毎日のように手紙は来るけどあなた以外の人からである の商品レビュー
デビュー25周年の全短歌集ということですごい量だけど1ページ1句でパラパラと眺めていく。俵万智さんとの往復書簡がなんだかとても良かった。
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短歌って思ったよりも自由だし、何を詠んでもいいんやで?と気づかせてくれる歌人No. 1だと思ってる枡野浩一さん。 率直な考えや日常の出来事をストレートに表現するのがバツグンに上手く、文学作品というより現実を生きていくための短歌という感じがして好きです。 「わけもなく家出したく...
短歌って思ったよりも自由だし、何を詠んでもいいんやで?と気づかせてくれる歌人No. 1だと思ってる枡野浩一さん。 率直な考えや日常の出来事をストレートに表現するのがバツグンに上手く、文学作品というより現実を生きていくための短歌という感じがして好きです。 「わけもなく家出したくてたまらない 一人暮らしの部屋にいるのに」 「靴下のたるみをなおす要領で俺を肯定したい日もある」 「さようなら さよなら さらば そうならば そうしなければならないならば」 「少女らにウケるバンドのライブでは男子トイレがすいていて楽」
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おすすめされて手に取った本。高校生の頃に俵万智さんのサラダ記念日を読んだくらいで、普段歌集には全く無縁。そのため、読み方がわからないこともあって、心に深くささることはなかったけど、「あー、分かる分かる」と共感できるものも。短い文で思いや情景、何かを伝えるって素敵なことだと思った。...
おすすめされて手に取った本。高校生の頃に俵万智さんのサラダ記念日を読んだくらいで、普段歌集には全く無縁。そのため、読み方がわからないこともあって、心に深くささることはなかったけど、「あー、分かる分かる」と共感できるものも。短い文で思いや情景、何かを伝えるって素敵なことだと思った。 「がっかり」は期待しているときにだけ出てくる希望まみれの言葉 努力とは希望を持っている人だけにゆるされたまぶしい助走
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一つ前の本と同じ偶然で、たまたま入手。最初に収載された『てのりくじら』以外は持ってないから、ちょうどいい機会だった。 20年以上も前にデビュー作の歌集を読んでから(多分学生時代)、自分に長い時が流れたのと同じかそれ以上に(いや時間は平等に過ぎているのだけれども)歌人にとっても長い...
一つ前の本と同じ偶然で、たまたま入手。最初に収載された『てのりくじら』以外は持ってないから、ちょうどいい機会だった。 20年以上も前にデビュー作の歌集を読んでから(多分学生時代)、自分に長い時が流れたのと同じかそれ以上に(いや時間は平等に過ぎているのだけれども)歌人にとっても長い時が流れたのだなぁと思う歌が多数。関わった作品リストも随分と長い。 色恋の歌よりは、厭世感とか死生観とかの歌に感嘆して共感する。かんたん短歌に挑戦したくなる。もっともこの間の話では、枡野さんは芸人として日々挑戦中とのことだったが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
孤高の歌人、枡野浩一さんの全短歌集。 ときに下ネタど真ん中の歌もありつつ、わかりやすく、くすっとなったり、あーあるあるそれっていう歌多し。 ほとんどが57577のリズムで読めるし、素人目には全然技巧的でないように見えるのだが、そこではないところにセンスがあるのだろう。 権威におもねることなく、自分の思う歌を詠むんだぁという気概を感じるような、あ、そこに切り込んでいくんだ(でもちょっとだけ丸みを残して)というところも多く感じた。 名久井直子さん装幀、全ページに渡り1ページ1首という余白感も、集中できる作りで良かった。 また、図書館で借りた本だけれど、枡野さんと俵さんの往復書簡がしたためられた栞が巻頭に貼られていて読めて嬉しい。 そういう購入者特典的なものは読めないことが多いのだが、図書館の粋な計らいに感謝です。 枡野さんの原点は俵さんなのですね。 『サラダ記念日』、ちゃんと読みたくなった。 ときどき図書館の棚漁りで意識的に探しているのだけど、置いていないのか、人気があるのか、見かけたことないのだよな。 買ってもいいかなとも思う。 〇「複雑な気持ち」だなんてシンプルで陳腐でいいね 気持ちがいいね 〇野茂がもし世界のNOMOになろうとも君や私の手柄ではない 〇平凡な意見の前に言いわけをしておくための前置詞「やっぱ」 〇四百字ぶんの升目をうめるにも足らぬ三百六十五日 〇他人への怒りは全部かなしみに変えて自分で癒してみせる 〇どっち道どの道どうせ結局はとどのつまりは所詮やっぱり 〇「じゃあまたって言いかけてから切れたからまたかけちゃったゴメンじゃあまた」 〇寅さんの看板を見てガキのころ「つらいのはやだ」と思った男 〇「言葉にはできない」という言葉ならジョーカーみたいにつかいまくって 〇馬鹿中の馬鹿に向かって馬鹿馬鹿と怒った俺は馬鹿以下の馬鹿 〇塩酸をうすめたものが希塩酸ならば希望はうすめた希望 〇政治家は大なり小なり政治家になろうと思うような性格 〇あのあとも三木道三はその人と一生一緒にいたんだろうか 〇謝れと強要されて心から謝れる人いるんだろうか? 〇だまされるほうが悪いと言われたが だましたほうが悪いと思う 〇前例はあるんだろうか「村の上の春の樹」という題の小説 〇ものすごいGがかかると聞いている どこでもドアをくぐる瞬間 〇あひるの子 みにくいままで愛される話であればハッピーエンド
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初めて自分で買った歌集。 タイトルにグッときて、買ってからこれも短歌なんだ!って気付いてなんか感動してしまった。こんなに短い文字で人の心を癒したり楽しませたりするってすごい。そして短歌に疎い私でも、読み終わる頃にはなぜか短歌を詠んでみたい気持ちがムクムク湧いてくる。そんな歌集だっ...
初めて自分で買った歌集。 タイトルにグッときて、買ってからこれも短歌なんだ!って気付いてなんか感動してしまった。こんなに短い文字で人の心を癒したり楽しませたりするってすごい。そして短歌に疎い私でも、読み終わる頃にはなぜか短歌を詠んでみたい気持ちがムクムク湧いてくる。そんな歌集だった。 直球なものもあれば、何度か読み返して沁みてくるものもあり、笑えるものもあり、泣けるものもあり、グサっと痛いところを突いてくるものもあり、人によってお気に入りの一首は違えど、その人の心に寄り添ってくれる歌が必ず見つかるだろう。 <個人的に好きだったもの> イヤホンは耳をふさいで考えが生まれることを防ぐ避妊具 無駄だからやらないんだね無駄のない人生なんて必要あるの 本当のことを伝えて憎まれてあげるくらいの愛はなくって 消しゴムでこすったせいで真っ黒になってしまったようなサヨナラ だまされるほうが悪いと言われたが だましたほうが悪いと思う 見覚えのある絶望を二度目なら愛せるような気もしています 会いたくて会えない人はあなたには会いたいなんて思ってません
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以前の私なら 短歌ってよくわからない だったけれど、こういった自由律の短歌は一言のメッセージのようで読みやすくて好きです 最近詩も好きなのでこれはこういう意味なのかもしれないと自分なりに解釈して読めるのも良いですよね 保存した短歌が沢山あります
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これとか好き。 「振り上げた握りこぶしはグーのまま振り上げておけ相手はパーだ」 ポーズだけは勝負として負けておけばいい、ということと、 相手は(頭が弱いという意味での)パーだ、という意味をかけているのでは。 内向的な人の心をがっちりつかむ詩もあるし、 「人間は忘れることが...
これとか好き。 「振り上げた握りこぶしはグーのまま振り上げておけ相手はパーだ」 ポーズだけは勝負として負けておけばいい、ということと、 相手は(頭が弱いという意味での)パーだ、という意味をかけているのでは。 内向的な人の心をがっちりつかむ詩もあるし、 「人間は忘れることができるから気も狂わずに、ほら生きている」 「笑っても泣いても同じなんだから私は泣いていようと思う」 「殺さずに生きてこられてよかったな だれかのことも自分のことも」 一般的な共感を呼ぶようなセンスのいい詩もあって面白い。 難解なものは無かったと思う。
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表題になっている短歌が好きだったので読んでみた。初読みの詩人さん。わかりやすく、一ページに一行ずつ配置されている短歌は、動き出しそうなほど存在感があるものもあって、最初から最後までずっと楽しく読めた。 そして、全体を通して、個人的に自分がずっと感じている男性の怖さみたいなもの...
表題になっている短歌が好きだったので読んでみた。初読みの詩人さん。わかりやすく、一ページに一行ずつ配置されている短歌は、動き出しそうなほど存在感があるものもあって、最初から最後までずっと楽しく読めた。 そして、全体を通して、個人的に自分がずっと感じている男性の怖さみたいなものを感じた。怖さを感じるから悪いとか好きとか嫌いとかではなく、ただ感じたというだけ。 何が怖いか言葉にするのはとても難しい。だけれど、本能的に怖いと思ってしまう相手がいて、(自分が背が低いからか)背の高い女性とか、なぜか毛量の多い女性も怖い。意地悪な女性はもちろん。そして男性はその方の性格にかかわらず、大抵みんな多少なりとも怖い。 そして、私が感じるその男性の怖さみたいなものが短歌から漏れ出ていて、読んでいてずっと少し体が縮こまった感じがしていた。 特に好きだった歌 ◯好きだった雨、雨だったあのころの日々、あのころの日々だった君 ◯抱きしめた夢の中では生きていて重さもあって温かかった ◯消しゴムでこすったせいで真っ黒になってしまったようなサヨナラ ◯見覚えのある絶望をニ度目なら愛せるような気もしています
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短歌は自由だなあと最近思います。自由律というものはとてつもなくセンスが必要だと思いますが、それを気にしなければその時の自分の一行日記みたいなものなので、自分の為に書いて楽しみたいなと思わせてくれます。
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