十字架のカルテ の商品レビュー
知念実希人さんの 『十字架のカルテ』を読了。 犯罪者の鑑定を専門に行う 精神科医のお話。 なかなか おもしろかったです。
Posted by
目には見えない、数値で測ることもできない心の病気に焦点を当てた作品。 平板な口調で無表情ばかりにも関わらず、どこか温かみがあり、人想いな様子が伝わる影山先生。自信がなさげだが、愚直で熱心で優秀な弓削先生。この2人の掛け合いと弓削先生の成長があったからこそ、目を背けたくなるような話...
目には見えない、数値で測ることもできない心の病気に焦点を当てた作品。 平板な口調で無表情ばかりにも関わらず、どこか温かみがあり、人想いな様子が伝わる影山先生。自信がなさげだが、愚直で熱心で優秀な弓削先生。この2人の掛け合いと弓削先生の成長があったからこそ、目を背けたくなるような話も読み進めることができた気がします。 精神疾患の根拠をあげることの難しさ、またその根拠の脆さ。精神鑑定医という職業の厳しさを学びました。 常に中立の立場を求められるというのも苦しいなと。読者である自分でさえ、被害者側に同情して読んでしまうのに… 精神疾患を抱える人の苦痛はきっと想像を絶するものであると頭ではわかっていても、犯罪を犯す方が悪いのではと天秤にかけてしまう自分はまだまだ理解が及ばない側なのでしょう。 本当に心が壊れてしまった人、一方で詐病を駆使する人、どちらも描かれているが故に、人という生き物の脆さや愚かさがより一層表れているように感じました。
Posted by
精神鑑定医の影山司の助手に志願した新人医師弓削凛が、犯罪を犯した犯人の精神鑑定を影山の元で取組む、鑑定結果により犯人の処遇に大きく影響する。うつ病は心神喪失で無く、統合失調症は心神喪失の差があり、面談でその差を判断し犯罪罪に対する処遇に大きな影響をする事を学び、今まで実社会での数...
精神鑑定医の影山司の助手に志願した新人医師弓削凛が、犯罪を犯した犯人の精神鑑定を影山の元で取組む、鑑定結果により犯人の処遇に大きく影響する。うつ病は心神喪失で無く、統合失調症は心神喪失の差があり、面談でその差を判断し犯罪罪に対する処遇に大きな影響をする事を学び、今まで実社会での数々の悲惨な事件を思う出す。凛が鑑定士の道に進むきっかけとなった幼馴染の殺人事件の犯人と対峙する解離性同一性障害の桜庭絵里香の事件鑑定は、オカルトっぽく本当にこの様な症状が有るのか?信じられず完読する。
Posted by
祈りのカルテとは別の主人公ですが、構成は類似しており、5篇からなる医療短編小説。 精神鑑定医が舞台です。 刑法39条がテーマの1つですが、仮に自分が被害者家族の立場となった際、やはり、やり切れない感情を持つと思います。 直近で刑事物の同法をテーマとした小説を読んでいましたが...
祈りのカルテとは別の主人公ですが、構成は類似しており、5篇からなる医療短編小説。 精神鑑定医が舞台です。 刑法39条がテーマの1つですが、仮に自分が被害者家族の立場となった際、やはり、やり切れない感情を持つと思います。 直近で刑事物の同法をテーマとした小説を読んでいましたが、医者側の視点も考えさせられました。 今後、シリーズ化されるか分かりませんが、知念作品は好きなので、楽しみに待っています。
Posted by
主人公は精神鑑定医を目指す見習いの女医。 高校時代に親友が殺人事件に巻き込まれるが、 犯人が心神喪失と判断され裁きは受けず、社会的にも取り扱われなかった。 本編は5部構成。 引きこもり男性、幼児を殺した母等 精神鑑定を必要とする事件の裏側を解き明かしていく。 非常に読みやすく...
主人公は精神鑑定医を目指す見習いの女医。 高校時代に親友が殺人事件に巻き込まれるが、 犯人が心神喪失と判断され裁きは受けず、社会的にも取り扱われなかった。 本編は5部構成。 引きこもり男性、幼児を殺した母等 精神鑑定を必要とする事件の裏側を解き明かしていく。 非常に読みやすく 面白かったです。一気読みできました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
人間は我慢が続くと、こんなにも心を壊してしまうのか。 精神科の先生ではあるが、普通の精神科医ではなく、精神鑑定医の物語。とても難しい題材だと思います。心の病気は誰しもがいつ患ってもおかしくない病気なのに、やはり受け入れる事ができない人も多いのか。放置しなければ、起こらなかった事件も沢山あったはず。とても考えされられる一冊です。この本に出会ったお陰で、もし家族が心を病んだとしても、私は恥ずかしがる事なくちゃんと治療をして支えていこうと思える。
Posted by
精神鑑定医という特殊な分野を題材にした小説でしたが、とても興味深く、ストリーもよくできていて秀作だと思いました。最後まで一気に読んでしまったという印象です。
Posted by
1人の精神科の先生の視点を中心に物語が展開。 面白かったです。 最後の乖離性同一性障害のところだけファンタジーめいているけど、本当にある事なのかな?臨床で働くドクターはこんなケースにも当たるのかな?、と思い読んでみた。 天久鷹生先生の世界とリンクすると面白いだろうな。
Posted by
心と向き合うって こんなにも難しいことなのか。 心が壊れるときって こんなにもあっけないものなのか。
Posted by
登場人物は変わらないけど、短いストーリーに切れているから、連続ドラマを観ているような感覚。 知念さんの作品は難しい医学用語も少ないし、文章も読みやすいのでさくさく読み進められる。 検索結果や画像診断では評価できない精神疾患を扱うことの難しさ、そこに犯罪が絡み、診断次第で加害者だけ...
登場人物は変わらないけど、短いストーリーに切れているから、連続ドラマを観ているような感覚。 知念さんの作品は難しい医学用語も少ないし、文章も読みやすいのでさくさく読み進められる。 検索結果や画像診断では評価できない精神疾患を扱うことの難しさ、そこに犯罪が絡み、診断次第で加害者だけでなく被害者やその家族の人生までも左右してしまう精神鑑定の難しさもリアルに感じ取れた。 繰り返すようだけど、小説としてというよりもドラマの台本を読んでいるような気持ちになる。 ドラマ化されたら面白いだろうな。
Posted by