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レペゼン母 の商品レビュー

4.2

122件のお客様レビュー

  1. 5つ

    42

  2. 4つ

    47

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

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2023/05/04

全く知らずに読んだが、とても面白かった! ある意味ありふれた、しっかり者の母とダメ息子を、こんなに気持ちよく書いた小説は少ないのではないだろうか。 忘れられない一冊になりました。

Posted byブクログ

2023/04/28

「第16回小説現代長編新人賞受賞作品」 面白かった! 「ラップで親子バトル」なんて私にとっては初めての設定で新鮮でした。 梅農家の明子さん。夫は他界し、一人息子は借金まみれで妻を置いて何年も行方不明。息子はいなくなったのに、妻の沙羅さんは家業を手伝ってくれている。 想像するだけ...

「第16回小説現代長編新人賞受賞作品」 面白かった! 「ラップで親子バトル」なんて私にとっては初めての設定で新鮮でした。 梅農家の明子さん。夫は他界し、一人息子は借金まみれで妻を置いて何年も行方不明。息子はいなくなったのに、妻の沙羅さんは家業を手伝ってくれている。 想像するだけでも大変そう…。 作中読んでてドキッとした言葉がある。 『親ってすごく鈍感な生き物だよ。自分の言動が子供にどんなに消えないインパクトを与えるか、わかろうとしない』 突きつけられる親の傲慢。 これまでの自分の至らなさを思い出して刺さった…。読みながら、子どもが小さい頃のことを色々思い出しました。  遠慮や不安、気負ってしまって気持ちを言えないこと、わざわざ口にしなくても…ってこともあるけど、思いは言葉にしないと伝わらないよね。 親子も然り。関係性に甘えてたら簡単にスレ違う。 ラップでの親子バトルシーンは良かった! やっとお互いの胸の内を知ることが出来て母親として胸が痛かったし、こみ上げるものがあった。 軽快なテンポで爽快感もある。家族の再生物語といった印象でじんわり心も温まる。 個人的には、これまで縁の薄かったラップの世界が興味深かったなぁ。 デビュー作とは思えない満足度の高い作品でした。

Posted byブクログ

2023/04/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルと黄色い表紙に惹かれて読む。 最初はなんて不出来な息子なんだろうと母目線で読んでいたが、沙羅などの他の人物を通してこの親子を見ていくと息子だけが問題なのではないことが分かってくる。息子の理解をラップを通して深めるのが面白かった。 ラップのリズム感はもちろん、方言のリズム感も良い。

Posted byブクログ

2023/04/10

梅農家を切り盛りする明子には放蕩息子がいる。 幼いころから「まとも」に暮らすことができず、高校時代には交際相手を妊娠させたり、結婚と離婚を繰り返したり、定職に就くこともなく、ふらふらと行方をくらませては、トラブルを抱えてにっちもさっちもいかなくなると連絡してくる。 夫を早くに亡...

梅農家を切り盛りする明子には放蕩息子がいる。 幼いころから「まとも」に暮らすことができず、高校時代には交際相手を妊娠させたり、結婚と離婚を繰り返したり、定職に就くこともなく、ふらふらと行方をくらませては、トラブルを抱えてにっちもさっちもいかなくなると連絡してくる。 夫を早くに亡くし、女手一つで梅農園と子どもを育ててきた明子は、自らの努力が全く無意味だったのか、と息子に対する怒りを覚えることも少なくない。 義理の娘から紹介されたラップバトルにひょんなことから出場することになった明子だが、決勝本戦に息子が出場していることが判明。一向に「会話」ができず、自分の話を聞くことがなかったバカ息子とラップバトルを通して会話することを目指し、持ち前の口の速さで奮闘する。 私自身がヒップホップ音楽に造詣がないため、ラップバトルのシーンを臨場感のある形で想像することはできませんでしたが、書き言葉だけであっても、韻を踏んでいるかどうか、詩としての完成度が高いかどうか、というところは何となく感じることができたように思います。 そもそも、明子自身がラップバトル初心者ですから、周囲の人による解説なども適宜あり、ラップバトルについては予備知識なしで読むこともできます。 衆人環視のなかで「親子が口喧嘩する」という設定も物珍しいですが、単純に「息子に親の思いを伝える」というだけではなく、「親と息子は別の人間なのだから互いを理解し合うことは困難だ」ということをメッセージとして伝えていることや、「親の目線からモノを見たり考えたりしているとき、子供はどのように感じているの/いたのだろうか」という視点を突き付けられたことは、自分の息子への接し方を改めて考えさせられるきっかけにもなりました。 「親がうっとうしい」と思う中高生にも、「親の心がわからない(いつも手を焼かされる)」と子どもにイライラさせられる親にも、どちらにもおすすめしたい一冊です。

Posted byブクログ

2023/04/06

親の立場と子の立場、両方に立って読むことができて面白かった。私も子の立場としては、イヤだった親の発言を思い出すし、いまや親になってみると、「親って子どもが何歳になるまで親なんだろ…?」と思うこともある。 沙羅ちゃん、子どもつくらない理由を、子どもへの言動に鈍感になるから親になる...

親の立場と子の立場、両方に立って読むことができて面白かった。私も子の立場としては、イヤだった親の発言を思い出すし、いまや親になってみると、「親って子どもが何歳になるまで親なんだろ…?」と思うこともある。 沙羅ちゃん、子どもつくらない理由を、子どもへの言動に鈍感になるから親になるのが嫌、自分の努力でコントロールできないものはリスクであり恐怖と言っていたけど、若いのによくそこまで深く考えられるなあと感心した。親になってみないと気づかないことだと思うけど、親子関係で苦労した彼女が得た、彼女ならではの考え方なのだろうと思う。 「自分の努力でコントロールできないもの」って、子どもの側から見た親のことでもあるんじゃないだろうか…と思ったり。 ヒップホップは普段縁遠いジャンルの音楽で、今回Apple musicでJヒップホップのプレイリストをかけてみながら本を読んだところ、物語の世界と音楽があいまって没入感が生まれてよかった。おすすめです。

Posted byブクログ

2023/05/02

読書備忘録725号。 ★★★★★。 これはオモロイ! そして泣けたぁ! 深見明子。和歌山の片田舎で梅林の深見農園を経営する64歳。BBA。笑 夫はすい臓がんで早くに亡くなった。 息子の雄大。その3回目の再婚相手、沙羅。 そして、雄大はまた失踪した・・・。 小さい時から雄大には...

読書備忘録725号。 ★★★★★。 これはオモロイ! そして泣けたぁ! 深見明子。和歌山の片田舎で梅林の深見農園を経営する64歳。BBA。笑 夫はすい臓がんで早くに亡くなった。 息子の雄大。その3回目の再婚相手、沙羅。 そして、雄大はまた失踪した・・・。 小さい時から雄大には悩まされてきた。学校に呼び出され、数々の警察沙汰。そして借金など数々の悪行・・・。 沙羅は雄大が失踪しても、明子をサポートして農園を切り盛りする。 そして、沙羅はヒップホップ、ラップが好きだった。 ラップで相手をディするラップバトルに沙羅が参戦する。1回戦で当たった相手は鬼道楽とかいう強面。そして沙羅はセクハラまがいの攻撃でさんざんやられ1回戦負け。 そして沙羅の母(義母)、明子は怒る! ふざけんな!と。 そして次の大会。全国レベルの大きな大会の関西予選。 沙羅は大会当日、生理になり戦える状態にない。しかも相手はなんと!またしても鬼道楽。 明子は沙羅の代わりに大会に出ることを決意する! (沙羅の練習相手をやるうちに自分には才能があることに気付く。笑) ラップバトルは厳密なルールが無い。大会MCはBBAの代理をオッケーし明子は鬼道楽に勝つ! そう!明子は復讐の為に代わったのだ!笑 二回戦は棄権して和歌山に戻った明子に大会MCから連絡がくる。明子の衝撃のラップに感激し、特別枠で全国大会に出て欲しいと。出る目的が無い明子は即答で断る。 そんな折、四国の警察から電話が来た。雄大が大麻所持で逮捕されたと。 なんなんだ、この息子はっ!30歳を超えてもまだ親を悩ませるのか! 保釈金を立て替えてくれと頭を下げる雄大。どうしてもやらなければならないことがあると言う。 そう。雄大は明子が断ったラップバトルの香川予選を優勝し、全国大会に進んでいたのだ。それに出ないといけないと言う。 雄大が生まれてからいろいろあった。その都度、母は雄大に言って聞かせてきた。叱ってきた。でも雄大は聞く耳を持たなかった。 そうだ。ラップバトルなら自分の声が届くかもしれない。明子は特別枠での全国大会出場を決意する! そして全国大会。トーナメントはくじ引き。雄大と当たるまでは負けられない!順当にいけば3回戦で当たることが分かった。 しかし1回戦は、数々の大会で優勝している全国区の有名ラッパー。 明子は1回戦を勝ち抜き、雄大と対戦することが出来るのか!そして母の言葉は息子に伝わるのか! いやいや、物語のテンポがめちゃくちゃ良い。そして明子と雄大の関係が、私と妻と息子の関係にめちゃくちゃ似てる!学校から呼び出され、警察から電話があり・・・。波が溢れました。 ラップで戦うこと。それは相手を極限まで理解すること。雄大が産まれてからこれまであった数々のことを回想する。その時々の自分が気持ちを思い出す。そしてその時雄大はどう感じ取っていたのか必死で想像する。 どんな好青年を見ても、ああいう好青年が自分の息子だったら良かったとは一度も思わなかった・・・。 なんでこんなんが息子なんやと数えきれないほど思った・・・。 そしてラップでお互いの気持ちをぶつけ合う。涙無くしてラップの字面を読めない。 雄大の気持ちが分かっていなかった・・・。それでも母は雄大の為に叱ってきた・・・。雄大のために・・・。 そしてエンディングがめちゃくちゃ良い! 良すぎる! 久しぶりに★5つを満喫しました。

Posted byブクログ

2023/03/25

タイトルとあらすじだけでもかなり心掴まれていたのですが、中身もとても面白かったです。 ラップについての知識が0でしたが、所々ラップや音楽について生まれた背景や知識も知ることができました。 65歳の母視点で物語が進んでいくのですが、息子に対する思いや母っぽい視点の会話、ラップな...

タイトルとあらすじだけでもかなり心掴まれていたのですが、中身もとても面白かったです。 ラップについての知識が0でしたが、所々ラップや音楽について生まれた背景や知識も知ることができました。 65歳の母視点で物語が進んでいくのですが、息子に対する思いや母っぽい視点の会話、ラップなどは他の作品には無いと思うので、大変新鮮に感じました。 最初は母同様に息子がとんでもなくダメダメでどうしようもない印象しかなかったけど、過去が明らかになるにつれ、秘めていた気持ちがだんだんと明らかになる。 それがラップバトルで、というのも面白いのですが、ラップバトルならではなんだなと納得してしまいました(笑)

Posted byブクログ

2023/03/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

斬新な親子ゲンカの話であり、家族の再生の話でもある。 ラップの解説も興味深くて読みやすかったです。 私自身はラップ好きでもないし感情移入できる人物もいないのに、面白く読めてしまう魅力のある作品でした。 家庭の問題や女性蔑視についても自然で率直に語られていて、かつ誰も悪者にしない書き方に好感が持てました。 マイナスをプラスに変えていきたい。 みんな一生懸命、自分にできることをやっている。 明子と沙羅との関係の変化がとても良かったです。相手を傷つけることなく言いたいことが言える関係は理想的ですね〜。 春馬くん達のその後も気になります。 「コピペしたみたいな田舎の町」はどう変わっただろう。 読後は爽やか。 場面の切り替わりで読みづらさはあったけど、デビュー作ということで次の作品が楽しみです。 : 女性経営者を訝しむハローワーク職員はリアルに感じました。地方社会はまだ本当にこんな感じなのだと思います。 それこそMCバトルでディスってもらったらスカッとしそう。

Posted byブクログ

2023/03/17

とても読みやすかったです。 ラップのことはちっともわかりませんが、わからなくても大丈夫です。 実の親子の話であり、義理の親子の話でもあります。親子でも他人、適切な距離感があるのだなと改めて思います。 私は親の経験はありませんが、親でもおかしくない年齢です。両方の気持ちになって読む...

とても読みやすかったです。 ラップのことはちっともわかりませんが、わからなくても大丈夫です。 実の親子の話であり、義理の親子の話でもあります。親子でも他人、適切な距離感があるのだなと改めて思います。 私は親の経験はありませんが、親でもおかしくない年齢です。両方の気持ちになって読むことができました。自分の母も、こんな風に思いながら育ててくれたのかと考えました。 母と息子が年と共にすれ違いますが、真正面から向き合う機会を与えられ、収まるところに収まるお話です。

Posted byブクログ

2023/03/15

 梅農家を営む明子の悩みの種はバカ息子の雄大。2度の離婚に借金まみれ。音信不通になったと思いきや、挙句に大麻で捕まった雄大。いつも話していても分かり合えないと感じてきた息子。  そんな雄大がラップバトルに出場すると聞いて本音をぶつけ合うのはここだ!と思った明子はバトルに出場する...

 梅農家を営む明子の悩みの種はバカ息子の雄大。2度の離婚に借金まみれ。音信不通になったと思いきや、挙句に大麻で捕まった雄大。いつも話していても分かり合えないと感じてきた息子。  そんな雄大がラップバトルに出場すると聞いて本音をぶつけ合うのはここだ!と思った明子はバトルに出場することに。  そこで、前代未聞の親子ラップバトルが繰り広げられる。  親子って難しいもので、言いたいことを曲げて言ってしまったり、自分の考えを押し付けてしまったり。遠慮がない分タチが悪く、そのズレはなかなか解消できなかったりする。  この物語は、そういう不器用な親子の在り方を伝え、一つの答えを導き出してくれている。  親子に関係なく、いつも本当の気持ちを伝えられる人間でいたいものです。

Posted byブクログ