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キッズ・アー・オールライト の商品レビュー

3.6

19件のお客様レビュー

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2022/10/28

小説は一気に読むように、という『本を読む本』の教えを守って一気に読んでみた。 認知症の祖母の世話をしているヤングケアラーの高校生女子の気持ちってこういうものかと思った。もちろん小説に描かれたとある一例だと思うが。親がその役割を意識せず(?)子どもに押し付けることがあるなんて。 ...

小説は一気に読むように、という『本を読む本』の教えを守って一気に読んでみた。 認知症の祖母の世話をしているヤングケアラーの高校生女子の気持ちってこういうものかと思った。もちろん小説に描かれたとある一例だと思うが。親がその役割を意識せず(?)子どもに押し付けることがあるなんて。 ストリートチルドレンのシバリの生きる世界が海外小説みたいだなと思ったが日本にもこういう世界はあるんだな。

Posted byブクログ

2022/10/18

コロナ禍になってから職を失い、住むところを無くして途方に暮れている人がいる。 だが表面に出ていないだけで、日系人だと国に帰らざるを得ない人もいただろうし、親にすてられた外国籍の子どもたちは、何処で生きているのか…それすら把握できないのが現状ではないのだろうか。 この小説も学校す...

コロナ禍になってから職を失い、住むところを無くして途方に暮れている人がいる。 だが表面に出ていないだけで、日系人だと国に帰らざるを得ない人もいただろうし、親にすてられた外国籍の子どもたちは、何処で生きているのか…それすら把握できないのが現状ではないのだろうか。 この小説も学校すら行けていない日系ブラジル人の少年たちや介護に追い詰められるヤングケアラーの少女のことである。 フィクションではあるが、リアルな出来事では…と感じてしまう。 彼らの叫びが、聞こえてくるような…それほどまでに危機的状況を受けるほどの切実さである。 子どもたちが追い詰められて悲惨な結果になる前に、誰かが気づいて手を差し伸べることが必要だと強く思った。 子どもたちに明日や未来がないなどと絶対に思わせてはならない。

Posted byブクログ

2022/10/16

毎度、色々な方面の社会問題を教えてくれますが、ヤングケアラーはしんどい内容ですね 「問題なのは、自分たち大人の方なのだ」はグサっと刺さります

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2022/10/13

The kids are alright(子供たちは大丈夫)。子供の人権救済活動に携わる人々の話です。 デフ・ヴォイスシリーズから離れ、前作『ウェルカム・ホーム!』は軽いコメディータッチのお仕事小説で少々アララ?でしたが、本作は丸山さんらしいやや重めタッチ。やはりこの方が似合いま...

The kids are alright(子供たちは大丈夫)。子供の人権救済活動に携わる人々の話です。 デフ・ヴォイスシリーズから離れ、前作『ウェルカム・ホーム!』は軽いコメディータッチのお仕事小説で少々アララ?でしたが、本作は丸山さんらしいやや重めタッチ。やはりこの方が似合います。学校で阻害され義務教育さえ受けずに堕ちて行く日系ブラジル少年の集団、貧困や虐待の末「パパ活」などに走るストリートチルドレン、最初は自らの善意で始めたものの抜け出せなくなったヤングケアラー。そうした子供たちの状況が生々しく描かれます。そしてそれを救おうと様々レベルで動く人達。 奥さんが重度身体障碍者という所からくる経験や取材力なのでしょうか、単純な理想論には走らないのも好感が持てます。ストーリー的にはやや安易さは感じられますが、最後は一気読みでした。

Posted byブクログ

2022/10/11

ヤングケアラーって相当闇だなあと思った。子どもの「今」を、「将来」を奪うもの。子どもは今をいかに楽しむかを考えることが許される存在。ヤングケアラーはそれが出来ない。どうして未来を潰されないといけないのか。そういう風に仕向ける親も毒親ってやつになるのかな。貧困、毒親、売春、そして日...

ヤングケアラーって相当闇だなあと思った。子どもの「今」を、「将来」を奪うもの。子どもは今をいかに楽しむかを考えることが許される存在。ヤングケアラーはそれが出来ない。どうして未来を潰されないといけないのか。そういう風に仕向ける親も毒親ってやつになるのかな。貧困、毒親、売春、そして日系ブラジル人たち。とても作られた話とは思えない。こんなことがゴロゴロ転がっているのが現代の日本なんだろうなあ…悲しい。

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2022/09/20

32/100 「在留外国人の子供」 「ヤングケアラー」 2つの問題を子供の家というNPOを舞台にしたストーリーで2つの題材が結びついていく ストリートに生きる日系ブラジル人の少年 介護に追い詰められるヤングケアラーの少女 子供たちからのS.O.S.が聞こえる 不器用な「見えない存...

32/100 「在留外国人の子供」 「ヤングケアラー」 2つの問題を子供の家というNPOを舞台にしたストーリーで2つの題材が結びついていく ストリートに生きる日系ブラジル人の少年 介護に追い詰められるヤングケアラーの少女 子供たちからのS.O.S.が聞こえる 不器用な「見えない存在」である彼らを、今日も見守る大人たちがいる。 先ずは理解する事から始めないと… 悩んでいる子供たちは近くにもいるのではないか〜?

Posted byブクログ

2022/09/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

《キッズ・アー・オールライト》子どもたちは大丈夫。 心強く、希望に満ちたこの言葉の、その裏にあるオールライトじゃない現実よ。 ヤングケアラー、日本で生まれ育った日系ブラジル人、在留外国人、そして半グレ。 裏通りへ、社会の隅へ、日の当たらないところへ、と追いやられていく子どもたち。彼らの声を誰が聞き、彼らの未来を誰が掬い取るのか。 自分の身の回りにもいる彼らに対して、何気なく目をそらしてはいまいか。そこにいるのにいないものとして通り過ぎてはいないか。 元被虐待児で施設出身者である河原の、自分の過去と向き合いながら今目の前にいる子どもたちへそそぐまなざしの真摯さに胸をうたれる。その手から零れ落ちる子どもたちへ感じる無力感が胸に迫る。 鳶の親方として働きながらパパ活少女たちの無償窓口となっているシバリ。正しい事ではない。でも正しさだけを押し付けてもそこからはじき出された子どもたちの行く先はもっと暗い世界しかない。自分を闇から救い出してくれた日系ブラジル人との約束を果たすために踏み込んでしまう一歩。その代償と結末。 大人の犠牲になるヤングケアラーである少女や、大人たちに搾取され生きるため罪を犯す日系ブラジル人の少年。二人が手を伸ばすのはそんな子どもたち。 愛知県を舞台にしたこの小説は、決してフィクションではない。今、この時も、愛知県の片隅で、いや、日本中のそこかしこで、過去も今も未来も失った子どもたちが絶望の闇に堕ちていく。 丸山正樹は徹底して社会的弱者のそばに寄り添い続ける。けれどその姿勢は、優しさや甘さにだけ基づいているわけではない。 どんなにがんばっても変わらないこともある。無力感の中で離す手もある。 そんな現実をありのままにさらけ出す。そして突きつけるのだ、「あなたには何ができますか」と。 このタイトルにNOTを加えないために、今、私たちにできることは何なのか、と。

Posted byブクログ

2022/08/28

ヤングケアラー、在日外国人の子どもたち…「普通」の子どもたちの輪の中に入っていけず、学校から遠ざかってしまう子どもたちがいることを知ることができた。そして、そんな子どもたちに対して、大人ができることはなんだろう、と考えさせられた。 物語に出てくるNPO「子どもの家」のメンバーは、...

ヤングケアラー、在日外国人の子どもたち…「普通」の子どもたちの輪の中に入っていけず、学校から遠ざかってしまう子どもたちがいることを知ることができた。そして、そんな子どもたちに対して、大人ができることはなんだろう、と考えさせられた。 物語に出てくるNPO「子どもの家」のメンバーは、児相でも警察でも対処できないようなケースに対して、多少「強硬」なやり方でも子どもたちを救おうと活動している。彼らのように、子どもたちの何気ない言葉から、SOSを読み取って、何かしらの行動をすることが、周りの大人にできる唯一のことではないかと思う。 子どもに仕事を押し付けるのが保護者の責任放棄になる一方で、「何もできない自分」を責める子どもたちにとっては、誰かの役に立っているという実感が生きる希望にもなる。その線引きは難しいけど、子どもの声はどんなに小さいものでも聞き逃さず、耳をすましていきたいと思う。

Posted byブクログ

2022/08/25

まずはこの題名でロック好きの私にとって思い出すのが、「キッズ・アー・オールライト」イギリスのロックバンドザ・フーのドキュメンタリー映画であり楽曲でもある。 丸山正樹さんがまたやってしまいました。 ヤングケアラー、日系ブラジル人の居場所これらを題材にした社会問題を考えさせられる素晴...

まずはこの題名でロック好きの私にとって思い出すのが、「キッズ・アー・オールライト」イギリスのロックバンドザ・フーのドキュメンタリー映画であり楽曲でもある。 丸山正樹さんがまたやってしまいました。 ヤングケアラー、日系ブラジル人の居場所これらを題材にした社会問題を考えさせられる素晴らしい作品でした。そしてとても印象に残ったセリフで河原が悩む言葉に共感しました。「はたして自分は彼らに「将来」を考えさせ、「未来」に希望を抱かせることかできるのだろうかー。 「ピアカウンセリング」や「レスパイト」などの専門用語への関心 あなたも読んで共感して下さい。感動して下さい。

Posted byブクログ