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縛られる日本人 人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか 中公新書2715
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
| 発売年月日 | 2022/09/20 |
| JAN | 9784121027153 |

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商品レビュー
3.5
19件のお客様レビュー
国立女性教育会館 女性教育情報センターOPACへ→ https://winet2.nwec.go.jp/bunken/opac_link/bibid/BB11537330
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ブックマークするのを忘れたが、お寺の僧侶らしい方が、以下のような発言をショート動画でされていた。 「子どもは母親から生まれてくるので、基本的にお母さんが大好きなんです。でもお父さんはそこまで好きじゃない。お父さんがいくら家族のために稼いできても、子どもはお父さんを好きにはなりませ...
ブックマークするのを忘れたが、お寺の僧侶らしい方が、以下のような発言をショート動画でされていた。 「子どもは母親から生まれてくるので、基本的にお母さんが大好きなんです。でもお父さんはそこまで好きじゃない。お父さんがいくら家族のために稼いできても、子どもはお父さんを好きにはなりません。自分が大好きなお母さんを、お父さんも大切にすることで、ようやく子どもはお父さんの存在を認めるんです」 賛否が巻き起こる予感がしなくもないが、「あながち間違いでもないな」と私は思っている。 私は父親っ子の気が強い方だが、それでも母の力になろうとしない場面を目の当たりにすると、決して良い思いはしなかった。 子育て世代や子育てを経験された世代でなくても、モヤモヤするであろう内容。 他国と比べて子育て支援の政策がまだ手厚い方(実は!!)にも拘らず、出生率が伸びず、幸福度も低いままなのはなぜか。 その原因を解明すべく著者は、2012年と2019年、日本・アメリカ・スウェーデンのカップル数組にインタビュー。(ちなみにスウェーデンは、公的サービスと国民の意識共にパーフェクトだった。さすが福祉大国…) 加えて数多のデータ資料を、本書の軸としている。 子どもがまだ小さいうちは、パートナー(日本の場合、主に夫)にも育休をとってほしい。育休が明けても早く帰ってきて欲しいのに、残業や飲み会(会食)・持ち帰り仕事で手が塞がっていて、結局ワンオペ育児に追い込まれてしまう…。 そんな(過酷な子育てをくぐり抜けてきた同期から)一度は聞いたことのある子育て問題が、各章で紛糾していた。(終章では著者が色々提言してくれているけど) 2012年の時点で日本の企業では、男性の育休取得率が非常に低く、男性社員の誰も率先して取ろうとはしなかった。ところが、妻までもがその現状に諦めを覚えており、むしろ悪目立ちして欲しくないと話していたのには、しばらく頭がついていけなかった。 家事育児は手伝ってほしいけど、育休が取りにくい空気であるなら、沢山働いてミルク代を稼いでこいってことなのか…? 「子どもには、両方の親と一緒に過ごす権利があります。そして、父親も母親も、子どもと一緒に過ごす権利がある」(P 37) 「いま必要なのは、男性がもう少し女性のようになることを促す仕組みだ」(P 250) でも令和を生きる身としては、性別の括りで役割分担(多くは妻に過重負担)するのは、いい加減どうにかして欲しいと思う。 日本政府も然り、日本企業も然り。仕事優先で動いてほしいのは分かるけど、中の人に意識が回らないって余裕なさすぎじゃね?中の人の生活バランスが崩れたら、良いパフォーマンスなんか生まれるのだろうか。 会社の制度を気兼ねなく使い、自分の家族をバッチリ守れる人だって、「理想的な社員」じゃないの? 男女ともに役割が均等になって、遜色なく職場復帰できる体制が整えば、家族揃って毎日食卓を囲むことができる。出生率だって自ずと伸びる。 それに、互いを労わり合う両親を見ていれば、子どもだってお父さんを嫌いになったりしないだろう。
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日本は2008年の人口ピーク以降、徐々に人口減少が始まっている。それからはや15年以上経過し、時間に抗う事なく人口は減り続けている。人口減少は国民が亡くなる数が出生人数を上回る事である。第一次ベビーブームの1947年から1949年の間に産まれ爆発的に人口を増やした世代、所謂、団塊...
日本は2008年の人口ピーク以降、徐々に人口減少が始まっている。それからはや15年以上経過し、時間に抗う事なく人口は減り続けている。人口減少は国民が亡くなる数が出生人数を上回る事である。第一次ベビーブームの1947年から1949年の間に産まれ爆発的に人口を増やした世代、所謂、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、更にその世代がブームの反動で短期間に鬼籍に入っている。その一方で出生率は低下の一途を辿り、減少率に拍車をかけているのがここ数年の人口動態である。2024年の人口は1億2,380万2,000人と、前の年より55万人減少した。外国人を除く日本人の人口は前の年から89万人減り、減り幅0.44%も過去最大となっている。またその一方で人口に含まれる外国人の数は350万人を超え、前年から34万人以上増加した。 本書の頭ではこのままいけば、日本という国がいつか消滅するという記載がある。先ほどの数字を見れば、確かに日本から日本人が居なくなり、その埋め合わせを海外からの移住者がするという流れからは否定はできない。何もしなければ何も変わらなければ、いつか純粋な日本人はこの世から消えるかもしれない。但し、日本人とは一体何かと問われれば、遥か古代から大陸より海を渡って入ってきた民族もいるし、そもそも日本は巨大なユーラシア大陸の一部であったから、現在のロシアや大陸の様々な血が流れていると言っても言い過ぎではない。とはいえ大陸から分離され島国として鎖国もしてきた日本は独特のアイデンティティと民族性を養ってきたのも間違いない。技術の進化が海も空も移動可能とし、どこからでも他民族が来る事を可能にしたが、中国人や韓国人でさえも「違う民族=日本人ではない」というのはすぐに理解できるし、見た目の違いにもある程度気づける。 本書は日本人の減少について、主に出生率の低さの原因を辿る事で、これからの日本が何をすべきかについて言及する。その中で出生率が高いスウェーデンや日本ほど低くはないアメリカとの比較を行うだけでなく、過去の日本人へのインタビューと(同じ人に対する時間経過後のインタビュー)直近のインタビューの比較も行っており、時間の経過とともに国家の政策や社会に変化があったかについても調査している。 その比較評価方法は国の政策だけでなく、国民性に多く触れる事で、まずは日本人の考え方や働き方が変わらなければ、出生率が上がらない事を鋭く突いている。なお、世界最高レベルのスウェーデンと比較しても、日本は育児休暇などの付与数は圧倒的に多い。しかしながら、社会とのつながりの低さ(人口の多い都市部)は日本人は「家を大切にする」という民族性とは異なる点も指摘している。アメリカの様に近隣住民との深いつながりの中で子育てできる環境とは異なり、日本の育児環境は孤独だ。それは父親の育児への関与が少ないだけでなく、父親含めた日本社会の考え方に根本的な原因があるという。本書は制度を整備する前に考え方を改める必要性について一貫して述べており、頷ける点も多い。とは言え、働き方の一つの違いであるメンバーシップ制からジョブ制への移行などは、これまでの日本企業を支えた働き方や考え方とは大きく異なり、変えていくインパクトは相当なものになるだろう。島国で助け合いながら協調しながら生活してきた日本人の気質にも果たしてマッチするかはわからない。 だが、何かをしなければ人口減少は止まらず、出生率を増加させる事はできない。後半は筆者の考える今後の施策を掲載する。育児休暇の義務化や父親の休暇取得を促進する(期限付きで父親の休暇日数を決めて期限までに使用しなければ消失する などの)クォータ制の導入、更には待機児童に対する保育施設の充実化、それに従事する人の教育や報酬アップなど、どこから手をつけて良いか分からないくらいやる事は多岐にわたる。子育ての負担を軽減し、子育て自体を楽しく幸せなものにするために打てる手はいくらでもある。私が亡くなる頃には、少しはその辺りの施策が始まり、そして進展、結果が出ている事を祈りながら本書を閉じた。
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