ホモ・デウス(上) の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
人類はこれからどこへ向かっていくのであろうか。私たちが生きていく時に思う人類全体としての未来。テクノロジーの発展により不死と幸福を追求することが目的となり、神聖さも獲得しかけている人類。ただし、そのために生きている意義、といった内面的なものは無くなっていってしまう。新たな観念的な考え方であるデータ至上主義により、人類の個人としての経験はたいした意味を持たず、人類としての経験が今を有するようになるといった悲しい未来になる可能性があると筆者は主張している。 示唆に富んでいるだけでなく、歴史からの学びを重視しておる歴史学者ならではの視点で語られており、とっても勉強になる一冊だった。 また、文庫版の序文では、Covid-19は、テクノロジーにより疫病は対処可能な課題になったのにも関わらず、大人としての振る舞いができない人類しかいないため、人災となってしまったというところが、とっても共感できる一説であった。 また、ロシアのプーチンによるウクライナ侵攻も、せっかく克服したと思われていた戦争と貧困と病気の時代への逆戻りになってしまうというのも、確かに頷けるものであろう。 この序文だけでもこの本を読む価値があると思う。
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イスラエルの歴史学者による、人類の歴史の振り返りから未来の可能性の示唆した本。人類は飢饉、疫病、戦争等の大きな問題を克服しつつあり(2018出版のため、現状は少し逸れている感もあるが)、これからは不死、至福、神性の追求にシフトしていく。農業革命、産業革命前後での人間の価値観の変化...
イスラエルの歴史学者による、人類の歴史の振り返りから未来の可能性の示唆した本。人類は飢饉、疫病、戦争等の大きな問題を克服しつつあり(2018出版のため、現状は少し逸れている感もあるが)、これからは不死、至福、神性の追求にシフトしていく。農業革命、産業革命前後での人間の価値観の変化や、科学と宗教との関連性を解釈し、人間至上主義がどのように生まれ変容してきたかを説明している。人間至上主義から今後のデータ至上主義への変遷については下巻。もちろんあくまで著者視点・著者の解釈によるストーリーではあるが、史実の勉強になったり、自身の日常からはやや距離があるため理解できなかった宗教観 (一個人の中での科学と宗教の内在) というものが、なんとなく見えたような気がした。
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サピエンスが世界を支配しているのは彼らだけが共同主観的な意味のウェブ 彼らに共通の想像の中にしか存在しない「想像上の秩序」を織りなすことができるから。 人間の幸福は客観的な境遇よりもむしろ期待にかかっている。 現実が自分の期待に沿うものであるときに満足する。 過去数十年間に...
サピエンスが世界を支配しているのは彼らだけが共同主観的な意味のウェブ 彼らに共通の想像の中にしか存在しない「想像上の秩序」を織りなすことができるから。 人間の幸福は客観的な境遇よりもむしろ期待にかかっている。 現実が自分の期待に沿うものであるときに満足する。 過去数十年間に人間が経験したような境遇の劇的な向上は、満足感ではなく期待の増大につながる。 人間には不滅の魂があるが、動物はただの儚い肉体に過ぎないという信念が、私たちの法律制度や政治制度や経済制度の大黒柱である。 この信念のために、人間が食物のために動物を殺したりしても差し支えない。 宗教とは社会秩序を維持して大規模な協力体制を組織するための手段である 科学は事実を研究し、宗教は価値観について語る。 聖書は記述されたとされる出来事が起こってから何世紀も後に、それぞれ異なる書き手によって書かれた。
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ホモ・サピエンス全史の続刊として書かれた作品。 人類がいまだに完全にクリア出来ていないものは 飢餓、戦争、疫病の3つだか、それすらも克服出来る可能性が出てきている(読了時点では、コロナやウクライナ情勢等、やはりクリアする事が難しいことを再認識)。 ホモ・サピエンスは未来に向かって...
ホモ・サピエンス全史の続刊として書かれた作品。 人類がいまだに完全にクリア出来ていないものは 飢餓、戦争、疫病の3つだか、それすらも克服出来る可能性が出てきている(読了時点では、コロナやウクライナ情勢等、やはりクリアする事が難しいことを再認識)。 ホモ・サピエンスは未来に向かってどうなっていくのか、上巻ではその答えに対する前提条件を語っている。 個人的には、ホモ・サピエンス全史に続き、やはり難しいかった!読むのに時間を要した。現状のウクライナ情勢やコロナで世界が混沌となってる中、ホモ・サピエンスはどのような未来を歩んでいくのか、考えながら下巻を読んでみようと思う。
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「サピエンス全史」の著書ハラリ氏の新刊。 サピエンス全史と同様大作で面白い反面難解でもある。 上巻はホモ・サピエンスがホモ・デウスになっていく過程が細かに記載されている。 過去では全てを決めるのは神であり自分たち人間が決められるなどとは想像もしていなかった。 ただ今では神は退...
「サピエンス全史」の著書ハラリ氏の新刊。 サピエンス全史と同様大作で面白い反面難解でもある。 上巻はホモ・サピエンスがホモ・デウスになっていく過程が細かに記載されている。 過去では全てを決めるのは神であり自分たち人間が決められるなどとは想像もしていなかった。 ただ今では神は退き、ホモ・サピエンスである人間が人間至上主義として神のような振る舞いをしている。 私自身が読んでも、人間至上主義の内容はあまり感覚とはずれておらず、それが異常なものではないと感じているが、では人間が神のように降臨するとどのようになっていくのか…の考察は下巻で深く書かれている。 ==== ジャンル:リベラルアーツ トレンド 出版社:河出書房新社 定価:990円(税込) 出版日:2022年09月14日 ==== ユヴァル・ノア・ハラリ (Yuval Noah Harari) 1976年生まれのイスラエル人歴史学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。オンライン上の無料講義を行ない、多くの受講者を獲得している。著書『サピエンス全史』(河出書房新社)は世界的ベストセラーとなった。 ==== flier要約 https://www.flierinc.com/summary/1671
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ずっと読まなければと思っていた本書が文庫になったので早速購入。サピエンス全史はならないのかな? 内容についての感想は下巻に記載します。
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