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犬のかたちをしているもの の商品レビュー

3.6

148件のお客様レビュー

  1. 5つ

    24

  2. 4つ

    54

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    7

  5. 1つ

    3

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2024/09/19

女性は子どもが好きだ、産みたいと思っている、産まないといけないという固定観念。最近考えていたところにこのお話。女性としてのあり方を思い悩む主人公の姿をみて、自分と似た感情を持っている人がいるんだな良かったぁとどこか安心しました。はっきりと結論が出せるわけじゃないけど、結婚や出産を...

女性は子どもが好きだ、産みたいと思っている、産まないといけないという固定観念。最近考えていたところにこのお話。女性としてのあり方を思い悩む主人公の姿をみて、自分と似た感情を持っている人がいるんだな良かったぁとどこか安心しました。はっきりと結論が出せるわけじゃないけど、結婚や出産をせずとも生きがいの多い今の時代だからなおさら、自分が自分らしく、悔いのない生き方ができたらそれで良いのかも...と思ったり...。

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2024/08/23

男性である自分が読んでみて。確かに好き嫌いはあると思うが、個人的には興味深かった。 いま子供はいないが、友人たちにも子供が生まれ、いざ自分が子供を持つということを想像すると漠然とした不安に駆られることがあった。それは経済面や環境面とかではなく、なにか少し得体の知れないような感覚...

男性である自分が読んでみて。確かに好き嫌いはあると思うが、個人的には興味深かった。 いま子供はいないが、友人たちにも子供が生まれ、いざ自分が子供を持つということを想像すると漠然とした不安に駆られることがあった。それは経済面や環境面とかではなく、なにか少し得体の知れないような感覚であった。もちろん、嬉しさや幸せといった感情もあり、それが親になるということなのかも知れない。ただ、一抹の怖さを感じることは事実であった。 郁也の欲情は男性本能としてはわかりつつ、一方で自分の中でも先述のような考えがあるからか、男女の違いはあるとは思いつつも薫の考えにはどこか共感はできた。 もちろん、周りを見ていても自分の考えは少数派だとは思う。だからこそハマる人は他の小説と比べたら限定的ではあると思う。ただ、世間一般に言われている「結婚して子供を産むのが当たり前」という感覚に少しでも違和感のある人にとっては、一読すると良い本なのかもしれない。

Posted byブクログ

2024/08/15

高瀬隼子さん3冊目。『いい子のあくび』で「このひと、好きかも!!!(スゴイ!!!)」とファンになった訳だが、デビュー作で既に駅でぶつかってくる不愉快製造機おじさんが登場しており、なんとなく嬉しかった。 今まで読んだ高瀬さんの本の中で1番文学っぽいなと思った。何故なら、変で不快な...

高瀬隼子さん3冊目。『いい子のあくび』で「このひと、好きかも!!!(スゴイ!!!)」とファンになった訳だが、デビュー作で既に駅でぶつかってくる不愉快製造機おじさんが登場しており、なんとなく嬉しかった。 今まで読んだ高瀬さんの本の中で1番文学っぽいなと思った。何故なら、変で不快な人間がたくさん出てくるからです(文学への偏見と無知)。ミナシロさんよお…郁也くんもさあ…。でもミナシロさんの「出産をクリア」発言には、非常に「分かる」ところがあった。薫の「自然とできちゃってたらラッキーなのに」も、分かる。こうやって現実だと「考えすぎ〜」で一蹴されそうなモヤモヤ感情を言語化できるの、作家はマジで凄いなと思う。 読んでいて、心に刺さる、胸がザワザワする、生きた文章が散らばっていた。ラスト2ページに薫の迷子になったような寂しい気持ちを想像して、鼻の奥がツンとなった。 愛してるとか大切にしたいとか好きだってことを、どうやって相手に伝えられるだろう。そして、ちゃんと伝えていることになるんだろう。言葉、態度、生活、相手が性的な対象ならばセックス? 分かりやすい形があって、目に見えて、社会から認められていること。結婚して子供をつくること。素晴らしいけれど心の底で馬鹿らしいとも思う。犬の方がかわいい。 巻末の解説も良かったです!なるほど、と思いました。

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2024/08/08

私自身の潜在的な気持ちを言語化してくれたような小説。 愛の形というのは人によって様々であり、自分の置かれている環境や周りからの評価、価値観、偏見によってより複雑さを増して、ただ相手を想う気持ちや一緒にいたいとかいうだけでは成り立たないのが現実であると。 "子どもを持た...

私自身の潜在的な気持ちを言語化してくれたような小説。 愛の形というのは人によって様々であり、自分の置かれている環境や周りからの評価、価値観、偏見によってより複雑さを増して、ただ相手を想う気持ちや一緒にいたいとかいうだけでは成り立たないのが現実であると。 "子どもを持たない人生を送る覚悟もなければ、子ども持つ覚悟もない"という作中の言葉や、妊娠している女性を見た時に(いくつか抱く感情1つではあるが)怖いという感情を抱くという部分など自分に通ずる部分があって衝撃を受けた。 周囲から与えられた言葉や、家族、近しい人の変化を目の当たりにすることによって、少なからず自分の価値観が変化していく可能性もあるし、明日の自分、5年後、10年後の自分から見た今日の自分の悩みや価値観は馬鹿らしく思える日が来るのかもしれないと感じさせられる内容であった。 しかしながら付加価値的要素が無くとも、愛される理由なんて私が私であるというだけで十分で、それ以外の何物でもない、そうであって欲しいと思ってしまうのは私が強欲であるからなのか。

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2024/07/06

ナツイチ2023。大好きな声優梶裕貴さんの朗読付きということで手に取りました。「彼氏の浮気相手から子どもをもらってほしいと懇願される」衝撃の冒頭。主人公の性の感覚、考えに共感するところも多かったです。個人的にはモヤモヤの残る終わり方。

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2024/07/04
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面白かったが、今の私に合わない感があった 主人公はセックスと子供に全く魅力を感じていない女性。 というか、なんなら、犬以外はあんまり何も好きじゃなさそうだった。 主人公は子供に魅力は感じないものの、同棲している彼氏や家族、出産してライフステージの変わる友人などとの関わりを考えると、子供のいない人生を選ぶ事も嫌。 この状態が、私にとって想像がつきすぎる。考えが近すぎて、面白みがなかった。 でも、著者の他の小説も読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2024/07/02

子供があまり好きでもないし欲しいとおもったこともない自分にとって主人公の気持ちはよくわかるというか、普通に恋愛して結婚して子供を持つ人生をなんの疑問もなく「普通」だと思う人には全然わからない感覚なんだろうなと思ってしまう。そしてこの作品はその「普通」って本当に普通なんですか?と投...

子供があまり好きでもないし欲しいとおもったこともない自分にとって主人公の気持ちはよくわかるというか、普通に恋愛して結婚して子供を持つ人生をなんの疑問もなく「普通」だと思う人には全然わからない感覚なんだろうなと思ってしまう。そしてこの作品はその「普通」って本当に普通なんですか?と投げかけてくるものに感じる。 この話に限らずだけど、世の中のマイノリティ側の気持ちを「わからない」で切り捨てるのは簡単だけど想像することは大切なんじゃないかと思う。理解して寄り添えとは言わないから。でもそうなると主人公の彼は彼女のことを理解しようとするだけマシなのかどうなのかという問題も出てくるのだけど。

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2024/07/01
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私も主人公と同じように子どもができなかったので、気持ちがよ〜くわかった。 恋人を愛する気持ち、子どもを持って世の中の大多数になりたい気持ち、他人が産んだ子を愛せるか心配な気持ち、自分を大事にしたいけど、どれを優先すれば自分を大事にしたか分からない気持ちが同時にあって複雑すぎる…。 主人公が考えているように、考えすぎず、子どもがほしいとか選択する前にてきとうに、なんとなく子どもができればいいのにと何度思ったことか…。 そんな気持ちがしっかり描かれていておもしろかった。 ラストも◎

Posted byブクログ

2024/06/25
  • ネタバレ

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読む立場が違うと感想は違うのだろうな。 子供を望んでもって育ててる身としては、2人ともなにいってんの?(ミズシロさんと男の人)って気持ちでいっぱいで。無理だった。

Posted byブクログ

2024/07/26

興味深い内容だったし社会に対する疑問にも大きく共感した。郁也とミナシロに対して言って欲しいことを主人公が言ってくれずモヤモヤする部分もあった。

Posted byブクログ