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世界は五反田から始まった の商品レビュー

4.3

35件のお客様レビュー

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2023/05/07

道路や場所がよくわかるので本当におもしろい。この場所の記憶を共有してもらって、大変ありがたい。 いろいろ見に行かなくちゃいけない場所がある。歩くことと繋がっている。 わたしも祖父母に聞き書きしたい。

Posted byブクログ

2023/05/01

五反田近くの戸越銀座で育った著者が、幼い頃に祖父から聞いた話や、その祖父が残したわずかな手記をもとに、家族のルーツを、祖父の代からたどっている。 途中から、戦時中そして戸越銀座をふくむ東京大空襲の話題となる。焼死者が多かった下町の大空襲に比べて、爆弾の数は倍になったのに、死者数が...

五反田近くの戸越銀座で育った著者が、幼い頃に祖父から聞いた話や、その祖父が残したわずかな手記をもとに、家族のルーツを、祖父の代からたどっている。 途中から、戦時中そして戸越銀座をふくむ東京大空襲の話題となる。焼死者が多かった下町の大空襲に比べて、爆弾の数は倍になったのに、死者数が桁違いに少なかった理由は、消火活動優先より避難優先であったこと、建物疎開で空き地が多く作られていたこと、なども書かれている。 思わず笑ってしまうタイトル「世界は五反田から始まった」というのは、著者がそこで生まれ育ったからの表現だったのかと理解した。誰にとっても、「世界は「生まれた村」から始まった」のだと改めて思う。ちょっと愉快なタイトルどおり、ユーモアもあり、視線が自分たちと同じレベルにあるので、共感しやすい。微笑ましかったり、可笑しかったり、うなずいたりしながら読んだ。 あらためて、今の東京は空き地がなく混みすぎていることが心配になった。先祖の思いは大切にしたいと改めて思った。

Posted byブクログ

2023/04/12

著者の星野さんと同世代なので、昭和の暮しの風景は何となく想像できました。 星野さんのおじいちゃんが小さかった孫に言い残した「戻りて、ただちに杭を打て」は、絶望の中から微かに覗く光のように感じられます。 今の星野さんの実感として語られる「しかしいまは少なくとも、戦争、あるいは戦争に...

著者の星野さんと同世代なので、昭和の暮しの風景は何となく想像できました。 星野さんのおじいちゃんが小さかった孫に言い残した「戻りて、ただちに杭を打て」は、絶望の中から微かに覗く光のように感じられます。 今の星野さんの実感として語られる「しかしいまは少なくとも、戦争、あるいは戦争に擬似した何かが起こることは十分ありうる(というか、すでに始まっている)」という文章が何とも謂えない余韻を残しています。

Posted byブクログ

2023/04/06

題名のインパクトで瞬間図書館予約。五反田・戸越銀座辺りが地元の著者エッセイ的かと思っていたら戦争物。重い話しを紐解きながらもよく知る地域の戦時中を垣間見れて分厚い本もあっという間に読み切った。終戦後約80年しか経ってないって異世界すぎるなー

Posted byブクログ

2023/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

予想を超えて面白い本だった。さすが大佛次郎賞。戦争観が変わるというか,表面的なことしか知れてなかったなと思わされる。 私の街もこんな風に見るといろんな話が出てくると思うので,誰か書いてくれないかなと思う。 筆者は男性だと思い込んでた。星野智幸さんとごっちゃにしていたためと思われるが,ジェンダー観が・・・と思う。

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2023/04/02

3/10東京下町大空襲の死者行方不明者10万人。その後の5月の東京南部?空襲では3/10よりも多くのB29爆撃機が投入されたにもかかわらず、死者は5百余名。この差の原因は? 「戦争絶対反対」に異論はないがその思考停止にもチクリ。いざ戦争に巻き込まれた時にどうやって生き延びるか、終...

3/10東京下町大空襲の死者行方不明者10万人。その後の5月の東京南部?空襲では3/10よりも多くのB29爆撃機が投入されたにもかかわらず、死者は5百余名。この差の原因は? 「戦争絶対反対」に異論はないがその思考停止にもチクリ。いざ戦争に巻き込まれた時にどうやって生き延びるか、終わらせるか、その先も考えておかないと…

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2023/03/19

読み進むにつれ、どんどんひきこまれていった。自分の生まれ育った土地から、両親祖父母の人生の軌跡から、世界を再認識する。こんなことができるんだと目を見張る思いだった。自分のいる場所を歴史と地理の中に位置づけることを、「教養を身につける」と呼ぶならば、これはまさにその生き生きとした実...

読み進むにつれ、どんどんひきこまれていった。自分の生まれ育った土地から、両親祖父母の人生の軌跡から、世界を再認識する。こんなことができるんだと目を見張る思いだった。自分のいる場所を歴史と地理の中に位置づけることを、「教養を身につける」と呼ぶならば、これはまさにその生き生きとした実践。説教臭さのない語り口で、読みやすいのも良い。 歴史の流れを俯瞰すると、ともすれば、大きな動きのなかで個人は翻弄されるばかりだと思いがちだ。特に第二次世界大戦時の日本の状況については、知るほどに絶望的な気持ちになる。しかし、著者は悲観と諦念に逃げ込まず、よく見ることでその経験から汲み取るべきものがあると考える。そのたくましい視点が本書を貫いている。たとえば、以下のようなくだり。 「夥しい数の人々のあまりに悲惨な死にうちひしがれて『起こしてはならない』で止まってしまうと、『もしまた起きたら』に一向につながらない。」 「この、失敗と呼ぶにはあまりに手痛い戦争の経験から何かを学ぶとすれば、私は生き延びる方法を知りたい。」 「壮大な物語に呑みこまれず、立ち止まる力。浅はかな有力者や権力者と距離を置き、孤立しながらも生き延びる方法。重大な局面に立たされた時の、判断力。頼る人も組織もない場所にたった一人取り残された時、しなければならない交渉術。気高さとも感動とも程遠い、ずる賢さ。」 ああ、そうなのだ。「物語に呑みこまれない」という言葉を肝に銘じたいと思った。 蛇足 ・最初の方で挫折しかかった。また東京人がよくする「住んでるところはどこか」関連話か、と思って。東京の人の感覚を既定の事実のように語られると、すごく白ける。まあ、地方にも似たようなことはあるので、僻んでるだけですけど。 ・気になったのは、何回か出てくる「奇しくも」という言い方。特に「奇しく」はないのもあったよ。

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2023/03/02

ちょっとだけ珍しそうな本を読むつもりで手にしたが、いやいや面白かった。 たった半径2kmほどの大五反田圏で生きた家の物語がこれほどの本になるとは。空襲を中心とした戦時の話はリアルだが人々の明るさも感じられて温かい気持ちにもなれた。 自分のルーツなど知りようもないしそれでいいが、結...

ちょっとだけ珍しそうな本を読むつもりで手にしたが、いやいや面白かった。 たった半径2kmほどの大五反田圏で生きた家の物語がこれほどの本になるとは。空襲を中心とした戦時の話はリアルだが人々の明るさも感じられて温かい気持ちにもなれた。 自分のルーツなど知りようもないしそれでいいが、結構な物語があっただろうなとも思う。ちなみに亡き母は関東大震災も東京大空襲も経験し生き抜いた。

Posted byブクログ

2023/02/06

祖父母も終戦の年に生まれた世代のため戦争の話を親戚から聞いたことが無く、生まれ育った場所で空襲があったかどうかも知らない。そのため、この本の話はとても強烈でした。自分から知ろうとしなければならないと感じさせられました。

Posted byブクログ

2022/12/25

本当にすばらしい本だった。 現実に戦争が起こり、今が「戦前」になってしまうかもしれない時期だから、より一層ガツンときた。 分厚い区史や自費出版の郷土資料を参照し、こんなにすてきな文章と装丁の作品ができることにも感動した。

Posted byブクログ