ラーゲリより愛を込めて の商品レビュー
映画を観に行きたかったのになかなか行けずに今に至る。 ノベライズと原作は絶対読むと決めていたから、まずノベライズ読めて良かった。 山本さんのメンタルがすごい。 私ならへこたれるはずだから。 原作も必ずきちんと読みます。
Posted by
2023/2/3 読了 映画を見て、原作を読んで、という流れだったので、すごく読みやすかったし、2ヶ月前くらいに見た映像を思い出しながら読めた。 戦争を体験した人たちが減っていく中で、この作品を通して、戦争がもたらすものを若い世代に伝えていこうとしているのが伝わった。 「なにもな...
2023/2/3 読了 映画を見て、原作を読んで、という流れだったので、すごく読みやすかったし、2ヶ月前くらいに見た映像を思い出しながら読めた。 戦争を体験した人たちが減っていく中で、この作品を通して、戦争がもたらすものを若い世代に伝えていこうとしているのが伝わった。 「なにもなくても、そこに希望は絶対ある」 「頭の中で考えたことは、誰にも奪えない」 という言葉が印象に残った。
Posted by
映画のノベライズ本。 原作の「収容所から来た遺書」と読み比べることをお勧め。 原作の方に詳しい感想を書いたので、ここでは簡単に。 ノベライズなので、スラスラ読めるし、映画を観た後に読んだので、先の展開も読めてしまう。 それでも戦争を知らない世代に、「シベリア抑留」と言う史実があっ...
映画のノベライズ本。 原作の「収容所から来た遺書」と読み比べることをお勧め。 原作の方に詳しい感想を書いたので、ここでは簡単に。 ノベライズなので、スラスラ読めるし、映画を観た後に読んだので、先の展開も読めてしまう。 それでも戦争を知らない世代に、「シベリア抑留」と言う史実があったことを知ってもらうには、いい作品だと思う。 分かっていても、ラストは泣ける。 でも、映画はもっと泣ける! よくある戦争もののような派手な展開はないものの、映画は中盤からずっと泣きっぱなし。 シベリアで辛い思いをした人々、生きていることを信じて11年待ち続けた家族の愛が心に沁みる。 そして、やはり思う。 何の罪もない人の命を奪う戦争はあってはならない。 今、この世界にも戦争でバラバラになった家族がいることを忘れてはいけない。 多分映画自体はウクライナ侵攻前に撮影されたものだと思うが、やはり旧ソ連の話だと思うと、今のロシアの悪行を憎いと思ってしまう。 日本人全員の帰国まで11年引っ張った旧ソ連。 ウクライナ侵攻の終わりは、どこにあるのだろう・・・
Posted by
最後のやり取りが心に残った 山本の信念がある意味狂気に近いw 私なんか絶対一発目の拷問でギブアップしてる自信がある。 松本の気持ちにとても共感できる。 2時間程度で読めるし、是非最後まで読んでほしい
Posted by
母から借りた本 ・ 現在公開されている同名映画のノベライズ版 第二次世界大戦中、シベリア収容所に捕虜として抑留された山本 妻と幼い4人の子供と離れ離れとなり消息もつかめない 過酷な労働作業を強いられ、劣悪な環境での生活の中、命を落とす者、自ら命を絶つ者が続出する そのような厳しい...
母から借りた本 ・ 現在公開されている同名映画のノベライズ版 第二次世界大戦中、シベリア収容所に捕虜として抑留された山本 妻と幼い4人の子供と離れ離れとなり消息もつかめない 過酷な労働作業を強いられ、劣悪な環境での生活の中、命を落とす者、自ら命を絶つ者が続出する そのような厳しい状況下でも希望を捨てず、周囲の人々の生きる希望となっていた山本 実在していた人だということが更に胸に迫る どんな状況でも周囲の人達も巻き込んで日々を楽しもうとする山本は真に強い人だと思う 山本は自分達捕虜に劣悪な労働を強いるソ連の軍人に対しても恨みはしていない 戦争が悪いのだと分かっていたからだと思う 本作を読んだだけで当時のシベリアの捕虜の方達のことを分かった気になってはいけないことは当然分かっているけど、山本の生き様は私の人生の指南本の一冊になりそう ・ 映画も観に行こうか悩んだけど… 絶対号泣だし バスタオル持参だな
Posted by
ノベライズされたと言う理由からか、余りにも簡便で文章に切れ味がないし群像の深みもない。 文章が稚拙で浅薄過ぎる。 小説としてはB級作品だ。 勿論原作がということではないが。 内容はといえば、確かに真実が描かれている。 何故そうと断言できるかというと、 私の父も抑留されており、 た...
ノベライズされたと言う理由からか、余りにも簡便で文章に切れ味がないし群像の深みもない。 文章が稚拙で浅薄過ぎる。 小説としてはB級作品だ。 勿論原作がということではないが。 内容はといえば、確かに真実が描かれている。 何故そうと断言できるかというと、 私の父も抑留されており、 たまに話を聞かされていたからだ。 まさにバイカル湖が見えた時は日本海だと歓喜したという。その後にバイカル湖と知った時の落胆は尋常ではなかったという。 ハルピン近郊で貨車に乗っていた際はシベリア奥地へ連れて行かれるとも知らず、満州を逃げ惑う日本人たちに貨車の中から大量の缶詰めなどの食料品を投げ与えたそうだ。 ラーゲリでは有刺鉄線に近づき射殺された者も目の前で見たそうだ。 この作品には描かれていないが、舞鶴港に帰還した時に皆大枚の慰労金みたいなものを国から頂いたそうだ。 父はそれで家でも建てられると思ったらしい。 そのお金の一部で羊羹を買ったらとんでもない金額で そこで初めて満州・ソ連にいる間にとんでもない物価の上昇を知ることになったそうだ。 勿論家を建てるどころか柱一本買える金額ではなかった。 また、抑留者たちは帰還後も日本人から偏見の目で見られることになる。 いわゆる赤になっているという誤解だ。 その為に父は就職にも苦労したという。 抑留者は日本へ還ってきてからも苦労の連続だったのだ。 映画を観て泣いた方々に言いたい。 抑留者の方々は高齢者になってやっと国から20万のお詫びを支給された。 しかし、日本に還ってきてなん十年も経てやっとちょっとばかりのお詫び金。 これが日本人の抑留者への興味のなさや他人事ということを如実に表している。 こんな単なる御涙頂戴映画や凡庸なノベライズを作った日本に天国の父は怒っているかもしれない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ラーゲリでできた仲間たちそれぞれが、それぞれに対して未練のある、山本さんの間柄に、遺志を伝えることができたシーンで涙がでた。 生きているだけではダメで、何かを誰かに伝えることではじめて生きた証となるんだなと感じた。
Posted by
大東亜戦争後、シベリアで捕虜となり、帰国目前に病で命を落とした山本幡男の仲間たちとの絆、家族への想いを描いた話。ラーゲリ(収容所)での生活の一端を知ることはできても、実際には想像もできないほど過酷で苦しく耐え難いものだったに違いない。そんな状況でも、希望を失わず、人を思いやり、道...
大東亜戦争後、シベリアで捕虜となり、帰国目前に病で命を落とした山本幡男の仲間たちとの絆、家族への想いを描いた話。ラーゲリ(収容所)での生活の一端を知ることはできても、実際には想像もできないほど過酷で苦しく耐え難いものだったに違いない。そんな状況でも、希望を失わず、人を思いやり、道義を通した山本。彼の人柄が素晴らしく美談として扱われる類かもしれない。でも、このような事は程度の差こそあれ至る所であっただろう。やはり戦争は苦しみや悲しみなど負の物しか残さない。先人から託された現在を生きる私達は何をすべきか真剣に考えなくてはならないと思う。
Posted by
映画が気になったのでノベライズ本が出ているというので手に取りました。 第二次世界大戦でシベリア強制収容所に捕虜として抑留された山本幡男の 壮絶な半生と、夫の無事を信じて十一年待ち続けた妻モミジとの夫婦愛、 捕虜になった仲間達との絆が描かれている実話。 シベリア抑留は映画や...
映画が気になったのでノベライズ本が出ているというので手に取りました。 第二次世界大戦でシベリア強制収容所に捕虜として抑留された山本幡男の 壮絶な半生と、夫の無事を信じて十一年待ち続けた妻モミジとの夫婦愛、 捕虜になった仲間達との絆が描かれている実話。 シベリア抑留は映画や報道などで見聞きして知っていたつもりですが、 読み進めていると抑留された人達を人間と扱うことなく、 寒さの厳しい中過酷な労働、劣悪な環境、そしてソ連兵からの 暴力や拷問が酷く読んでいるだけでも苦しく辛いもので これが現実にあったというのが恐ろしかったです。 中にはソ連兵でも日本人に対して同情的な人がいたというのがせめてもの救いでした。 けれどこんな過酷な状況下であっても、 人間としての尊厳を忘れずに生きる希望を どんな時でも持ち続けている山本幡男は本当に素晴らしく、 どうしたらこんな強い心を保っていられるのだろと 思うくらいでした。 こんな山本がいたから窮地の場面でも仲間たちと 乗り越えることができ、こうやって仲間達の計らいで、 妻に大切なものを伝えることが出来て、 後世に伝え残すことが出来たのかと思います。 山本の口癖のように言っていた 「生きていれば、必ず楽しいことがあるよ」 「頭の中で考えたことは、誰にでも奪うことはできない」 という言葉がとても重く心に響きました。 いつシベリアから帰国するのかと待っていた モミジは悲しさ、寂しさを振り切って子供の前では 明るく振舞い、絶えず希望を持って日々を過ごして いた姿にも感銘しました。 きっと二人は似たもの同士の良いご夫婦だったのかと想像しました。 後半に入ると山本の病状がどんどんと悪化していき、 遺書を書いていく場面になってからは、 涙をこらえながらやっと読んでいました。 これ程までの内容なので映画を観てみたい気持ちもありますが、 とても最後まで観る自信が無いのでここで留めておきます。 とかく戦争映画というと残酷さやむごたらしさなどが 強調されがちですが、このように一人の人間を焦点に 合わせることがより戦争の恐ろしさが身近に感じて 日々なにげなく生きていることへの感謝を忘れては ならないというのを更に思います。 今まさにロシアがウクライナ侵攻をしている最中で、 報道されている事柄がこの当時の事と重なる部分もあり、 それが更に戦争への辛さや憤りが募ります。 一日でも早く終戦が来ることを祈りたいです。 そして世界中で争いのない時が早く訪れることを願いたいと思いました。
Posted by
映像や書籍などを通じて戦争を知る時、私は自分に対して無力感に似た感情を抱く。というのは、いくらそうしたコンテンツで戦争の残虐性が訴えられようとも、戦争に付随する真の残虐性というものを私は知り得ることができないと思うからである。 このことは戦争をテーマに何かを主張しようとする...
映像や書籍などを通じて戦争を知る時、私は自分に対して無力感に似た感情を抱く。というのは、いくらそうしたコンテンツで戦争の残虐性が訴えられようとも、戦争に付随する真の残虐性というものを私は知り得ることができないと思うからである。 このことは戦争をテーマに何かを主張しようとする作り手を決して非難するものではない。それどころか、そのような人たちが取材に取材を重ねて労力を惜しむことなく心血を注いで作り上げるからこそ、その残虐性を最大化し、戦争を経験したことのない私をして戦慄せしめるのである。彼らのおかげで私は戦争の一端を知ることができるのだ。 ただどうしても、命儚く散って逝った先人たちの無念さを考えると、戦争の本当の怖さを知った気には到底なれないのである。そのギャップに私は一種の無力感を抱いた。 この本の主人公、山本幡男はいかなる逆境に陥ろうとも決して希望を捨てることはなかった。己が末期のガンに蝕まれていることを告げられても、いっときは絶望したものの、未来を見据えて生きようとすることをやめなかった。 山本の抱く希望。それは生に対する執念でありある種の狂気とも言えるかもしれない。 狂気には狂気を。ラーゲリ(露語で収容所の意)にて過酷な環境のもと、重労働を強いるソ連側の狂気に立ち向かうためにそれは必要だった。 山本の希望はやがては同胞たちを勇気づける。「ダモイ(帰国)の日は必ず来ます」と励まし続け、何度裏切られようとも希望を持ち皆に与え続けた。風前の灯とでも言えるかすかな希望を山本は決して捨てなかったのだ。 これは常人にはなかなか真似できることではない。 ラーゲリにて希望の源泉である山本は、残念なことに、ダモイすることなくソ連の地でその生涯に幕を下ろした。愛すべき妻子に会うそのためだけに山本は懸命に生きてきた。しかし、その願いは結局叶わなかった。 彼の無念さを言い表せる言葉を私は持ち合わせていない。 その後、彼が記した遺書を数人の同胞たちが暗記し家族に届けるのであるが、それらの詳細は各自その目で確かめるのが良かろう。私がここであえて詳にすることは、この駄文を読んだ人に奇妙な色眼鏡をかけてしまうことにもなりかねないし、何より作者に対する冒涜になるでせう。 このドラマのようなお話は決してフィクションではなく、純然たる実話である。お恥ずかしながら、私は山本幡男氏をそれまで知らなかった。こんなにも偉大な人を、だ。それどころか、シベリア抑留についてさえ、その意味内容をまるで認知していなかった。全く情けない話である。 山本幡男氏のような無名の英雄を掘り出し伝えてくれた作者に心からお礼申し上げる。それと同時に、これのような無名の英雄がまだまだたくさんいるのだろうと考える。そう思うと世の中捨てたものではないなと一種の希望に似た何かが私の胸に灯ったのである。
Posted by