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力と交換様式 の商品レビュー

4.1

11件のお客様レビュー

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2026/02/17

人類は発展途中であるため、交換様式の次元を昇っていく途上において、歴史的なドラマが生まれる。経済的な視点も含めつつ、人類の辿った道を伝える。

Posted byブクログ

2026/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

マルクスを中心に、交換様式を通して資本主義や国家・宗教・思想を扱う。交換様式という構造を見抜く力、それを元に世界を説明できる教養の深さと思考の明晰さは面白かった 構造を見抜く力は大切。宗教ですら具体で、宗教「的」や宗教「性」が本質の観念部分にあり、そこが及ぼす影響が分からないといけない。 問いを再構築する本だから、結局のところ交換様式Dは何なのか、だからどう世界は動いてくのかといった、結論部分はあまりない。でも問いの再構成は分かりやすい

Posted byブクログ

2025/10/20

贈与には必然的な信用の概念が伴う。交換様式が発展すると社会が変わる。物事、歴史の動きを交換様式というフレームワークで捉える観点は斬新で面白かった。交換様式はA(贈与と返礼の互酬)、B(支配と保護による略取と再分配)、C(貨幣と商品による商品交換)、D(Aを高次元で回復し、自由と平...

贈与には必然的な信用の概念が伴う。交換様式が発展すると社会が変わる。物事、歴史の動きを交換様式というフレームワークで捉える観点は斬新で面白かった。交換様式はA(贈与と返礼の互酬)、B(支配と保護による略取と再分配)、C(貨幣と商品による商品交換)、D(Aを高次元で回復し、自由と平等を担保した未来社会の原理)として定義。その上で時代によって異なる支配的な交換様式で、社会形態が決まる。Aだと氏族社会、Bだと国家、Cだと資本主義、Dはまだ歴史上ない。

Posted byブクログ

2025/07/11

成田悠輔さんの22世紀の民主主義と22世紀の資本主義を読んで、どうしてこんなことを思いつくんだろうと感心した。調べると、この本の著者・柄谷行人さんと交流があったらしい。成田悠輔さんに影響を与えた人物かもしれない、といった経緯で本書を手に取った。 交換様式から生じる観念的な力が、...

成田悠輔さんの22世紀の民主主義と22世紀の資本主義を読んで、どうしてこんなことを思いつくんだろうと感心した。調べると、この本の著者・柄谷行人さんと交流があったらしい。成田悠輔さんに影響を与えた人物かもしれない、といった経緯で本書を手に取った。 交換様式から生じる観念的な力が、経済的・政治的な諸問題を生み出すという考え方を提示している。交換様式A(互酬)に取って代わった交換様式B(支配と保護)とC(交易)が生み出す戦争と恐慌の果てに、交換様式D(交換様式Aの高次元での回復)が「やってくる」として締めくくっている。豊富で深い学術的知見と、洗練された見通しのよい議論の展開には感動を覚えた。 面白いのは、成田悠輔さんのが上述の著書2冊で述べていたことは、まさに交換様式BとCの揚棄であり、かつ、交換様式Dを「つくりだす」ことを構想している点である。柄谷行人さんが「やってくる」と主張するDを、待つのではなく生み出そうという実験的な試みが垣間見える。 力と交換様式のなかで、交換様式Dの発生条件や発生形態について具体的な記述はなかったように思う。後書きで世界史の構造という本でAからCまで論じたと言っていた。Dを直接理解するのは難しそうであるが、AからCまでをもう少し理解すれば、少なくとも現実の諸問題がどのような交換様式から来るのかの理解には役立つかもしれない。ということで、次は世界史の構造を読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2024/06/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「トランスクリティーク」、「世界史の構造」に続き、「力と交換様式」を読了。 20年間にわたる思索と実践から産まれた柄谷の交換様式による体系的な資本主義理解は、最近注目されている脱成長や環境問題に注目したマルクス読解と比較して、資本主義に対する基礎的な分析枠組みを深めるものとして非常に重要だと感じる。 本書では、「世界史の構造」において展開された4つの交換様式に基づく歴史解釈をさらに深め、肝心の「交換様式Dとは何か」という問題に踏み込むために「力」という概念を導入していく。 ここでの「力」は人が意識して影響を与えることができず、ただ不可避的にそこに現れてしまうものといった意味合いが持たせられており、これまでの意識的・計画的な革命や社会主義化に対して、意識されずとも到来する社会主義を提起しているのだと私には捉えられた。 一方で、そのような社会主義の到来に際しては交換様式B,Cに由来する破綻を何度も経過する必要があるという結論を含意しているとも読めるため、そのような破綻をそもそも人類社会が乗り越えられないのでは?という懸念に対して強い反論ができないような結論にとどまっていると思われ、柄谷はある種現状肯定的な思想に転向したのだろうか?というふうにも感じた。

Posted byブクログ

2023/11/24

2023年バーグルエン哲学文化賞を受賞した作品である。唯物史観では社会の発展要因を「生産様式」とするが、それに対して作者は「交換様式」の概念で人類の発展を理解するというもので、作者が数十年にわたって温めてきた思考を集大成する異色の人類発展史観である。 人間の共同性を贈与と返礼の互...

2023年バーグルエン哲学文化賞を受賞した作品である。唯物史観では社会の発展要因を「生産様式」とするが、それに対して作者は「交換様式」の概念で人類の発展を理解するというもので、作者が数十年にわたって温めてきた思考を集大成する異色の人類発展史観である。 人間の共同性を贈与と返礼の互酬概念から考え始めるものであるが、哲学的で抽象度が高い文章が続き、理解しながら読み進めるのに相当の努力が必要である。 最初に、四つの交換様式の定義から始める。A 共同体における「互酬(贈与と返礼)」、B 国家権力にみられる垂直的な「服従と保護(略取と再分配)」、C 市場における「水平的な商品交換(貨幣と商品)」、D 「Aの高次元での回復」である。これら四つの交換様式を歴史的段階で考え、それぞれの段階が通底したり重なったりして社会は進化する。氏族社会(A)-封建社会(B)-資本主義社会(C)へと進み、「人間の意思を超えて到来する」D段階に至る、そこは「資本主義-国家-ネーションを揚棄する」究極の社会である。この交換様式からみた発展段階説はマルクス主義の経済的下部構造の段階説とは異なり、政治的・精神的なものも含み霊的な力の作用も重視する。Aにはマルセル・モースのいう「ハウ」、Bにホッブスが名付けた「リバイアサン(海の怪獣)」、Cにはマルクスが指摘した「資本の物神(フェティッシュ)性」という霊的観念諸力である。 Dの「A段階の高次元での回復」については、究極の理想である共産主義社会をイメージし「原初への回復・ユートピアの到来」として、それは「向こうから自然にやってくる」という、・・・この辺りまでくると殆どついていけない。何とか喰らい付いてきたのに最後の一番盛り上がった肝心なところで振り落とされる、「もう一回よく読み直してこい」と、そして又読む。 世界宗教は既にDの要素があるということや、アソシエーションなどの概念もD「高次元での回復」のヒントになる気がして頷ける部分も多々ある。箇所によっては論理・論証の凄さに共感し感覚が昂ぶることもある。作者はこの作品で哲学思考の可能性を存分に味合わせてくれる。人類の将来展望も示す。マルクス・エンゲルスをはじめヘーゲル、カント、ギリシャ哲学者や歴史的な思想家の成果をベースに組み立てた密度の濃い論考である。 生煮えながら少しわかりかけてきた気もする。読む毎に刺激的な思考の世界に入りつつあるという実感が満足感を増幅させる。

Posted byブクログ

2023/11/16

恐るべき名著。近年では東浩紀「観光客の哲学」に匹敵するかそれを上回るスケールの哲学書といえるのではないか。 交換様式と「力」について、個々の踏み込みとしては弱いような、もう少し説明がほしいような、また、繰り返しが多いような気はしたものの、世界史を総掴みする壮大な試みには驚いた。...

恐るべき名著。近年では東浩紀「観光客の哲学」に匹敵するかそれを上回るスケールの哲学書といえるのではないか。 交換様式と「力」について、個々の踏み込みとしては弱いような、もう少し説明がほしいような、また、繰り返しが多いような気はしたものの、世界史を総掴みする壮大な試みには驚いた。 そしてラスト。「向こうから」「Dが必ず到来する」と。その言葉に勇気づけられる。

Posted byブクログ

2023/07/23

交換様式Aの高次元での回復であるDをキーワードに、時間や地理を横断しスケールの大きい考察が繰り広げられる。 予備知識として欠落している所もあるので、中々消化するのに苦労した。

Posted byブクログ

2023/04/03

「共産主義とは『古代社会』にあった交換様式Aの高次元での回復である。すなわち、交換様式Dの出現である。」何度も登場するこのフレーズ、何か知らんけどかっこういい。らせん階段のようなものをイメージしてしまったが、それでいいのだろうか。A(互酬)からB(服従と保護)、さらにC(商品交換...

「共産主義とは『古代社会』にあった交換様式Aの高次元での回復である。すなわち、交換様式Dの出現である。」何度も登場するこのフレーズ、何か知らんけどかっこういい。らせん階段のようなものをイメージしてしまったが、それでいいのだろうか。A(互酬)からB(服従と保護)、さらにC(商品交換)、そして1周まわってAにもどって来るが、それは同じものではなく、高次元での回復でなければならない。Aならば今でもいろいろなところで登場しているように思う。先日NHKで見た石見銀山のある大森町もそうかもしれない。リモートワークがわりと自由にできるようになった世の中だからこそ、そういう町があちこちに出現してもおかしくないのかもしれない。都会から移住してきた子どもたちが石見神楽を舞ったりしている。僕も若ければ子どもといっしょにそんな暮らしをしてみたい。「ところがDは、Aとは違って、人が願望し、あるいは企画することによって実現されるようなものではない。それはいわば“向こうから”来るのだ。」らせん階段を上るというような主体的なものではないのだな。向こうからやって来るのだ。「やってくる」というと郡司さんを思い出してしまうが、どこかでつながることはあるのかなあ。「最後に一言いっておきたい。今後に、戦争と恐慌、つまり、BとCが必然的にもたらす危機が幾度も生じるだろう。しかし、それゆえにこそ、“Aの高次元での回復”としてのDが必ず到来する、と。」戦争と恐慌、そこに地震も加えて良いかも知れない。養老先生もかなり地震には期待しているようだ。しかし、地震はこわい。これもまたNHKで先日見たが、地震は本当に怖い。とは言っても、まあなるようにしかならない、とも思っている。とりあえず、長年放置していた家具転倒防止用のつっかえ棒だけは設置した。本書は秋に刊行されるとすぐに購入した。しばらくは本棚に寝かしていたが、この1ヶ月ほどで集中的に読んだ。序論の最後あたりを読んでいると、齋藤幸平さんの仕事もなんか影響しているのかなと思ったりした。また普遍宗教の話に入ると伊東俊太郎先生の本とダブって見えた。とは言えなかなか考えが深まるわけでもないのだけれど。ところでU(原遊動性)については本書ではあまり扱われていなかったと思う。どこで出てきたのか。「遊動論」は読んだが記憶にない。「Dの研究」を読んでいないからだろうか。國分功一郎さんが本書の合評会をされている動画を見た。その中でUについてわりと大きく取り上げていた。長いからもう一度見てみようとも思わないのだが、なんかモヤモヤする。atプラスに掲載されているはずだがなんかパッと見つからん。イライラする。短気は損気。

Posted byブクログ

2022/11/23

交換様式=最も普遍的で説得力のある歴史区分、という感じ。 普遍的であるが故にそのダイナミズムは追えないが、その事柄の相対的なポジションを意識したいときにはとても役に立つ。 来るべきDは"A=B=Cの、Aの高次の回復に因る揚棄"によって現れるという点には、環境問...

交換様式=最も普遍的で説得力のある歴史区分、という感じ。 普遍的であるが故にそのダイナミズムは追えないが、その事柄の相対的なポジションを意識したいときにはとても役に立つ。 来るべきDは"A=B=Cの、Aの高次の回復に因る揚棄"によって現れるという点には、環境問題に取り組む身としては賛同できないが、Aの高次の回復が必要なのは今至る所で言われていること。 自分自身もそこに貢献していきたい。

Posted byブクログ