十字架のカルテ の商品レビュー

知念実希人(著者)

2023/12/22

本作は精神科医のお話。全体の流れから最終話への持ってゆき方が素晴らしい、解離性同一性障害というか、人間の心の闇について、感じました

2023/12/20

刑法第39条。重いテーマです。天久鷹央シリーズの「久遠の檻」にも登場する精神鑑定医のお話です。精神鑑定とはどういうもので、精神鑑定医とはどういう仕事なのかがよくわかる。影山先生のようなアプローチをとる方が実際にいるのかはわかりませんが、大変な仕事だと思います。
シリーズ化しても面白いと思うけど、そういろいろなパターンは書けないかなぁ。

2024/06/06

鑑定医の仕事を書く医療ミステリー。
心神喪失状態となった人が殺人を犯す。虐待した親が悪いのか、環境が悪いのか。ひどい環境でも発症しない人がいるのだから、本人の脆弱性が悪いのか。どれも何か違う気がして、減刑されることが適切なのかもわからない。そして、誰しも精神疾患にかからない保証はどこにもなく、皆同じ人間であることを考える。答えが出ない気もする。
本作に登場する監察医、影山医師はわからないこと自体に冷静に向き合っている。わからないことを延々考えて調べ、向き合い続けることが専門家の仕事なのかもと思う。
少し小説めいたというか、誇張を感じる所はあったが、細かい医療的な描写が信憑性を強めていてこんな鑑定医がどこかにいるのかもと思わず感じてしまった。

2023/11/29

精神病を患っている人が犯罪を犯しても、本人に責任能力がなければ罪には問われない。だが、本当に病気なのか演技なのかを判断するために鑑定を行う話。
話の中でもあるが、血液検査の数値などで判断ができない分、どこで判断するのか興味深かった。
展開が予想できず、だが話の筋は通っていて驚かされる作品。

2023/11/28

精神鑑定医の名医と助手コンビの話。
すごく面白かった。
そもそも精神鑑定とは、精神疾患とはというのがよく書かれた上で、
事件の真相を探っていくミステリー。
各話が、鑑定を下すまで二転三転して、結果に驚く。
よくできたミステリー。
何より、精神鑑定医としての考え方がすごくいい。
医療従事者は精神の勉強になるし、
一般の人は精神疾患について知れて、そういう役割も持ったほんとだと思う。

2023/11/14

天久鷹央シリーズから知念実希人氏の作品を読む機会が増え、気になっていたので、購入。
天久鷹央シリーズとは印象も内容も全く違う。

犯罪者の精神鑑定を行う精神科医と見習い医師。
様々な事件を起こした犯罪との対峙。
大変な仕事だと理解はしていたが、この作品を読むと、大変どころではない重みを感じた。
診断により起訴されるのか、不起訴なのか。
下す診断によって1人の人間の人生が大きく変わるわけなのだから。

医師が描く作品ということもあり、知らなかった病気の実情、医師としての仕事内容などを知った。

凛が抱えてきた十字架。
全て解決というわけではないのだろうが、精神鑑定医として確実に1歩を踏み出したのだと思う。

2023/11/03

サイン入り本を購入してしまいました。
特に思い入れのある作家さんではないし、あまり読んだことなかったのだけど。

読みやすさと、映像化した時のイメージが浮かぶ作品。
精神鑑定医見習いの凛と、彼女の過去。
展開の速さが飽きさせず、加速読書でしたな。
統合失調症、解離性障害、多重人格。39条。

2023/10/27

知念実希人さん面白すぎ

過去の読了を振り返ってみたらすべて★５だった
大好きです

レビューを見たら影山は福山雅治と書いてあったので
ずっと福山さんで読んでたんだけど
自然と弓削凜ちゃんは柴咲コウとか吉高由里子とか勝手に…アレのイメージ

福山さんでは無理だと思うけど
映像化してもぜっっったい面白い！！

弓削凜ちゃんの過去の秘密はそのままに
精神病の短編が続くも
最後の章でびっくりする真相が！
この結末は全然読めませんでした…

医療のこと、病気のことわからない私でも
とっても読みやすかった、あっという間だった

知念実希人さんはいつかコンプリートしようと決めました

2023/10/23

こういった疾患に関わった事がある身としては、非常に重い題材だった。また、医師が描くから、より真実味と重みがある。
最近、解離性同一性障害の物語や、統合失調症の話を読む事が多い。狂気や異常、正常の違いや、罪を償うと言う事と罰するということ、被害者心情や法律の壁など考えさせられる事が多い。

2023/10/14

「全ての人間が、自分と同じような感性を持っているとは思わない方がいい。」
この言葉がとても印象に残りました。
「精神鑑定医」や「触法精神障害者」について知らなかったことが知れて、勉強になりました。
フィクションとは分かっていても、とてもリアルな描写に引き込まれました。