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グッドバイ の商品レビュー

4.3

16件のお客様レビュー

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2024/09/14

幕末、長崎の油商・大浦屋の女あるじ、のちの貿易商・大浦慶の胸躍る生涯の物語である。 個人的に、ラストシーンが膝を打つほど決まっている作品は傑作だと思っている。本作はまさに膝を打つほど。胸アツでございました。 幕末のころ、いわば「女子はだまっとれ」という時代に、海の外の者たちと商売...

幕末、長崎の油商・大浦屋の女あるじ、のちの貿易商・大浦慶の胸躍る生涯の物語である。 個人的に、ラストシーンが膝を打つほど決まっている作品は傑作だと思っている。本作はまさに膝を打つほど。胸アツでございました。 幕末のころ、いわば「女子はだまっとれ」という時代に、海の外の者たちと商売を始める──お慶とともに「どうやって!?」と胸をつかれ、「なんとかしたい」と願い、失敗し、商機を手に入れてホッとしたり。そんな思いを存分に楽しめる作品なのだ。 中盤から幕末でおなじみの面々の名前がにぎやかしていくのも楽しい。後半では、きっと朝井さんもお慶たちと別れるのが淋しくなっているんだなあとまで感じる愛おしい文章。 最初から最後まで、お慶とともに怒涛の日本を駆け巡っている心持にさせてくれた、わくわくする1冊だ。

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2024/08/22

序盤は少し読みにくさを感じたものの、100ページ目をこえたあたりからは圧巻。 人の想い、信念、つながりが伝わる良本。 出会えて良かった1冊。

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2024/05/15

激動の時代をたくましく生きた女商人大浦慶さんの物語。方言や聞き慣れない言葉もあったけど、生きる勇気を貰えるような物語だった。

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2024/01/16

大浦慶の名前を知りませんでした。お恥ずかしい限りです、知ってるであれっ。もはや歴史教科書の登場人物なんですね、ヲルトに登場人物は実在するし長崎事件も本当でした。これが原因で没落するのだが、そこから不死鳥の姿になるって事 大河ドラマにもなれるって事 いやあ知らない事が恥ずかしいとま...

大浦慶の名前を知りませんでした。お恥ずかしい限りです、知ってるであれっ。もはや歴史教科書の登場人物なんですね、ヲルトに登場人物は実在するし長崎事件も本当でした。これが原因で没落するのだが、そこから不死鳥の姿になるって事 大河ドラマにもなれるって事 いやあ知らない事が恥ずかしいとまたも思う お祖父さんの勘を磨けの言葉が良かったです

Posted byブクログ

2024/01/02

長崎で油を扱う大浦屋の身代を継いだお希以は外国人向けに茶葉を販売するビジネスを行い財を為し、亀山社中(後の海援隊)を援助する。 その後、熊本藩士遠山一也、元大通詞の品川藤十郎に持ちかけられた煙草葉の商いで詐欺にあったもの、そこから復活し横浜製造所の経営を杉山徳三郎と共に行う。幕末...

長崎で油を扱う大浦屋の身代を継いだお希以は外国人向けに茶葉を販売するビジネスを行い財を為し、亀山社中(後の海援隊)を援助する。 その後、熊本藩士遠山一也、元大通詞の品川藤十郎に持ちかけられた煙草葉の商いで詐欺にあったもの、そこから復活し横浜製造所の経営を杉山徳三郎と共に行う。幕末の女商人大浦慶の一代記。

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2023/10/25

202210/見事な傑作。ドラマで見てみたい。余談だけど、大浦慶といえば、漫画(高浜寛『ニュクスの角灯』)を思い出す。

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2023/10/03

長崎の「あきない正伝」だ! 油商家の女将で、幕末の動乱期 外国に茶葉を売り込み富を築くも 詐欺事件に巻き込まれて財も信用も失い それでも最後はまたひと花咲かせた 剛気な大浦慶の一代記。 朝ドラいけそうやん。 慶も魅力的だけど 彼女の意気に賛同してくれる 船員テキストルや商人ヲル...

長崎の「あきない正伝」だ! 油商家の女将で、幕末の動乱期 外国に茶葉を売り込み富を築くも 詐欺事件に巻き込まれて財も信用も失い それでも最後はまたひと花咲かせた 剛気な大浦慶の一代記。 朝ドラいけそうやん。 慶も魅力的だけど 彼女の意気に賛同してくれる 船員テキストルや商人ヲルトや ガラバアといった異国の人々がまた なんとも魅力的です。 あと、父親の代からの番頭さんが 目の上のたんこぶ的な存在なのだけど 後半、彼が店のことを大切に想い 慶のことも考えていたことがわかって(T_T) 昔読んだ漫画『ニュクスの角灯』にも 大浦慶が出てたな〜。 ああ、また長崎に行きたくなった。

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2023/09/19

知人に薦めらめて初めて読む朝井まかてさんの作品。大浦慶の素敵な人生、幕末から明治の長崎での出来事、ワクワクしながら読み進みました、勘を磨け!の言葉は私にもビビッときた。他の作品も読みたい。

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2023/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本作は、長崎の三女傑の一人、茶葉商人の大浦慶を描いた歴史小説です(ちなみに残りの二人はシーボルトの娘で医師の楠本イネ、ロシア語を極めロシア人専用ホテルなどで繁盛した道永栄)。 ・・・ で、やはり人物がダントツに面白い。 幕末に商家の一人娘として生まれたものの、祖父が跡継ぎたる父を見限り、孫の慶へ英才教育を施すという背景もあります。この慶が、落ち目の家業である油商ではなく、当時藩の直轄だったオランダとの交易にどうにかして食い込もうと奮闘します。 ちなみに、お慶さん、驚きのどストレート発言が信条。 せっかく婿をとったのに、数日で離縁したいと周囲に漏らす。それも、「これはダメな男」だとの勘。というのも、火事の際に娘(慶)を置いて逃げ出した父と同じ匂いがするとのこと。されたほうはたまったものでもないが、周囲も離縁を認めてしまうのは、おそらく信用されている証拠。破天荒というより直情径行、雰囲気を読まないところが豪快で逆に胸をすく人物です。 。。。 個人的に最も印象的だったのは、慶にとって外国人との初取引となる、ヲルトと茶葉販売の納品のシーン。 やっては見たのの、とにかく品物が揃わない。前銀を貰った手前、「やっぱりできませんでした」は期日に言えない(船がカラで帰るだけ燃料代が無駄になるし)。そもそも自由に外国人と取引していいと言われていないグレーな時に、大っぴらに助けも求められない(ってか罰せられるよ)。何とか言い草をつけて知り合いの茶葉商人から相当量をおろしてもらったり。その顔をつぶさないように、他の茶葉商人には話さず、直接嬉野の農家へ赴き商品確保に成功したり。それでもまだ足りずその農家の家庭用の粗茶(枝と葉とないまぜになったもの)をバルクで買い上げ、自前で茶葉だけにふるい分けしたり。期日までに所定の納品量の9割程度まで集め、若干足りないものの何とか納品が終わりディールが完了したところは圧巻。 私もかつて証券マンで営業しましたが、ノルマが期日ギリギリのところで(大抵最終日に残業しながら)各自電話やPCにかじりつきながら、ホワイトボードでノルマ残が少しづつ減り、すんでのところで全部売り切る、そういう感覚を思い出しました。 ちなみにこの後、慶の茶葉交易は爆発的に拡大し、商いは年々うまくいきますが、好事魔多し、大切な部下に死なれたり、騙されたり、一本調子ではありません。でもだからこそ、もう一発ツイストが来ます。ここもビジネスパースン感涙の「やっぱりコツコツ頑張るのが大事だ」って場面になります。ぜひご堪能を。 ・・・ あと、歴史人物が相当数交錯します。 幕末を駆け抜けた武器商人のグラバーや、茶葉商人オルト。どちらの邸宅も現在のグラバー園に移設されていますね。また大浦屋の二階でたむろすることを許すことでいつの間にか支援する形になった、大隈重信や亀山社中の面々(坂本龍馬も)が登場。私はこの本で、なぜ土佐藩脱藩兵士が日本の転換期に関わったのかをやっと理解しました。 それ以外にも慶の脇を固める頑固頭の番頭の弥右衛門、弥右衛門なき大浦屋を支えた元気キャラの友助、夫を7人持った月花楼の女将のお政など、物語を彩ります。 ・・・ ということで、長崎の歴史ものでした。 著者の朝井まかてさんの作品は初でしたが、ちょっと風景描写が多い気がしました。「これっていわゆる心情を表す風景描写か」って国語の受験テクを思い出しました。 なお斎藤美奈子さんの解説は簡便にして的を射ており、読んだ瞬間感想を書く気が失せました。書いているけど。 歴史好き、長崎好き、幕末好き、女性のトップランナー系の話が好きな方、お勧めです。

Posted byブクログ

2022/12/30

大浦慶の話。この人実在の人だけど全然知らなかった。とてもやり手の女将さん。そしてとても面白かった。外国人と対等にビジネスしたり、幕末の偉人(坂本竜馬とか大隈重信とか)たちとやり取りがあったり。引退した番頭さんがピンチの時に帰ってきたのはかっこよかった。

Posted byブクログ