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ギフテッド の商品レビュー

3.1

53件のお客様レビュー

  1. 5つ

    4

  2. 4つ

    11

  3. 3つ

    27

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    2

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2023/07/27
  • ネタバレ

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夜の世界に生きる女性が、 母親を看取る様子を淡々と描いている作品だった。 娘にやけどを負わせたのは、 母自身が女の体に値段がつくことを嫌がって生きてきて 女性らしくなった娘に驚き、 その価値を下げたのかな?とは思ったけど… その傷を負わされて、なお母に淡々と接する姿はなかなか理解が難しかった。 母と若い頃の娘は一体だったけど、 今は距離を置いている、間には扉があるから 淡々と接することができるのかな?

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2023/06/18

遅ればせ感想。夜の仕事をしている女性の視点で母の看取りと子供の頃からのトラウマを描いているのだが基本的には心情を綴るというよりは日常をとつとつと過ごしている情景だけが描かれている。体調が悪くなった母が最期は娘と過ごしたいと娘のアパートに転がり込んでくるところから始まり、主人公が母...

遅ればせ感想。夜の仕事をしている女性の視点で母の看取りと子供の頃からのトラウマを描いているのだが基本的には心情を綴るというよりは日常をとつとつと過ごしている情景だけが描かれている。体調が悪くなった母が最期は娘と過ごしたいと娘のアパートに転がり込んでくるところから始まり、主人公が母を避けて出来るだけ帰らずに過ごしたり、先日自殺した仲間の事をホストと話したり。そんな中心にずっと引っかかっているトラウマがじくじくと膿んで痛み出してくるような不思議な描写が続く。個人的には読後感がとてもカミュの「異邦人」のようだった。心を直接描くのではないその手法のせいだろう。

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2023/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公の母親が病気により、長くないと分かり、主人公の住むアパートで余生を過ごしたいというところから始まる、母親との最期までの話。「ギフテッド」とはこの小説において、どんな意味を持っているのか。母親の人生が「恵まれている」というようにもとれるし、詩人としてヒットしなかったことに対する「才能」を皮肉っているようにもとれる。

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2023/05/19
  • ネタバレ

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歓楽街でホステスをしている主人公。裸になる仕事をしないのは、体に火傷を隠すための刺青があるから。 その火傷は母につけられたもの。 その母は、あと少しで病で死ぬだろう。 病院からわずかな日数、母の希望で家に招き入れたものの、急変してふたたび病院へ。 仕事をやめて、母の看病をすることに。 主人公には、死んだ友が2人いて、 その、死ともうすぐ消えゆく母を思う。 最初から最後まで湿度の高い世界観。主人公の仕事のためか、ずっと薄暗い、もしくは夜でネオンが明るい。そんな感じ。 芥川賞ノミネート作品。 芥川賞ってこんな作品多いよね。何とも言えない暗くて重くて息がしにくい。 余談ですが、 私のブックログ登録冊数、これが1000冊目でした!!

Posted byブクログ

2023/04/24
  • ネタバレ

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天才の降臨です。 しびれました。 完全にしびれました。 冒頭の出だしの文章から 完全に天才です。 エンタメ小説ではないので そういった面白さはありませんが 日本語に、文章に、言葉選びに 心酔できる、日本文学です。 読後感、シンプルに 「すげーな」です。

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2023/03/29

芥川賞候補作、異例の経歴を持つ作家に興味を持ち読んでみた。 夜の街で生活し、母も昔似たようなことをしていて、でも詩を書く母。そんな母との最後の時間を描く。 鍵を開ける音、ヒールで歩く廊下の男、一方男の家は、音がしないふかふかの廊下、などと比較が上手い。 読んでいるのに情景が浮かん...

芥川賞候補作、異例の経歴を持つ作家に興味を持ち読んでみた。 夜の街で生活し、母も昔似たようなことをしていて、でも詩を書く母。そんな母との最後の時間を描く。 鍵を開ける音、ヒールで歩く廊下の男、一方男の家は、音がしないふかふかの廊下、などと比較が上手い。 読んでいるのに情景が浮かんでくる。 内容的にはなんともいえないが、やはり知的な人の文書なのだろか、途中からは引き込まれて読んでしまった。ただ他の作品を読もうとは思わないかな…

Posted byブクログ

2023/03/28

以前から読んでみたかった作家のデビュー中編を図書館で借りてみた。夜の街・風俗に身を置く登場人物の物語を読むのが好きで、正直言うとそんな理由から手にした。帯に書かれていた文言を評してみると、『歓楽街でホステスをしている「私」に残る過去の傷跡』というのは、まさにその通りのお話で、しか...

以前から読んでみたかった作家のデビュー中編を図書館で借りてみた。夜の街・風俗に身を置く登場人物の物語を読むのが好きで、正直言うとそんな理由から手にした。帯に書かれていた文言を評してみると、『歓楽街でホステスをしている「私」に残る過去の傷跡』というのは、まさにその通りのお話で、しかしその「私」は、だからといって物理的な傷を与えた人物を憎んでいるようには思えず、その対象との距離や抱える思いが全編に綴られている。『若くして命を絶った風俗嬢の友人』の話や『生と死の境界線をつなわたりする女たち』というところにはさほど感情は揺すぶられなかった。もっと言うと、そうかしら?という感じ。でも、直前に作家的な視覚・感覚・感情表現の綴りがまったくないラノベを読んでいたせいか、本作の情景や回想、心の機微の細やかな描写を楽しんで読めた。個人的にはこの表現スタイルは好きだ。ミステリー好きとしてはもう少しでもストーリーに外連味が欲しいところだが、芥川賞を狙う作品はこういう感じなのだろうかと、最近の受賞作に抱いたのと同じような感想に至った。

Posted byブクログ

2023/03/17

読み応えがあるところはある。自暴自棄な感じは痛みが伝わってくる。ただ、肝心の母親との関係はよくわからない。

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2023/03/06
  • ネタバレ

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 このところ、底辺小説ばかり読んでいるなあ。それだけ多くの人が生活そのものに困っているということか。  頭がいい人なのかしらね。くどくど説明するのは苦手というか嫌いなんでしょう。回想が突然はさまってくるから、今人物はどこにいるのか、いつのことなのか、読み返さないとはっきりしない部分がたくさんありました。  母に焼かれた腕の傷を刺青で隠し、夜の街で働く女性。病で見る影もなくやつれ衰えた母との生活。ドアの軋む音が効果的に使われている。  なぜ「ギフテッド」なのか。どんな子供も親にとっては「神様の贈り物」ってこと?まさかね。そういう世間の押し付けへの反抗なのかと思いました。いろいろ議論があるところですね。

Posted byブクログ

2023/02/10

母親から与えられた火傷の跡に娘は刺青を入れ、呪縛から逃げるように家を出る。母親の病をきっかけに娘は母の過去を知ることになり…という話。水商売の話や唐突に自死を選んだ友人の話など、共感ができるポイントは少なかったけど、こんな世界もあるだなと。 鈴木涼美さんご本人に主人公を重ねてしま...

母親から与えられた火傷の跡に娘は刺青を入れ、呪縛から逃げるように家を出る。母親の病をきっかけに娘は母の過去を知ることになり…という話。水商売の話や唐突に自死を選んだ友人の話など、共感ができるポイントは少なかったけど、こんな世界もあるだなと。 鈴木涼美さんご本人に主人公を重ねてしまうのよね

Posted byブクログ