ホモ・デウス(上) の商品レビュー
序盤の第0章がとてつもなく長く、面白かった。 暴力や飢餓などよりも、現代では砂糖(糖尿病)で亡くなる人の数の方が多いのだそう。 そして、自殺者の数が戦争などの暴力で亡くなる人の数を上回ったということにも納得してしまった。 人類を苦しめていた飢餓の時代は終わった。 戦争も争いもな...
序盤の第0章がとてつもなく長く、面白かった。 暴力や飢餓などよりも、現代では砂糖(糖尿病)で亡くなる人の数の方が多いのだそう。 そして、自殺者の数が戦争などの暴力で亡くなる人の数を上回ったということにも納得してしまった。 人類を苦しめていた飢餓の時代は終わった。 戦争も争いもない時代に人間はどこを目指すのか。 人間は科学の発展によって長生きが出来るようになるのだが、そのためには健康な身体が必要なので、アップグレードしなければならない。神に近づかなくてはならない。ホモ・サピエンスではなく、ホモ・デウスになるのだと。 大まかにいうとこのような内容。 序盤でお腹いっぱいで読み終えるまで苦痛だった。
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飢饉、疫病、戦争を克服しつつある人類は次に幸せの追求、不死を求めるだろうと考察されている。 これは本当にその通りで、過去をしっかりと振り返り、そこから今の問題とこれからの未来を考えさせてくれる。 上巻を読んだ時点では、人間至上主義の現状がよく分かったにとどまった。 全体的に説明...
飢饉、疫病、戦争を克服しつつある人類は次に幸せの追求、不死を求めるだろうと考察されている。 これは本当にその通りで、過去をしっかりと振り返り、そこから今の問題とこれからの未来を考えさせてくれる。 上巻を読んだ時点では、人間至上主義の現状がよく分かったにとどまった。 全体的に説明が冗長、繰り返しが多く、1冊にまとめてほしかったが、下巻が楽しみではある。
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ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、1976年イスラエル生まれの歴史学者。オックスフォード大学で博士号を取得(中世史・軍事史を専攻)し、現在はエルサレムのヘブライ大学歴史学部教授。代表作の『サピエンス全史』(2011年ヘブライ語版、2014年英語版、2016年日本語版、それぞれ刊行)は世...
ユヴァル・ノア・ハラリ氏は、1976年イスラエル生まれの歴史学者。オックスフォード大学で博士号を取得(中世史・軍事史を専攻)し、現在はエルサレムのヘブライ大学歴史学部教授。代表作の『サピエンス全史』(2011年ヘブライ語版、2014年英語版、2016年日本語版、それぞれ刊行)は世界的ベストセラーとなり、60以上の言語に翻訳され、累計販売部数は2,500万部を超えている。ダボス会議など国際舞台でも講演を行う。 本書は、人類の誕生から文明発展までの歴史を俯瞰的に描いた『サピエンス全史』に続き、科学技術とAIの進歩を背景に、人類が向かう未来とそれに対する警鐘について書かれたもので、2015年ヘブライ語版、2016年英語版、2018年日本語版(2022年文庫版)が出版された。 私は、暫く前に『サピエンス全史』を読んだ後、本書については文庫化後すぐに入手していたものの積読状態で、今般ようやく通読した。 上巻のポイントは概ね以下である。 ◆人間は、誕生からこれまで、「飢饉」と「疫病」と「戦争」という3つの脅威と戦ってきたが、21世紀に入った今、それらの脅威は完全に解決されたわけではないものの、対処可能な問題に変わった。 ◆人間は次に「不死」と「幸福」と「神性」を目標とする、即ち、ホモ・サピエンスをホモ・デウスにアップグレードすることを目指すだろう。そのために取り得る道は、生物工学、サイボーグ工学、非有機的な生き物を生み出す工学のいずれかである。そうした世界を恐れる人は、だれかにブレーキを踏んで欲しいというが、そもそも誰もブレーキがどこにあるのかを知らないし、仮に踏めたとしても、経済(無限の成長を前提とした資本主義経済)も社会も崩壊するだろう。 ◆人間は、狩猟採集民だったときはアニミズムの信奉者(人間と自然を隔てるような溝はないと考える)だったが、農業革命により、人間は特別であるという信念が生まれ、有神論の宗教もその副産物だった。さらに、近代の科学革命において、人間は神を黙らせ、人間至上主義(という宗教)を誕生させた。 ◆人間は、自らが特別である理由として、魂と心(感覚や情動)を持っていると考えてきたが、現代科学は、人間は他の動物と同じく魂を持たないし、他の動物は人間と同じく心を持つ(感覚や情動とは生化学的なアルゴリズムに過ぎない)ことを明らかにした。 ◆一方で、人間は認知革命により、共同主観的な意味(人間に共通の想像の中にしか存在しないもの)のウェブを作ることができるようになり、それが人間を地球の支配者にした。しかし、想像の中にしか存在しないもの(物語)はあくまでも虚構であり、道具に過ぎないにもかかわらず、現代では虚構が現実を支配しつつあり、その傾向はさらに強まるだろう。 ◆宗教とは、人間の法・規範・価値観に超人間的な正当性を与える網羅的な物語のことである。科学と宗教は対立するものと考えがちだが、実際には、科学において研究・発見されたものを、人間がどう使うかの指針を与えるのは宗教の役割である。つまり、現代においては、人間至上主義という宗教の教義を実行するために科学が利用されている。 (下巻のレビューに続く) (2025年12月了)
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1.はじめに この著書を読もうと思ったきっかけは、宇多田ヒカルさんとユヴァル・ノア・ハラリさんの対談をNewsPicksで見たことだ。 その対談の中で宇多田ヒカルさんが「サピエンス全史」と「NEXUS 情報の人類史」を読んだと言っていて、その本たちも興味深かったが、「サピエンス全史」の後に出した「ホモ・デウス」というタイトルに惹かれたことが一番の理由だ。 「ホモ・デウス」という言葉 この言葉の魔法にかかってしまったかのように、 「ホモ・デウス」とはなんだ? 「ホモ・デウス」とはどういう意味が込められているんだ? そんな思考に取り憑かれてしまった。 おかげで、上下巻に及ぶ壮大な本を読むことになってしまった。 2.読む前の第一印象 「ホモ・デウス」という謎の言葉と、おそらく人類の起源まで触れそうな雰囲気が漂っていたので、よほどの覚悟を決めて望まないと、太刀打ちできない、という気持ちがあった。 踏み込んだら、戻ってこれないような恐怖感もあり、インドに旅行に行く前の観光客のような感覚があった。 新しい発見、新しい文化、新しい未知の世界、新しい喜び、そんなものがこの著書に含まれているのではないだろうかという、背徳感や罪悪感に近い感覚があり、読む前から興奮と幸福感に満ちていた。 今までに書籍を読む前には味わったことのない感覚に、読む前から興奮が冷めない。 いざ、「ホモ・デウス」に挑む。 3.概要はこちらへ https://note.com/takaakinakajima/n/n7ddd74369759?magazine_key=m0c2168c98e46 4.感想とまとめ 4-1.読み終えての感想 この著書を振り返ると、壮大なスケールの物語をナラティブに語ってもらった、という表現が一番近い気がする。 歴史、文化、宗教、戦争、思想、思考、芸術、科学、技術、文明、語りきれないほどの文脈で語られていた。 ホモ・デウスという造語がすべてを包括している。 そのおかげで全体像は非常に掴みやすかった。 上下巻に続く壮大な物語は私にいったいどんな変化を及ぼしたのだろう? 正直、今の自分では計りかねる。 なぜなら、 正直、全てを理解することはできなかったからだ。 理由は、著者が悪いわけでも、翻訳者が悪いわけでもなく、理解できなかったすべての理由は、自分自身の知識の足りなさと、汲み取る力の足りなさと、理解する力の足りなさがすべてである。 著者は非常にわかりやすい例えを持って、わかりやすくなるように最大限の配慮をしていた。 翻訳者はわかりやすい単語、文章、表現を常に心がけていた。 私自身が成長しなければ、この著書が伝えたい全貌は理解できないであろう。 今後、成長した自分で再度、拝読してみたい。 4-2.まとめ 何本分かの映画を見終わったかのような満足感、敗北感、疲労感である。 壮大な物語は、私に多くの思考、多くの知見、多くの疑問、多くの悲壮感、多くの多幸感を同時にもたらした。 正直、心が追いつかない状況である。 ただ、この処理が追いつかない状況を少しづつ解消し、処理が終わった時には、自分という人間が少しアップグレードされていると感じることができる時だと確信する。 こんな素晴らしい本を描ける、ユヴァル・ノア・ハラリという人物に感嘆の念を抱くと共に、驚嘆の念も抱く。 この人にとって、この世がどのように見えているのかが手に取るようにわかるだけに恐ろしささえ感じる。 自分が見ている「世界という概念」と、ユヴァル・ノア・ハラリ氏が見ている「世界という概念」に、ここまで大きな差があるのか、と自分自身の無知さと無能さを体感させられる。 しかし、不快感は一切ない。 快感さえ感じるぐらいである。 この感覚は、落合陽一という人を初めて知った時の感覚と似ている。 あまりに壮大なスケールの人物に出会う(映像で一方的に会っているだけで、実際にお会いしたことは一度もない)と、不快感や悲壮感はいっさい感じないものである。 無償の喜びしか感じない。 この著書との出会いは、私にとって最高のセレンディピティーの一つであったことは間違いない事実である。 セレンディピティーについては、こちらの記事を参照してほしい。
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ダイヤモンド博士の「銃・病原菌・鉄」+「情報」にアップデートした作品 人類史における「宗教の物語」から「情報の物語」への変容を描いている
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詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1987.html 序文を読んで本当に衝撃を受けました。 ショックで、肝心の本文を読む気も失せそうになった・・・。 私たちは、ど...
詳細は、あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノートをご覧ください。 → http://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-1987.html 序文を読んで本当に衝撃を受けました。 ショックで、肝心の本文を読む気も失せそうになった・・・。 私たちは、どうすればいいの??? 著者の示した最後の日に向かいつつ 日々精一杯明るく前向きに生きていくしかない・・・! (koishi-2018さんの感想 と同じです)
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現生人類(ホモ・サピエンス:賢い人)は、もはや疾病や寿命まで技術的な問題として解決策を手に入れようとしている。高度な技術は高価であるため、その技術は富裕層しか入手できず、旧来の寿命を全うする層と寿命を改善する層に分離、対立が生まれるだろうと。 寿命をコントロールする神のよう...
現生人類(ホモ・サピエンス:賢い人)は、もはや疾病や寿命まで技術的な問題として解決策を手に入れようとしている。高度な技術は高価であるため、その技術は富裕層しか入手できず、旧来の寿命を全うする層と寿命を改善する層に分離、対立が生まれるだろうと。 寿命をコントロールする神のような振舞いをする、アップデートした人類をホモ・デウス:神の人と称したのが、本書のタイトルの由来だ。 では、人類とその他動物とは何が違うのか。人類は物語を信じることができる唯一の存在だ。貨幣を基にした経済構造や宗教はその最たるものだろう。いずれの考察も身近な例を取り、流れるような語り口で説明してくれるので、読みやすさのあまり、うっかりすると論旨も頭から流れ出てしまうようだ。 飢餓、疾病を心配せず、平和な時代を手に入れたホモ・サピエンスは、次のステップであるホモ・デウスの世代ではそれを発展させることができるのか、対立する層の争いで全てを失うことになるのか、下巻に至り論考は続く。
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サピエンス全史読了済み。あちらも面白かったが今作も著者の文中の比喩がとても上手くて歴史・哲学・経済が混ざっているのにスルリと入ってくる。 学者さんの著作にありがちな煙に巻かれた、つまり何のことやねんという概念的なことは書かれてないというか。 ホモ・サピエンス(賢い人)から今作はホ...
サピエンス全史読了済み。あちらも面白かったが今作も著者の文中の比喩がとても上手くて歴史・哲学・経済が混ざっているのにスルリと入ってくる。 学者さんの著作にありがちな煙に巻かれた、つまり何のことやねんという概念的なことは書かれてないというか。 ホモ・サピエンス(賢い人)から今作はホモ・デウス(神の人)へ…前作から1段次元が上がってる〜! 人間だけがこの世界に意味を与えることができ、それが他の一切の生命と違う。それは宗教であったり法律であったり経済であったり共同主観的なウェブであり、実際は現実には物体として存在し得ない虚構であり、しかし人間だけがその虚構の意味を信じることがで出来て動くことが出来る。これからもその虚構に見合うように現実を作り変えて行き、その2つの違いが一層あやふやになっていくだろう。 現代は科学が宗教の代わりとなりつつあるが、科学は少なくとも何らかの宗教的な拠り所を必要としていて今のところは超えられない一線がある。 ここで言う宗教は近現代的には"人間至上主義"とでも言うべきものであり、近現代はこの2つの間の取り決めを形にするプロセスとしての歴史としてみるのが妥当であろう …というようなことがとても上手い比喩を使って著述されている。 下巻ではこのプロセスの理解とこの契約が崩れかけている(!)理由、それに代わるかもしれない取り決め(AIかな!?)が述べられるらしい。 この本でも「幸福は数値で測れない、形のないもの」「企業やお金や国家は我々の想像の中にしか存在しないのになぜ我々は気がつくとそれらのために自分の人生を犠牲にしているのか?」と言う文があり、個人まで縮小してしまうが「なぜ苦しみながら仕事を続けるのか?」みたいな問いがなされていてギャー!と思った。 最近読んでいたいくつかの小説や新書にもあった問いであって私が子供を産む前に正社員で働いていた時の悩み。何で明らかに時間的キャパオーバーの仕事を上司が振ってくるのか?なぜ一部の人は嬉々として残業するのか?なぜ定時になったら帰って私生活を満喫しようと言う人が少ないのか?と当時の私は悩んでいた。(今思うと明らかに上司が部下の仕事のマネジメントが全然できてなかったんだな!趣味のない先輩は一人暮らしの家に帰るよりは会社に残っておしゃべりしながら作業したかったんだな!って分かる) 最近はそういうのを疑問として口に出せたり拒否する傾向で良いと思う。 現代の普遍的なテーマなのかなあ。
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サピエンス全史が非常に良かったので、こちらも今更ながら読んだ。 個人的にはサピエンス全史ほどの衝撃はないかなと。 ホモサピエンスが世界を征服してきた歴史を振り返り、人間権威主義について考えさせ、人間はどこに向かうのかを問う。テクノロジーが発展する中で、我々は新たな人類の下等生物に成り変わり、我々が動物を支配してきたのと同様に支配されるようになるのか。我々はどこへ向かうのか、人間を人間たらしめているものは何かを考えさせる内容
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『ホモ・デウス(上)』は、『サピエンス全史』に続いて、人類のこれからを考える壮大なテーマの本です。かつては「飢餓・疫病・戦争」といった脅威に苦しんできた人類が、それらをある程度克服した今、次に目指すのは「不死」「幸福」「神のような力=ホモ・デウス」だと語られます。 印象的だった...
『ホモ・デウス(上)』は、『サピエンス全史』に続いて、人類のこれからを考える壮大なテーマの本です。かつては「飢餓・疫病・戦争」といった脅威に苦しんできた人類が、それらをある程度克服した今、次に目指すのは「不死」「幸福」「神のような力=ホモ・デウス」だと語られます。 印象的だったのは、歴史を通じて人類が「神を信じる存在」から「データを信じる存在」へと変わってきたという視点です。AIやバイオテクノロジーが進歩するなかで、人間が本当に自由意志を持っているのか疑わしくなるという指摘にはゾッとしました。 文章は専門的ながらも例えがうまく、読みやすくて引き込まれます。内容は哲学、宗教、科学、歴史と幅広いですが、どれも「これから自分がどう生きるか」に直結するテーマばかり。読んでいる間、ずっと思考を揺さぶられました。 上巻はまだ導入ですが、それでも十分に刺激的。未来やテクノロジーに関心がある人、あるいは人類の行方を真剣に考えたい人にはぜひ読んでほしい一冊です。
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