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雲を紡ぐ の商品レビュー

4.4

110件のお客様レビュー

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    55

  2. 4つ

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2025/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

不登校になってしまった少女が、父方の祖父が営んでいる山崎工藝舎へ弟子入り。羊毛と触れ合い、試行錯誤していく中で自分の好きなものを見つけ、成長していく物語。 『羊毛は死んだ動物のものじゃない。生きている動物の毛を分けてもらうんだ。だから人の身体をやさしく包んで守ってくれる。』p121 『大事なもののための我慢は自分を磨く。ただ、つらいだけの我慢は命が削られていくだけだ。』p140 『心にもない言葉など、いくらでも言える。見た目を偽ることも、偽りを耳に流し込むことも。でも触感は偽れない。心と繋がっている脈の速さや肌の熱は隠せないんだ。ものだって同じ。触ってみなさい。』p255 『ただ、腹をくくるだけ。選んだ道でこの先何があろうとも、引き受ける覚悟を決めるだけ。』p318 『遠く、雲のように儚くても、それでも人は手を伸ばして、つかもうとする、夢や希望を。』p391 我慢しなくていい。 逃げてもいい。 人と同じようにできなくていい。 あなたはあなたのままでいい。 そう言ってくれる人が一人でもいてくれたなら。 子ども達はきっと自分の道を自分で見つけられる。 親として子どもの力を信じる。ただ信じて、待つ。 ほんとうに、良書でした。 ここに書ききれないくらいの心にしみる言葉をもらいました。1月にして、私の2025年ベスト本になりうる作品に出会えたと思います。

Posted byブクログ

2025/02/02

自分に自信がなくて、いつも笑顔を貼り付けて過ごすことで友達から揶揄われて学校にいけなくなる。母も父もそれぞれに仕事で大変さを抱えていて、逃げるな、と言われながらも耐えられずに新幹線に乗って盛岡にいる祖父の家に訪れる。 祖父はホームスパンを作る職人をしており、驚きながらも暖かく迎え...

自分に自信がなくて、いつも笑顔を貼り付けて過ごすことで友達から揶揄われて学校にいけなくなる。母も父もそれぞれに仕事で大変さを抱えていて、逃げるな、と言われながらも耐えられずに新幹線に乗って盛岡にいる祖父の家に訪れる。 祖父はホームスパンを作る職人をしており、驚きながらも暖かく迎え入れ、本人が置かれている状況を知り、逃げることも大事、自分を守ることも大事だと支えてくれる。 自分の嫌なことはたくさん知っているのに、自分が何色が好きで、何が好きか、いいところに目が向けられていない、と教えてくれたことが印象的だった。 学校に行かなくなったとき、両親、祖父母などの家族は将来のことをそれぞれ心配し、本人を責めたり脅したりしてどうにか学校に行かせようとする。気持ちを言えずに黙っているのは、自分の気持ちがよくわからなかったり、相手を傷つけてしまうかも、怒られるのではないかと色々考えているから。 親が怒るのは、本気で将来を心配していて、子どものことが大事だから。 自分が好きだと惹かれるものに集中して取り組み、自分の作品に向き合うことが自分自身と向き合うことにつながっていくという過程に惹きつけられた。 また、その子の姿をみて責めずに、急かさずに暖かく支える家族や周りの人たちの存在が大事。仕事に向き合う厳しさも同時に伝えながら、どこか信じたり祈ったりする姿勢で。 人と人が生きていくなかで、一方的に支えるのではなく、子どもの成長が祖父や両親を精神的に支えているところもあり、家族っていいなと思った。 糸は、切れても大丈夫。また繋げて一本の糸にできる。 涙なしでは読めない一冊。

Posted byブクログ

2025/01/28
  • ネタバレ

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祖父の仕事を継ぎたくても継げなかったという広志の、言葉にはしないけど悔しい気持ちにグッと来るものがあった。 自身のことを選べなかった美緒が祖父の仕事を継ぐことを選び、その祖父を超えるって宣言出来るように成長していく姿に涙が出た。

Posted byブクログ

2025/01/18

何世代にもわたって継承される技術とホームスパン。紡ぐ糸に想いを乗せて織り進める少女と見守る祖父。そこには暖かい時の流れがある。 いい本でした。

Posted byブクログ

2025/01/13

主人公の美緒が不登校になる過程や母親、祖母との関係は胸が苦しくなったけど、 盛岡の祖父を頼ってからは優しく支えてくれる祖父がとても暖かくとても心地いい読書感でした。 厳しかった母や祖母も敵ではなく、味方なんだよ。親や祖父母、みんなの面影が残るあなたはみんなが味方で居てくれてるんだ...

主人公の美緒が不登校になる過程や母親、祖母との関係は胸が苦しくなったけど、 盛岡の祖父を頼ってからは優しく支えてくれる祖父がとても暖かくとても心地いい読書感でした。 厳しかった母や祖母も敵ではなく、味方なんだよ。親や祖父母、みんなの面影が残るあなたはみんなが味方で居てくれてるんだよ。みんなあなたのことが大事だよ。。。。で涙。 とても心が暖かくなる物語でした。

Posted byブクログ

2025/01/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

西の魔女が死んだに似たような流れで好きでした。 10年前に読んでいたら主人公の女の子の気持ちにだけ共感出来たかもしれないけど、 娘を持つ親になってみて色んな人の気持ちに共感しながら読めました。 子どもがどんな状態になろうとも「見事に育った」と言ってあげられるような親になれと自分に言い聞かせられました。

Posted byブクログ

2025/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高校でいじめにあって、向かった先は岩手県の祖父の工房。 純白の羊毛に触れる内に美緒も工房の作業に興味を持ち出す。 職場で問題を抱える父の広志と母の真記の関係も怪しい方向に。 祖父の鉱治郎の存在が美緒を再生していく姿が頼もしい。 「大事なもののための我慢は自分を磨く。ただ、辛いだけの我慢は命が削られていくだけだ」 「『大丈夫、まだ大丈夫。』そう生きながら生きるのは苦行だ。人は苦しむために生まれてくるんじゃない。遊びをせんやと生まれけん」 生きることは、しんどいことだなと思う。大人であっても、子供であってもそれは変わらないだろうし。 どこが自分の限界か、人は我慢大会のために生きているのではと思ってしまう。 少しゆっくりと考える時間も人には必要だなと思う。 幸せへの近道は、遠回りすることと得たり。 後半の祖父の死は、どんなに元気な人間にもサヨナラはやってくる。日々、向き合うことの大切さも感じました。

Posted byブクログ

2024/12/26

伊吹さんの作品は初めて読みました。 なんか凄くいいなと思いました。 特に祖父鉱治郎の会話の一つ一つが優しく、すっと入ってきました。 その中でも「大事なもののための我慢は自分を磨く、ただつらいだけの我慢は命が削られるだけ」という部分は強く印象に残りました。 美緒の名前の由来も素敵だ...

伊吹さんの作品は初めて読みました。 なんか凄くいいなと思いました。 特に祖父鉱治郎の会話の一つ一つが優しく、すっと入ってきました。 その中でも「大事なもののための我慢は自分を磨く、ただつらいだけの我慢は命が削られるだけ」という部分は強く印象に残りました。 美緒の名前の由来も素敵だなと思います。 また、伊吹さんの作品を読んでみたい。

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2024/12/22

今年の1番 不登校になっている美緒が それにくるまると落ち着くショールを作っているおじいちゃんちに1人で向かい、そこで織りを習って 自分の今後を考えていく 岩手のウール、ホームスパンという存在を知らなかった おじいちゃんが美緒に対して話す言葉が優しく救われる 「…中略…何...

今年の1番 不登校になっている美緒が それにくるまると落ち着くショールを作っているおじいちゃんちに1人で向かい、そこで織りを習って 自分の今後を考えていく 岩手のウール、ホームスパンという存在を知らなかった おじいちゃんが美緒に対して話す言葉が優しく救われる 「…中略…何をするとお前の心は喜ぶ?心の底からわくわくするものは何だ」 「自分はどんな『好き』でできているか探して、身体の中も外もそれで満たしてみろ」 「大事なもののための我慢は自分を磨く。ただ、辛いだけの我慢はいのちが削られていくだけだ」 一度現地で岩手のホームスパンというのを見てみたい

Posted byブクログ

2024/11/04

主人公や父母や祖母、裕子さん、太一君、先生など色々な登場人物の感情や言葉が面白かった。雪や雲や天気などの描写が美しく良かった。

Posted byブクログ