菓子屋横丁月光荘 金色姫 の商品レビュー
シリーズ5作目。 前作で修士論文の目途がついて来たかと思ったが、あっという間に年が明けて、守人も大学院を卒業。 「月光荘」の運営を本格的に始めようとする守人に、また新たな出来事が起こる。 「家の声が聞こえる」不思議な大学生の物語かと思ったが、今作ではまず養蚕の話から始まる。 イベ...
シリーズ5作目。 前作で修士論文の目途がついて来たかと思ったが、あっという間に年が明けて、守人も大学院を卒業。 「月光荘」の運営を本格的に始めようとする守人に、また新たな出来事が起こる。 「家の声が聞こえる」不思議な大学生の物語かと思ったが、今作ではまず養蚕の話から始まる。 イベントで行った「繭玉飾り作り」。そこに養蚕を営む家で育った田代の祖母で守人と同じく「家の声が聞こえる」喜代も参加する。 楽しいひと時を過ごした守人だったが、卒業を控えたある日、守人の曾祖父の縁者がいることを知り合いから伝えられ、両親を亡くして以来、疎遠になっていた母方の親戚たちと再会することになる。 今はもうないと分かりつつ、子供の頃の記憶を辿る守人の様子はとても切ない。 それでも、もう会うことも叶わないと思っていた両親のお墓参りにも行け、人生の節目を迎える守人。 そんな守人には、最後にもう一つ、とても大きな出来事が待っていた・・・ 最初の頃の話からは、だいぶ逸れて来た感じはするし、作者がこの物語の着地点をどこに置きたいのかも分からない。 それでも、悲しいような、寂しいような、でも心は温まる話を紡いでいく。 作者自体がまるで繭玉のような気がする。
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本当に読むと優しい気持ちになります。不思議な世界ですが、子供の頃絵本を読んでいた自分を思い出して温かくなる感じです。登場人物も少しづつ成長しているのがシリーズを通して読んでいるとわかりますね。大学院を卒業した守人がどんな社会人になっていくのかたのしみです。
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シリーズ5作目。気がついたら涙が頬を伝っている素晴らしい物語だった。主人公の記憶が解かれていく様子がまさに絹糸のようで美しい。
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