掬えば手には の商品レビュー
瀬尾さんらしい、安定の暖かくなれる話。 大学生の主人公は自分が家族と比べて何も持っていないというのがコンプレックスで、中学の時に心が読めた経験から、それを自負にしてこれまでやってきている。 普通というコンプレックスや、やはり互いに会話をしないと通じあえないよね、っていうあたりまえ...
瀬尾さんらしい、安定の暖かくなれる話。 大学生の主人公は自分が家族と比べて何も持っていないというのがコンプレックスで、中学の時に心が読めた経験から、それを自負にしてこれまでやってきている。 普通というコンプレックスや、やはり互いに会話をしないと通じあえないよね、っていうあたりまえのことを改めて気づかせてくれる作品。 また、普通がコンプレックスであることも今らしい。でも、主人公自身もやっぱり普通じゃなくて、だからこそ救われた人もいる。それぞれに個性があるんだ、っていうことも伝えている。 とても読みやすく、箸休めにもいい。
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掬えば手には 人の気持ちがわかってしまう梨木くんと梨木くんに関わる人たちの物語。 個性がない人なんていない。 完璧な人もいない。 悩みがない人もいない。 私は私。人と比べる必要はない。(←比べちゃうけど) これは私の持論。 人それぞれと理解した上で、人の気持ちを理解し寄り添...
掬えば手には 人の気持ちがわかってしまう梨木くんと梨木くんに関わる人たちの物語。 個性がない人なんていない。 完璧な人もいない。 悩みがない人もいない。 私は私。人と比べる必要はない。(←比べちゃうけど) これは私の持論。 人それぞれと理解した上で、人の気持ちを理解し寄り添うことのできる梨木くんはすごくて、私は未だに人それぞれとわかっているつもりでいるだけな気がした。 気遣いと優しさを兼ね備えた人でありたい、と思った。 瀬尾さんの描く小説は本当に優しく温かい。 ささくれだった時に自分をリセットしてくれる…そんな物語ばかり。 「掬えば手には」も心温まる物語だった。
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平凡ってなんだろう。 私は子供の頃、何故か平凡でいたいって思っていたけど、結局自分に自信がないから、平凡でいいんだと思いたかったのかもしれない。 どんな自分でも肯定していきたいと思わせてくれる本でした。
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平凡なことがコンプレックスの大学生、梨木匠は人の心が読めることに気付くが、同じバイト先の常盤の心は読めずー。 瀬尾さんの他作品よりは刺さることが少なかった気がするけど、やっぱり温かい話。 店長とか登場人物も憎めなくて不器用だなあと微笑ましい。 一線を引かれてもそこで引いてしまわ...
平凡なことがコンプレックスの大学生、梨木匠は人の心が読めることに気付くが、同じバイト先の常盤の心は読めずー。 瀬尾さんの他作品よりは刺さることが少なかった気がするけど、やっぱり温かい話。 店長とか登場人物も憎めなくて不器用だなあと微笑ましい。 一線を引かれてもそこで引いてしまわず適度に関わり続ける、主人公は優しくて人が好きなんだろうなと思う。
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瀬尾まいこさんの本ということ、本の表紙デザインが可愛いと思ったことだけで図書館で借りた一冊だったけど、店長エピソードと冬香ちゃんが秋音の存在をしるシーンは涙が溢れた。自分が自分であることを肯定していいんだ、と心が暖かくなる一冊だった。
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なんとも不思議な物語は、少し背中を押してくれた。 大学生の梨木は、自分がエスパーだと思っている。梨木は、性格の悪い店主が経営するオムライス屋さんでバイトをしていて、そこに常盤さんという女性のバイトが新しく入ってきた。全く心を開いてくれない常盤さんのことが気になる梨木は不思議...
なんとも不思議な物語は、少し背中を押してくれた。 大学生の梨木は、自分がエスパーだと思っている。梨木は、性格の悪い店主が経営するオムライス屋さんでバイトをしていて、そこに常盤さんという女性のバイトが新しく入ってきた。全く心を開いてくれない常盤さんのことが気になる梨木は不思議な声が聞こえてきて・・・。 みんな真っ直ぐに生きてきたわけじゃないだろうし、過去にも色々あると思うけど、心を一歩踏み出すことが大切だなと思わせてくれた。
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温かいストーリーでした。 人の気持ちがわかるエスパーではなかったかもしれないけど、その人をよく観察して寄り添おうとする、行動する、それはすごく特別な能力だと思いました。 ぶっきらぼうでこんな店長嫌だなと思った大竹さんが途中からいいスパイスに。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
冒頭、何か特別な能力を持つ主人公が周りの人を救っていく物語か?とワクワクしたが、それこそがミスリードだった。特別な能力なんて現実には存在しない。人の心を読む力なんて存在せず、自分を開示して、相手の話を聞いて、ただ心に寄り添うしかないのだ。 中学生時代に不登校から救った子が、大学生になっても主人公に何かと絡んでくるのは、恩返し以上の気持ちがあるように見えたが、その点には言及されず、本当に恩返しの意味で接していただけのようだった。そんなことありえるかな?少なくともどちらかは恋心を持ちそうなものだが、私が恋愛脳すぎるのか?あまり納得感がなかった。 ただ、主人公の愚直なコミュニケーションで、常盤さんが少しでも救われたのはよかった。 また、この小説で気付かされたけどわたしは一人称で進む話のほうが好きだ。読者が神視点だと何だか興醒めしてしまう。 p133 勝手に人の心を読んで、相手をわかった気になるのはたやすい。勇気を振り絞る必要もないし、相手も自分も傷つかず恥もかかずに済む。だけど、目の前の相手に踏み込むのは難しい。誤解もわだかまりも照れ臭さも生まずに、都合よく人の心に触れられるなんてことはないみたいだ。
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周りの人の気持ちがよくわかり、それを自分だけの特技のように思っていた主人公。 それにより、いろいろな人を助けたりしてきた。 だけど、相手が何を考えているのかは、ある程度みんな察しながら過ごしているんだと気付く主人公。 察する力は人それぞれで、深く感じやすい人もいれば鈍い人もいる。...
周りの人の気持ちがよくわかり、それを自分だけの特技のように思っていた主人公。 それにより、いろいろな人を助けたりしてきた。 だけど、相手が何を考えているのかは、ある程度みんな察しながら過ごしているんだと気付く主人公。 察する力は人それぞれで、深く感じやすい人もいれば鈍い人もいる。 それでも、みんな相手のことを考えながら接しているんだと改めて思いました。 相手が悩んだり困ったりしていても、それを助けてあげる行動に移すことができる人はなかなかいないので、それが出来てしまうのは本当にすごいことだと思う。 逆を返せば、行動に移せなくても、心では何かしてあげたい、と思っている人も多いのかなと思いました。 あと、自分のことを開示しないと、相手も開示してくれない。コミュニケーションってまずは自分の開示からなのだと思いました。
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特別になりたかった主人公は、 自分がある不思議な力を持っていると思っている。 それは「人の心が読める」ということ。 そんな観察眼のある彼の、本当の力はそれじゃなくて、もっと素敵なことなんだって、教えてくれるようなお話。 特別なんてなくても、行動できることはそれ自体がとてもすごい...
特別になりたかった主人公は、 自分がある不思議な力を持っていると思っている。 それは「人の心が読める」ということ。 そんな観察眼のある彼の、本当の力はそれじゃなくて、もっと素敵なことなんだって、教えてくれるようなお話。 特別なんてなくても、行動できることはそれ自体がとてもすごいことだし、一歩踏み出した人はとってもかっこいいんだって、そっと背中を押してくれる。 すごく熱くて、だけど素朴で、優しいお話だなあと思いました。
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