傲慢と善良 の商品レビュー
タイトルに惹かれ、文庫化されて即購入、即読。辻村作品は読みやすいのですが、どこか自分の意識の奥の方をざらっと触れられるようで、感情が波立たせられる。「ピンと来る-来ない」って言葉、今まで気楽に使ってたけど、ウッときた。
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☆4.5 自分の中の無自覚な傲慢さに気付かされました。 「青空と逃げる」も読んでみたいと思います。
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映画化されそうな話だなって思いながら読んだ 人間 誰の心の中にも『傲慢さと善良な部分』があると思う それは 本人にとっても自覚できるものであったり 他者はそう捉えたが本人の自覚はなかったりと…言葉や態度 行動を通して具現化され 複雑に存在するように思う さて 本著は婚活...
映画化されそうな話だなって思いながら読んだ 人間 誰の心の中にも『傲慢さと善良な部分』があると思う それは 本人にとっても自覚できるものであったり 他者はそう捉えたが本人の自覚はなかったりと…言葉や態度 行動を通して具現化され 複雑に存在するように思う さて 本著は婚活アプリで知り合った真実(まみ)と架(かける)の…まあ 石母田(いしもだ)さんに言わせるところの『大恋愛』の話 失踪した婚約者の真実が被害にあったというストーカー探しに奔走する架の行動は 現実的にはやりすぎかなと思った でも 婚約者がこんなに必死で自分を守ろうと動いてくれたら嬉しいかな 恋愛とか結婚とかって2人のそれぞれの思いがあるから 単純ではないのかなとも思う それから お節介な周囲の人達の余計な詮索と介入もあったりなかったり…で 『値段、という言い方が悪ければ、点数と言い換えてもいいかもしれません。その人が無意識に自分はいくら、何点とつけた点数に見合う相手が来なければ、人は、 〝ピンとこない”と言います。-私の価値はこんなに低くない。もっと高い相手でなければ、私の値段とは釣り合わない』 『ささやかな幸せを望むだけ、と言いながら、皆さん、ご自身につけていらっしゃる値段は相当お高いですよ。ピンとくる、こないの感覚は、相手を鏡のようにして見る、皆さんご自身の自己評価額なんです』 (本文より) 〝ピンとくる“こないの解釈が面白い 某有名人のビビビっときて結婚したという『ビビビ婚』がかつて世間を騒がせたのを思い出す 案外これも 運命を感じる感覚ではなく打算的な解釈もできたりして…と傲慢?な思いがよぎる 傲慢な人 善良な人 というのはないんだろう 人の心と言動には混在した『傲慢と善良』が 顕微鏡で見る菌類のように 分裂したり増殖しながら生きながらえているんじゃないかなって思う 最後 ちょっとたたみかけるように終わった感あったから 星は3つ 恋愛に限らず傲慢と善良について 追求するのは面白いと思う そもそも人が一生懸命書いた本を読ませていただいたのに星をつけるなんて傲慢かな…読書して心を豊かにしたのは善良かな…
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オースティンで言うなら、架は偏見だったし真実は高慢だったのかなと。尊大な羞恥心と臆病な自尊心は、人間の永遠のテーマですよね… しんじつと書いて真実。読み進めるにつれて、印象がどんどん変わっていって面白かった。最後、無事に未来へ続く道が見えたけれども完璧には分かり合えていないところ(それが当然だと思えるところ)がよかった。
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今年1番、心に刺さる小説だった。主人公の気持ちに共感できるポイントがあって、とても考えさせられた。私自身も自分の未熟さ、孤独さに悩んでいるからこそ、心に響いたのかもしれない。人生の選択において迷うこと、苦しいことはこれから沢山あるのだろうけど、人がどう思うかではなく、自分がどうしたいのかが1番大切だなと改めて思う。最後は真実と架が幸せになれてよかった。
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辻村さんの人間観察眼の凄さを痛感する作品。 読み進めていくと、初めの出だしから二人の関係性の印象がどんどん変わっていきます。 傲慢と善良、自分や自分の身内にも当てはまる部分があり、読みながら省みさせられるようでした。
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20代から30代の女子あるあるが盛り込まれてました。 これは婚活だったけど、妊活や育児に関しても、何気ない同世代のマウント、世代間のマウントがある現代を巧妙に描いてたと思う。 でも、だからこそ、結果全てが上手くいく最後に納得できず… 人間そんな簡単に変われないし、上手く行かない。
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辻村深月さんの本はずっと気になってましたが、初めて読みました。傲慢と善良、タイトルもインパクト大ですが、内容も深いものでした。人として、人生の選択、人付き合い、我が子との関係、考えさせられる事が多く、一気に読みました。自己評価は低いのに自己愛は強い。自分の事を言われている気がしてハラハラしました。かがみの孤城を小中学生の娘がハマって読んでいたのですが、高校生くらいになったら読んで欲しい。親の気持ちも、子供の気持ちも両方気づいて感じるものが必ずあると思う。自分の人生、後悔しないように、その時時で、自分で選択して欲しい。自分の選択は後悔する事になっても納得はできるだろうから。 全てを理解し合い、最後に手を取り合えた主人公二人は、応援したいなぁという気持ちになりました。 本当に、アラフィフでも子育てに、自分の人生にも刺さる本でした。素晴らしい。
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この小説の帯についていた、「人生で1番刺さった言葉」というのが本当にその通りだと思いました。辻村さんの作品はストーリー性が素晴らしいだけでなく、その内省的な独白、社会問題に対する目にいつもアッと言わされる、自分もこういう風に考えたいと思えるメッセージがあっていつも心に響きます。 今回はまず、小野里のピンとくる、ぴんとこないの正体の見解にまず学ぶことがありました。自己評価は低いのに自分を高く見積もっているその矛盾性、そこに気付かされてまさにその通りだと思いました。 それから、真実の視点に移って、彼女もまた傲慢であるし嘘もついたけれどその悲しみ苦しみに共感せざるを得なかったのですが、それも辻村さんが登場人物一人一人にしっかり命を吹き込んで書いていらっしゃるからかなぁと思います!辻村ワールド、ここでもですね。力と早苗、ヨシノがでてきてわあ!って嬉しくなりました。仙台と聞いてもしかしたらと思いましたが、同時期だとは思いませんでした。 それで最後架が真実と再会して、両親も友達も呼ばずに二人だけで式を挙げたところは涙涙の物語です。「青空と逃げる」読み直したいと思います!
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本文の中に出てくる「傲慢」「善良」という文字数以上に、何度も自分の頭の中に「傲慢」「善良」という言葉が何度も何度も浮かんだ。浮かばされたのかな。 傲慢だけど善良、善良なのに傲慢、傲慢だし善良 本は本、文字は文字と思って普段読んでるので、みんなが言う刺さるって何?て思ってだけど、...
本文の中に出てくる「傲慢」「善良」という文字数以上に、何度も自分の頭の中に「傲慢」「善良」という言葉が何度も何度も浮かんだ。浮かばされたのかな。 傲慢だけど善良、善良なのに傲慢、傲慢だし善良 本は本、文字は文字と思って普段読んでるので、みんなが言う刺さるって何?て思ってだけど、多分、まだ理解が追いついてないけど、今まで感じたことのない感覚だけど、わたしにも刺さったのかもしれない。余韻がすごい。
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