付き添うひと の商品レビュー
この作品を読むまで、付添人という制度があるということ、全く知りませんでした…。家庭裁判所調査員が登場する作品なら読んだことあるけれど、あっ…あれは元家庭裁判所調査員でした!ひとつ、自分の知識になりました。 この作品は弁護士であるオボロ(朧太一)が、悩みを抱える少年少女の抱え...
この作品を読むまで、付添人という制度があるということ、全く知りませんでした…。家庭裁判所調査員が登場する作品なら読んだことあるけれど、あっ…あれは元家庭裁判所調査員でした!ひとつ、自分の知識になりました。 この作品は弁護士であるオボロ(朧太一)が、悩みを抱える少年少女の抱える家庭環境や生活環境など本人や関係者から聴取したり各関係機関と調整することで、少年少女の権利を守っていくもの…と、言えばいいかな…。それだけではなく、オボロが少年時代に受けた心の傷に向き合うこともテーマになっています。 悩みを抱える少年少女にとって、付添人ほど心強い存在はいないでしょうね…!!オボロが奔走する姿、胸が熱くなります。第1話の蓮くんが更生する姿は読めてよかったぁ~と思いました。あとオボロもね、これからの人生歩める人ができてよかったですね♡ 付添人とは… 『つきそい-にん〔つきそひ-〕 【付添人】 1 人に付き添っていろいろな世話をする人。 2 家庭裁判所で審判を受ける少年の権利擁護代弁し、少年審判手続きや処遇の決定が適正に行われるよう裁判所に協力する人。弁護士以外の人がなる場合は家庭裁判所の許可が必要。 →国選付添人(大辞泉)』 印象に残ったフレーズ 「あなたにとって、あなたは誰よりも大事な存在だ。あなたの心も身体も、あなただけのものだ。辛ければ休んでも逃げてもいい。もしも親や他人との関係で苦しんだとしても、自分を大事にしてほしい。生きてさえいればまた歩き出せる」
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【付添人】という役割を担う弁護士のオボロ。家庭裁判所で審判を受ける少年たちに寄り添い、彼等のために何ができるか。5話収録。オボロ自身も両親に犯罪行為を強要され14歳の時に逮捕されている。もし自分に付添人がいたら少しは救われたのか…との思いは強くなり弁護士を目指すきっかけとなった。そんなオボロだからこそこの物語に登場する少年少女たちの力になれたのかなと思う。どのケースの少年少女も身勝手な大人達によって孤独を抱えている。こんな機会がないと助ける事も出来ないんだろうな。色々考えさせられる事もあり読んでよかった。
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子供時代に親がどう関わるかは、本当に大事なんだな。 人生に負けてしまったと思っても、そこからやり直す事はできるのか。傷とどうやって折り合いをつけるのか、、難しい。 誰か1人でも本当に寄り添ってくれる人ができれば、救われるのかも。
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06月-09。3.5点。 少年犯罪で付き添う弁護人を「付添人」と呼ぶ。 連作短編形式で、いろんな少年少女と触れあっていく。 面白い。主人公の過去が重要なポイントに。
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″付添人″という存在を、今回初めて知った。 少年犯罪と一括りにする中には、さまざまな理由があり、成人とは対応が違うことはわかっているつもりだった。 しかし、実際に日々向き合っている人びとを思うことはなく、鑑別所にいる子どもたちについては、このような本の中やTVなどの中でしか知ら...
″付添人″という存在を、今回初めて知った。 少年犯罪と一括りにする中には、さまざまな理由があり、成人とは対応が違うことはわかっているつもりだった。 しかし、実際に日々向き合っている人びとを思うことはなく、鑑別所にいる子どもたちについては、このような本の中やTVなどの中でしか知らない。 フィクションであっても、こんな現実を生きている人たちがいると想像することで、自分の考えの幅が広がると思った。
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自分や自分の息子も、何かがちょっと違えば登場人物と同じだったかもしれない。と思って、自分に重ねてしまい泣けた泣けた。 とても面白かった。 岩井さんの作品を読むのは初めて。 京王線とコラボしている無料配布の小説で知った作家さん。男性作家さんの小説は、セリフがちょっとカッコつけすぎ...
自分や自分の息子も、何かがちょっと違えば登場人物と同じだったかもしれない。と思って、自分に重ねてしまい泣けた泣けた。 とても面白かった。 岩井さんの作品を読むのは初めて。 京王線とコラボしている無料配布の小説で知った作家さん。男性作家さんの小説は、セリフがちょっとカッコつけすぎというか「こんな言い方するか?」と思うことが多く敬遠しがちだったが、岩井作品のセリフは全然すんなり入ってくる。 他の作品も是非読みたいと思った。
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近年ネグレクトの話が多いように感じる。自分がたまたまそういう本を選んでしまうのか、実際に増えているのか、それとも多くが明るみに出るようになったからなのかは分からないが。 本書は、少年審判に於ける付添人側からの話。非行少年の権利を守り更生を手助けするのが付添人。その多くは弁護士が...
近年ネグレクトの話が多いように感じる。自分がたまたまそういう本を選んでしまうのか、実際に増えているのか、それとも多くが明るみに出るようになったからなのかは分からないが。 本書は、少年審判に於ける付添人側からの話。非行少年の権利を守り更生を手助けするのが付添人。その多くは弁護士が担っている。 内容は比較的ライトでスルスルと読めるが、個人的には第四話、SNSでの名誉棄損問題が興味深かった。ディスレクシアという病気や、周りと違うことに薄々気付いていても認めたくないがために向き合えない現実。 ディスレクシアについては、耳にしたことはあったが、今回初めて内容を知るきっかけになった。これは辛いだろうなと思う。自分には目が回りそうな難病に思えた。 また、薄々気付いていても向き合いたくない事は病気だけでなく、日常生活でも多く存在しているだろう。言語化されると耳が痛かった。 自分の辛い過去に向き合いながら、またその経験を生かし、広い視野で少年少女たちの背景を想像出来る弁護士オボロの今後も追ってみたい。
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未成年には付添人 弁護人じゃないんだ、知らなかったというのが読み始めての感想 思った以上に良い本でした 子どもは、いつも大人に振り回されるんですよね… 自分ではどうにもならないことが多すぎて 向き合ってくれる人がいる、それを実感することで救われること、何も子どもだけじゃない ...
未成年には付添人 弁護人じゃないんだ、知らなかったというのが読み始めての感想 思った以上に良い本でした 子どもは、いつも大人に振り回されるんですよね… 自分ではどうにもならないことが多すぎて 向き合ってくれる人がいる、それを実感することで救われること、何も子どもだけじゃない 自分も自身と向き合っていかなきゃ、そう思える本です
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少年犯罪における弁護士というのは「付添人」と言うんですね。知らなかった。 少年少女であっても犯罪は犯罪と思っているのですが、本作の「オボロさん」のような人に関わってもらえたら、更生出来るのかもしれないなあと思いました。僕なら絶対無理な職業ですね。
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「付添人」という立場の人を初めて知りました。 最後、オボロが過去を受け止めて前に進むような形で終わったのがジーンと来ました。 また、これまで出てきた子どもたちや親が少しずつ自分の人生を歩み始めたこともわかり、過程も含めて一つずつ取り上げれば、これはこれで長編小説になりそう。
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