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縛られる日本人 の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2023/01/02

育児に関する制度について、アメリカ、スウェーデン、日本の比較をしている本書。 結論として、制度自体は整っているが、男性が働き、女性が家事育児をするという社会規範がある限り、人口減少対抗策は機能せず。まずは、このような性別分業的な規範を早い段階で打ち破るべしという内容。スウェーデン...

育児に関する制度について、アメリカ、スウェーデン、日本の比較をしている本書。 結論として、制度自体は整っているが、男性が働き、女性が家事育児をするという社会規範がある限り、人口減少対抗策は機能せず。まずは、このような性別分業的な規範を早い段階で打ち破るべしという内容。スウェーデンの共働き・共育てモデルで参考になるのは第一子から第二子までを短期間で出産する場合には、育休の補助が増加するというもの。日本の若い年代でも、キャリアウーマンはやはりキャリアとの天秤の中で子供を作るタイミングを遅らせることになることは既に傾向としてあるが、スウェーデンの場合、スピードボーナスというこの制度によって、出産のタイミングを早く作ってもらうという制度があった。 なお、本書は福利厚生として育児への補助ができるのかという問題意識で読んだが、正直なところ、最も成功しているスウェーデンのモデルでは、適宜転職や時短勤務等を行い、金銭的な補助ではなく職を変えることや現職との交渉により、流動的に時間制約を労働者側で無くしているということがわかった。こうしたモデルの場合、企業として福利厚生にかける投資効果という意味では、なかなか訴求しずらい傾向にあるのではないかと感じた。

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2022/12/19

日本の出生率減についてジェンダーの視点から述べた本だが、まあ想定の範囲内の内容だった。 もっと広い多角的な視野からの日本人論を期待していたのだが… これ!、と思って買った中公新書は大体期待以上の内容なのだが、肩透かしを食らった感じが残った。 大垣書店イオンモール北大路店にて...

日本の出生率減についてジェンダーの視点から述べた本だが、まあ想定の範囲内の内容だった。 もっと広い多角的な視野からの日本人論を期待していたのだが… これ!、と思って買った中公新書は大体期待以上の内容なのだが、肩透かしを食らった感じが残った。 大垣書店イオンモール北大路店にて購入。

Posted byブクログ

2022/11/25
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※このレビューにはネタバレを含みます

結婚と出産が減っている。 男性が育児休業をとれない 職場慣行に問題がある 低出生率国ほど、男女とも人生への満足度が低い。 日本では性別役割が硬直的、アメリカ、スウェーデンでは家族との時間を大切にして、バランスがとりやすい。 日本では男性の育児休業制度は手厚いが使いにくい。 時短勤務制度と育児休業期間の延長は、両刃の刃。女性の利用がほとんどで、ジェンダー主義が強化されている。 くるみんマーク=子育て支援に取り組んでいることを示すマーク。取得自体が目的となっている。 コフォート完結出生数。女性が再生産年齢(45歳など)までに出産した子供の数の平均。合計特殊出生率より、出産年齢の変化の影響を受けない。 アメリカは、有給の育児休業制度がない国。有給の出産休業制度もない。20%程度の大企業にあるだけ。

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2022/11/16

日本はなぜ出生率も幸福度も低いのか。各国の若い世代へのインタビューとデータをもとに、アメリカを代表する日本専門家が緊急提言。

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2022/10/21

【1家族が大切だという神話】 子供ができる=苦労@日本 ↑日本における家族の狭義性 核家族化に耐えられない日本人 「家族本質主義」(政治学者Leonard ショッパ) 【2男が育児休業をとれないという神話】 ジェンダー本質主義 能力主義 「多元的無知」 【3男の育児休業の重要...

【1家族が大切だという神話】 子供ができる=苦労@日本 ↑日本における家族の狭義性 核家族化に耐えられない日本人 「家族本質主義」(政治学者Leonard ショッパ) 【2男が育児休業をとれないという神話】 ジェンダー本質主義 能力主義 「多元的無知」 【3男の育児休業の重要性】 父親quarter 家事労働をどれくらい担うかは、各国の「文化的所与、文化的デフォルト」によって決まる傾向がある ヨースト・デラートとアルムデナ・セビーリャ=サンスの研究 家事分担割合と行動に強い関連 【4職場慣行の問題】 単身赴任 顧客絶対主義 雇用制度 時短勤務 ガンダム・ウーマン 【5スウェーデンとアメリカ】 コーホート完結出生数 【6社畜から開拓者へ】

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2022/10/14

人口が急減する日本。なぜ出生率も幸福度も低いのか。 ハーバード大学ライシャワー日本研究所の所長による現代日本への現状把握と考察 結論:日本人が幸福で、出産率を上げるためには、「夫が積極的に育児と家事に参加すること」そのためには、男性の育児休業を義務化して強制的に実施することだと...

人口が急減する日本。なぜ出生率も幸福度も低いのか。 ハーバード大学ライシャワー日本研究所の所長による現代日本への現状把握と考察 結論:日本人が幸福で、出産率を上げるためには、「夫が積極的に育児と家事に参加すること」そのためには、男性の育児休業を義務化して強制的に実施することだという 気になったことは次の通りです。 ・新しく生まれてくる子どもの数が減り、しかも平均寿命が目を見張るほど上昇しているため、日本では人口が減少しているだけでなく、社会の高齢化が驚異的なペースで進んでいる。 ・日本は、人間ファーストではなく、労働ファーストです。 ・日本の人たちは人生への満足度が低い。そして、国際的な研究により、人生への満足度が高い人ほど、子どもをもうける確率が高いという強力な実証データが得られている。 ・仕事と家庭の両立を支援するための制度や、政策が充実している国では人々の幸福感が高まり、その結果として子どもの数も増えると考えている。 ・子どもが親と一緒に過ごす時間をどうやって増やすか。日本では、母親が仕事を辞めるか、勤務時間を減らすかを選択すべきだと考えている。 ・日本の男性は、他のポスト工業社会に比べて、子どもと一緒に過ごす時間が極めて少ない。日本人は、父親が家族と一緒の時間を過ごすことを必ずしも重要視していない。 ・日本では、女性の育児休暇取得率 81.6%に達しているのに対して、男性は、12.7%にとどまっている。 ・日本では妻の母親や夫の母親による支援を頼りにする人が多い。 ・育児休業を取得する男性の割合が増加すると、その地域の女性が第二子を産む確率が高まることを明らかにした。夫の参加が当たり前だという社会規範は、若い女性たちの出産に関する意思決定に影響を及ぼす。 ・どちらの国でも、夫の給料が妻より大幅に高い場合は、夫が育児休暇を取得する確率が低かった。 ・女性の睡眠時間が男性より少ない国は日本だけだ。 ・有償労働と、無償労働の時間を合計すると、日本人女性の週平均労働時間が男性にほぼ匹敵すると聞くと、驚く人も少なくないだろう。 ・日本の男性は家庭で家事と育児の15%しか分担していない。 ・夫が家事と育児に積極的に参加すれば、妻が仕事と家庭を両立しやすい ・夫が家事を多くこなしている夫婦では、妻がより多くの子どもを欲しがる傾向がみられる ・夫が幼い子どもの世話をすることに時間を費やせば、妻は、夫が家庭を大切にするつもりなのだと理解する。 ・赤ちゃんを入浴させる時間までに帰宅する父親がふえれば、日本の出生率が高まるかもしれない。夫の育児参加の重要性は極めて大きい。 ・雇用の保護がほぼ皆無のアメリカでは、日本のような国よりも頻繁に転職が行われる。正社員、非正規労働者、パートといった概念はなかなか理解できない。アメリカでは終身雇用に類する仕組みが失われて久しく、正規被雇用者という言葉を聞いても意味が解らない人がほとんどだろう。今日のアメリカに終身雇用という考えはほぼ存在しない。 ・日本の男性たちがどのように生きるかはみずからの願望や選択よりも、勤務先の会社の意向によって決まっている面が大きい。 目次は、以下です。 序章 日本の驚くべき現実 第1章 日本が「家族を大切にする社会」だという神話 第2章 日本では男性は育児休業を取れないという神話 第3章 なぜ男性の育児休業が重要なのか 第4章 日本の職場慣行のなにが問題なのか 第5章 スウェーデンとアメリカに学べること 第6章 「社畜」から「開拓者」へ 謝辞 参考文献

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