねますように」という言葉に胸がつまる。そして最後の、行きどころなく解けてしまったような文章に、目を瞑った。 死を迎えるまでの残り時間は分からないけれど、よりよく生きようと、...
死と向き合う本を立て続けに読んでる。 亡くなられる直前まで書かれていた日記。のっけから綴られた「うまく死ねますように」という言葉に胸がつまる。そして最後の、行きどころなく解けてしまったような文章に、目を瞑った。 死を迎えるまでの残り時間は分からないけれど、よりよく生きようと、また思う。
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1962年生まれ、山本文緒さん、「自転しながら公転する」「恋愛中毒」「再婚生活」「シュガーレス・ラヴ」「落花流水」など沢山の作品を読ませていただきました。「無人島のふたり 120日以生きなくちゃ日記」、2022.10発行。2021年4月にステージ4b(完治不能、余命4ヶ月)の膵臓がんが発覚。抗がん剤は一度だけ、緩和ケアでの闘病日記です。8月17日に120日はクリア、10月4日が最後の日記。2021年10月13日、58歳で永眠。お疲れ様でした。有難うございました。
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ある日、余命宣告を受けて、 死が目の前に来るまで日記を書けるだろうか。 10年や1年などではない。 4か月、3か月、なのだ。 今度これしようね、これ見たいね。ができない。 山本さんもずっと書いていたけど、 この漫画の発売日、このお菓子の発売日 今自分が手掛けている本の出版、 ドラマは見れない、母より先に死ぬ。 そんな事ばかりなのだ。 自分が思い描いていた最後ではなかった。と。 それを自分にあてはめてみたら 涙が止まらなかった。 死ぬ恐怖、娘を置いていく恐怖 1番に娘のことを考えた。 いつまでも健康なんてきっと この世で一番普通で贅沢なことなんだ。 旦那さんの様子も書いてあったけれど ある日突然、栓が外れたように 泣き出してしまったり、 先のことを話していると涙が出たり、 1人になりたいと飲みに出かけたり (この旦那さんの飲みに行く断り方は 夫婦の信頼あっての断り方だなと思った。 普通というか、最期が迫っている病人を前に その人の最期を思って泣いたり 1人で飲みに行くことはなかなかできないなと) 闘病している本人もだし それを支えいる旦那さんも次に辛い。 こんな知り方も悲しいけれど この作者の山本文緒さんの代表作 『自転しながら公転する』も 読んでみようと思った。
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「自転しながら公転する」で大ファンになった作家さん。癌で亡くなるまでの日々を淡々と綴っていてホント凄い。自分にももしそんな日が来たら、この本に勇気づけてもらいたいと思う。
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「自転しながら公転する」の作家さんが膵臓がんと診断され緩和ケアをしながら書かれた本 素敵な装丁や、ご本人の文体に思った程の重苦しさはなかったけれど、ご本人は勿論旦那様の心中を思うとやりきれません どんどん残りのページが減って行く事に胸が締め付けられました 心よりご冥福をお祈り致し...
「自転しながら公転する」の作家さんが膵臓がんと診断され緩和ケアをしながら書かれた本 素敵な装丁や、ご本人の文体に思った程の重苦しさはなかったけれど、ご本人は勿論旦那様の心中を思うとやりきれません どんどん残りのページが減って行く事に胸が締め付けられました 心よりご冥福をお祈り致します 旦那様とのやり取りを読みたくて「再婚生活」図書館で予約しました
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昨年58歳で膵臓がんで余命宣告を受けた作者の亡くなる直前までの日記。「自転しながら公転する」という作者の本を読んだばかりだったので驚いた。好きな作家が亡くなると大切な友人が亡くなったような想いがします。抗ガン剤を拒み、無人島に流されたかのように、コロナ禍の中自宅で夫と二人での闘病...
昨年58歳で膵臓がんで余命宣告を受けた作者の亡くなる直前までの日記。「自転しながら公転する」という作者の本を読んだばかりだったので驚いた。好きな作家が亡くなると大切な友人が亡くなったような想いがします。抗ガン剤を拒み、無人島に流されたかのように、コロナ禍の中自宅で夫と二人での闘病生活が語られます。自分の残り時間が段々減っていく過程と感情が綴られていて読んでいて辛い…。「うまく死ねますように」と書きながらも諦めきれない思いが言葉のはしはしから感じられます。日記の最後「明日書けましたら、明日」の言葉が悲しい…。
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余命宣告を受け、緩和ケアを選んだ著者。 「闘病記」ではなく「逃病記」 誰にでも等しく「死」は訪れる。 最後の過ごし方も人それぞれ。 でも、病気や事故で命が終わるのは、辛いもの。 特に、身内や家族にとっては・・・ タイトルの無人島は、江の島のような道続きの島。 家族や仕事仲間、...
余命宣告を受け、緩和ケアを選んだ著者。 「闘病記」ではなく「逃病記」 誰にでも等しく「死」は訪れる。 最後の過ごし方も人それぞれ。 でも、病気や事故で命が終わるのは、辛いもの。 特に、身内や家族にとっては・・・ タイトルの無人島は、江の島のような道続きの島。 家族や仕事仲間、医療スタッフもたくさん島に渡り、 ある意味、幸せな最後を送られたのではないか。 そして、最後まで「書きたい」気持ちを失わなかった、 小説家としても、最高の終わり方だったと思う。 体は亡くなっても、あちらの世界で、また書いてほしい。 あちらに行ったとき、また書いた本を読みたい。 心からの、ご冥福をお祈りいたします。
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余命宣告からその後まで、本当に現実なのかと受け入れがたい心境が正直にフラットに描かれている。献身的に支えてきた旦那さんが、気持ちを整理するために飲みに行く場面。一番胸にきた。
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