犬のかたちをしているもの の商品レビュー
主人公の戸惑いや考え方、自分が変なのかなとかいつのまにか自然に受け入れ態勢だったりするところ、全てが違和感なく読めるのに対し、周りの人たちが理解し難い…けど、リアルではないとも思わない。あり得る、と思う。 セックスが子どもができる行為なのだと意識していなければ、あり得る。考えてい...
主人公の戸惑いや考え方、自分が変なのかなとかいつのまにか自然に受け入れ態勢だったりするところ、全てが違和感なく読めるのに対し、周りの人たちが理解し難い…けど、リアルではないとも思わない。あり得る、と思う。 セックスが子どもができる行為なのだと意識していなければ、あり得る。考えていなかったことに直面したときどうするか、なんてものは、じっくりと考えたつもりでもちょっとした要素で簡単に変わるだろうし。 あまり普段は読まないタイプの本なのだけど、文体が読みやすいことや、表現が素直で主人公がリアルに感じられることに救われながら読了。 読む世代でも感じ方は変わるんだろうな。
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主人公が性に対して抱いてる感情は自分もあるのでリアリティある生々しい話なのかなと思ってましたが、ミナシロさんがぶっ飛びすぎてバランスが取れてなかった。 タイトルは良い。
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何だか鉛のような話。 主人公はもっと怒ってもいいと思う。皆がみんな淡々として狂っている。 罪悪感から周りに気を遣っている?のかもしれないけれど、傍にいる決断をしたのは彼。 ただただミナシロさんが胸糞悪かった。 これは主人公以外のメインキャラ全てが加害者だと感じた。
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間橋は、二十一歳で卵巣の病気の手術を受け、子どもが産めるのか産めないのかわからない体でした。そして、誰かと付き合って早いと一か月、遅くても三、四か月で、セックスをしたくなくなってしまう女性でした。 間橋は郁也とも付き合って四か月が経つ頃には嫌になり、しなくなってしまいますが、郁...
間橋は、二十一歳で卵巣の病気の手術を受け、子どもが産めるのか産めないのかわからない体でした。そして、誰かと付き合って早いと一か月、遅くても三、四か月で、セックスをしたくなくなってしまう女性でした。 間橋は郁也とも付き合って四か月が経つ頃には嫌になり、しなくなってしまいますが、郁也は「薫のこと、好きだから大丈夫」と言い、二人は三年付き合っていました。 しかし、郁也はお金を払ってミナシロにセックスさせてもらっていたうえ、妊娠させてしまいます。ミナシロは子どもが嫌いで育てたくないと言い、間橋に「子ども、もらってくれませんか?」と聞いてきます。 子どもを産むか産まないか。子どもを持つか持たないか。女性なら誰しも考えるようなことを、ミナシロと間橋も考えていました。 そして、ミナシロは産むのは今回のでクリア、だけどほしくないと考えたのでした。 間橋は、子どもより犬の方がかわいいと思っていました。結婚して、セックスして、子どもを産んで、二人で育てるというシンプルな方法が選べませんでした。しかし、子どもを持たない人生を送る覚悟も、子どもを持つ覚悟もありませんでした。そんな中、ミナシロの話から、郁也は本当は子どもがほしいと思っていたことを知ります。 間橋は「子どもを、もらおう」と決めます。母や祖母が喜ぶなら、郁也がもらえるなら、子ども付きでもいいと考えたのでした。わかりやすい形ではないけれど、間橋から郁也への気持ちも愛だと思いました。 ミナシロの言動は非常識にも思えますが、子どもを中絶したくないけれど育てたくもないという気持ちも、一つの考えでおかしくはないと思いました。子どもを産むこと、持つことについて、改めて考えてしまう作品でした。
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子供を産むの、産まないの、女性にしか分からない 悩みがあるということがよく分かりました。 主人公の薫は、若い時に卵巣の病気で手術をして、 子供を産むことへの恐怖感や、周りの人たちが子供を産んで、自分が取り残されてしまったと焦りを持ち始めた。とてもデビュー作とは思えない、ストレート...
子供を産むの、産まないの、女性にしか分からない 悩みがあるということがよく分かりました。 主人公の薫は、若い時に卵巣の病気で手術をして、 子供を産むことへの恐怖感や、周りの人たちが子供を産んで、自分が取り残されてしまったと焦りを持ち始めた。とてもデビュー作とは思えない、ストレートに心に沁みる感じが取れて、面白かったです。 女性に読んでほしいです。
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