私の文学史 の商品レビュー
氏の著作には数作触れただけなんだけど、それだけでも、独特の世界観は垣間見える。それが好きかというと、そこはまた別問題なんだけど。本書も当初は読むつもりはなかったけど、やはり書評で見かけて、その内容に惹かれて入手。やはり独特の文学論で、氏が世界観を入手するに至る経緯を、面白おかしく...
氏の著作には数作触れただけなんだけど、それだけでも、独特の世界観は垣間見える。それが好きかというと、そこはまた別問題なんだけど。本書も当初は読むつもりはなかったけど、やはり書評で見かけて、その内容に惹かれて入手。やはり独特の文学論で、氏が世界観を入手するに至る経緯を、面白おかしく追体験できるという結構。一切カッコつけず、真実だけを突き詰めていけば、それは面白い作品になる、ってのはなるほどって感じ。すごい難しいけど。
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表紙の目力ありすぎのイケメンに引き付けられた人、よってらっしゃい、みてらっしゃい、読んでらっしゃい。 損はさせません。……たぶん。 パンクロッカーから唯一無二の小説家に転身した町田康のはじめての自分語り。 NHK文化センターの講義を加筆修正したもの。 めっちゃおもろくて、めっちゃためになった。 町田康という人間の正直さに心打たれて、感動すらした。 いや、正直かどうかは本人のみぞ知る、のだけれど。 でも、私には「正直」に見えた。 幼い頃からの読書遍歴、思っていることを語っているのだけど、それがいつもの町田節で笑えた。 自分は本当に「自分の言葉」で、しゃべったり、文章を書いたりしてるかというと、疑問符がつく私にとって、町田さんの言葉はよいカンフル剤になる。 言葉って、外からもたらせられる物だと思っているけれど、その【オートマチックな言葉】に、いかに、反発して、抵抗していけるかが、「本当の自分の言葉」を会得していくのかの鍵なんだと思った。
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過去に何冊か町田康の本を読んだことがあり、この本で久々の再会。 読み始めた時は面食らったというか、あらぬ方から世界を見つめて言語化されている印象があったけれども、徐々に視点が合う(この本でいう「わからんけどわかる」)感じがして、読書として楽しめました。 文学の役目として、「この世...
過去に何冊か町田康の本を読んだことがあり、この本で久々の再会。 読み始めた時は面食らったというか、あらぬ方から世界を見つめて言語化されている印象があったけれども、徐々に視点が合う(この本でいう「わからんけどわかる」)感じがして、読書として楽しめました。 文学の役目として、「この世の熱狂から離脱する」、一歩引いて見るという話が最後の最後にあったけれど、色々と息苦しい現代において町田康の文学はまさしくそれなのかなと思いました。
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文体に影響を受けた町田康 随筆でも小説でも本当のことを書くとおもろいなどは、私が常づね考へてゐた事に一致してゐて、せやなと共感した。おもろい詩の四条件はなるへそと思った。 しかし、本に引用されてゐる北杜夫の小説もアホみたいな詩も「本音街」もチャンドラーも、私からするとあまりぴ...
文体に影響を受けた町田康 随筆でも小説でも本当のことを書くとおもろいなどは、私が常づね考へてゐた事に一致してゐて、せやなと共感した。おもろい詩の四条件はなるへそと思った。 しかし、本に引用されてゐる北杜夫の小説もアホみたいな詩も「本音街」もチャンドラーも、私からするとあまりぴんと来ず、ホンマにおもろいのやろかと思うた。『浄土』のなかで唯一おもしろいのは「一言主の神」だけだと私は思ふ。最後の魂を樹脂で塗り固めるといふ比喩も首をかしげた。おそらく、町田は小説の文体に強い影響を受けた一方で、私は文体よりもストーリーに注目するから、かういふズレが生じるのであらう。
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なかなか面白かった。あらゆる人にと言うより、かなりピンポイントな人に届きそうな本だと思います。作者のこってりとした物語のつくり方が少し分かったような、分からないような……。
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