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約束された移動 の商品レビュー

3.7

30件のお客様レビュー

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2022/12/29

ため息出る。。 「約束された移動」は、大きな人生のうねりだけではなく。 不特定多数のうちのたったひとり、 自分だけに差し出される手によって(しかしそれさえも錯覚なのだけど) あらゆる移動は約束され、人々は自分の還る場所に還ってゆける。 喪ったものを少しの間だけ愛でて、そっと閉...

ため息出る。。 「約束された移動」は、大きな人生のうねりだけではなく。 不特定多数のうちのたったひとり、 自分だけに差し出される手によって(しかしそれさえも錯覚なのだけど) あらゆる移動は約束され、人々は自分の還る場所に還ってゆける。 喪ったものを少しの間だけ愛でて、そっと閉じて、また還る。今は無くても、愛でていた事実について、あなたと私が証人になる。 『薬指の標本』でも思ったけどそんな描き方をしているかんじがする

Posted byブクログ

2022/12/01

穏やかで静かに進んでいるような雰囲気なのに、不気味さや不穏も存在している。 移動に関わる様々なプロフェッショナルたちの思考が新鮮で、深く考えされられます。

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2022/11/26

小説の中でだけ展開される優しい世界。 ファンタジーといえばそうなんだろうけど、読んでいるときはそう感じさせない。けれど本を閉じるとその感覚は失われる。ま、小説なんだから当然なんだけど、それにしても上手いよね。

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2022/11/14

ハリウッド俳優Bの泊まった部屋からは、決まって一冊の本が抜き取られていた。Bからの無言の合図を受け取る客室係・・・「約束された移動」。ダイアナ妃に魅了され、ダイアナ妃の服に真似た服を手作りし身にまとうバーバラと孫娘を描く・・・「ダイアナとバーバラ」。今日こそプロポーズをしようと出...

ハリウッド俳優Bの泊まった部屋からは、決まって一冊の本が抜き取られていた。Bからの無言の合図を受け取る客室係・・・「約束された移動」。ダイアナ妃に魅了され、ダイアナ妃の服に真似た服を手作りし身にまとうバーバラと孫娘を描く・・・「ダイアナとバーバラ」。今日こそプロポーズをしようと出掛けた先で、見知らぬ老女に右腕をつかまれ、占領されたまま移動する羽目になった僕・・・「寄生」など、“移動する"物語6篇、傑作短篇集。 先日小川洋子さんのエッセイが面白かったのと、装丁が美しくて手に取りました。小説は初めて。 すごい独特だなと思った。フィクションだとすぐに分かるファンタジーな世界観なのに、ぞっとするほどリアルな描写もあったりして、そのアンバランスさが魅力なのかな。ちょっと怖さもあって、私にはまだ早かったかも。分かったような分からないような宙ぶらりんで読み終えてしまった。筆者としてはそれでいいのかもしれないけど、どこがと説明できない何かが歯に挟まった気持ち悪さみたいなものが残っている。バーバラの話が一番ほっとする終わり方だった。

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2022/11/07

小川ワールド全開。 不思議で残酷で懐かしくて愛おしくて切なくて。 絵本を読んでいるような小説。 素晴らしすぎです。

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2022/10/14

繊細でちぐはぐで欠損があり美しい小川洋子の物語を共有するには言葉を紡ぐしかないのだなあと強く感じる1冊。これをどうやって映像化する?

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2022/10/07

6編の短編それぞれに、独特の世界観があり小川ワールドに引き込まれた。映像なしに文章だけで、異次元空間を体験できた。

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2022/09/19

「大事なのはね……」 「そこにいるけど、いないも同じ、という雰囲気を出すことなんだ」 小川洋子先生の作品、小学生の頃に『薬指の標本』を読んで以来ずっと好き。 こんなに美しくてグロテスクな小説を紡ぐ作家が他にいるでしょうか? 小川洋子先生の物語は、「我々は主人公たちのことを何...

「大事なのはね……」 「そこにいるけど、いないも同じ、という雰囲気を出すことなんだ」 小川洋子先生の作品、小学生の頃に『薬指の標本』を読んで以来ずっと好き。 こんなに美しくてグロテスクな小説を紡ぐ作家が他にいるでしょうか? 小川洋子先生の物語は、「我々は主人公たちのことを何一つ知らない」という実感のもと結ばれるのが良い。 他人のことなどわからない。 それは小説の中でも同じ。 我々はただの傍観者。

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2022/08/19

小川さんの作品の特徴である、どこか品が良くて、 どこかグロテスクな感じが含んだ、短編集です。 この作品たちの主人公たちは、自分の与えられた 仕事を全うするのですが、その仕事の中で、自分の 中で、ある秘密というか、忘れられない過去が含み として、語られている。表題作の「約束された移...

小川さんの作品の特徴である、どこか品が良くて、 どこかグロテスクな感じが含んだ、短編集です。 この作品たちの主人公たちは、自分の与えられた 仕事を全うするのですが、その仕事の中で、自分の 中で、ある秘密というか、忘れられない過去が含み として、語られている。表題作の「約束された移動」今作は、ホテルの客室清掃員が、1年に一度必ず泊まる、ハリウッド俳優との2人だけのある秘密を描いているのですが、秘密を抱えた人たちのどこか寂しいが、秘密を抱えた人たちだからこそ通じ合える関係性をどうか感じてほしいです。

Posted byブクログ

2022/08/17

おそらくどの解説を読んでもしっくりこない気がする。 どう足掻いても捉えることができない霧のような小説。

Posted byブクログ