ストロベリー戦争 の商品レビュー

南原詠(著者)

2023/06/29

シリーズ2冊目だったのを気づかずに読んでしまった。。。

ちょうどドラマで「それってパクりじゃないですか」を見ていたので知財に馴染みがあったのが良かった。それにしても知財は恐ろしい。

ミスルトウの事務所指針ゼロ、話の流れも重なって体が震えるほどじんときた。

2023/06/15

テーマが苺だった分前作よりも話が分かりやすかったです。
解決の見通しが立たない中で、どうするのかとハラハラドキドキ手に汗握りながら最後まで読み切ってしまいました。
シャインマスカットや松坂牛のように自国で産み出されたものが海外で勝手に生産されるのは確かに問題ですが、仮に日本国内で権利を守れたとしても、大企業が得をして肝心の農家の利益にならない取り組みは悪質だよなと思いました。

2023/06/08

久郷いちご園で新しく開発されたイチゴ「絆姫」の販売を目前にして、大手商社から商標権侵害の警告書が届いた。依頼を受けた弁理士の未来だが、その遂行には困難を極める。一見地味に思えたものの、読んでみればハラハラドキドキが止まらないミステリでした。
商標権という一般人にはあまりなじみのない事柄ですが、とても明瞭に説明されていて非常に理解できました。しかし懇切丁寧に説明され、そこにいわゆるヒントがあったにも関わらず、この手段は思いつきもしませんでした。とんでもない、だけれど熱いですね。快哉を叫びたくなるような見事さです。
もちろん実際問題、そこまでするか？　ってなことは思わなくもないのですが。しかしそう感じてしまうことは、農家さんへの尊敬が足りないのだろうな、と反省する思いです。何に対しても命運をかけて打ち込んでいる人を侮ってはいけません。どうしても守りたい大切なものがある人は強いなあ。そして彼らにとって、この事件はまさしく「戦争」以外のなにものでもなかったのでしょう。

2023/05/30

弁理士・大鳳未来シリーズ二冊目。
一冊目よりさらに面白かった。いちごの名前が争点になっている。かなり絶望的な状況からの大逆転劇に思わずうわっと声が出そうになり、涙がにじんできた職場の昼休み…。感情のボルテージが最高潮に達したその時、タイミング悪く職場の偉い人に話しかけられてなんだか気もそぞろに対応する私でした。
日本の農家さんの作った果物が外国でどんどん作られている現状にも危機感を覚えました。

2023/05/24

弁理士　大鳳未来シリーズ第二弾。

イチゴの商標問題が描かれています。
登録された商標の回避方法について何度も言及されていたのがちょっと冗長的でしたが、どんでん返し的な起死回生策は驚きました。
一般名称化したものでは、本書記載以外にもキャタピラやポラロイドがありますね。
自分も技術者なので特許については多少詳しいつもりですが、登録商標については門外漢ではあるものの、会社の新商品名が過去に登録された名称から選ぶと聞いているので、知財の仕事も大変だなと思った記憶があります。
特許以外のネタとしては実用新案などもありそうなので、今後のシリーズ化を期待したいです。

2023/05/08

今作はいちごの品種の商標権の問題。
前作のVTuberの話より身近な内容だったので
面白かった。商標権や品種登録、一般名称
などなど、シャインマスカットやルンバの
例なんかもすごくわかりやすく、あぁ～
そうなんだ！なんて普通に勉強になった。

いちご農家が膨大な時間と手間暇をかけて
やっと出荷までたどり着けた「絆姫」を
大手商社が横取りを企み、なかなかの
劣勢からのまさかの発想での大逆転劇。
実際では難しいかもしれないが
無理ではない解決案にただ素直に
よくこんな方法考えたなと脱帽でした。

大鳳未来のパートナー姚愁林も
気になるが、個人的には大鳳未来の
スイーツ知識をもっと掘り下げた
サイドストーリーを読んでみたい。

2023/05/07

商標について丁寧に説明された上で、商標侵害されてしまった絶体絶命の状況をどう打破するのだろう？とかなーり思考を巡らせたが、まんまとやられました(笑)
あー。そう来るかー。と。
伏線もヒントもしっかりあって勘がよい人は気づくかもしれないです。
読み安い本でした。

2023/07/24

前作に比べてプロットが洗練されており、より読み易くなっている印象。
また、エンターテインメントの衣を被ってはいるけれども、おそらく作者のメッセージも強く込められているのではないかと感じた。

2023/03/28

第1作よりこっちの方が面白い。イチゴというか農産物の商標権を題材にこんな話できるんだ、というのが率直な感想。
依頼人早々に退場するし、伏線がここまで分かりやすく張られると結末も仰天ものだが想像できてしまうのだけど、なかなかのカタルシスをもたらしてくれる。前作の微妙な終わり方（特許詳しい人ならあれはあれで綺麗な終わりと感じるのかも）と比べ、なんとさっぱりした終わりなことか。
続きどうするかな。読もうかどうしようか。

2023/03/09

前作を読んで、弁理士という仕事を知り、主人公の強気な性格と明晰な頭脳によるクライアントとのやりとりが爽快で気に入ったシリーズ第２作。

今回はイチゴの商標登録をめぐる闘い。
漢字表記や名称を一部加工しているが、地名やイチゴの品種名に馴染みがありすぎて、ソワソワするくらいだった。

解決方法はウルトラＣすぎて、ちょっと現実味が無かったけど、商標登録は本来、農家にとっては作物と同じくらい大事にしなければいけないものであり、日本の農家はまだそれが十分にできていないことを知った。
実際にそれを食い物にしようとする日本の企業すらいる可能性もあり、悪徳商社や海外に日本の１次産業の技術、従事者の努力、権利が奪われないよう祈るばかり。