シン・サークルクラッシャー麻紀 の商品レビュー
2024年 42冊目 本のタイトルの通り、サークルクラッシャーである麻紀に翻弄される、文芸好き非モテ青年の人生を描いた一冊。性に関する描写や麻紀との再開シーンはこじらせてる感があって特徴的であったものの、こじらせすぎて内容に少しついていけない場面があった。 これとは別に著者がネッ...
2024年 42冊目 本のタイトルの通り、サークルクラッシャーである麻紀に翻弄される、文芸好き非モテ青年の人生を描いた一冊。性に関する描写や麻紀との再開シーンはこじらせてる感があって特徴的であったものの、こじらせすぎて内容に少しついていけない場面があった。 これとは別に著者がネットで投稿している、「学歴狂の詩」はかなり面白い。
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読者は読みたい本を選ぶ時、何を基準にしてその本を手に取りますか? 私は1ページ目の冒頭の文章で、読みたい本が決まります。 「サークルクラッシャー麻紀の朝は早い」 この本の書き出しに惹かれました。麻紀さんは大学のサークルをどんな風に引っ掻き回すのだろうと。 この作品は、エロ本漫...
読者は読みたい本を選ぶ時、何を基準にしてその本を手に取りますか? 私は1ページ目の冒頭の文章で、読みたい本が決まります。 「サークルクラッシャー麻紀の朝は早い」 この本の書き出しに惹かれました。麻紀さんは大学のサークルをどんな風に引っ掻き回すのだろうと。 この作品は、エロ本漫画のような内容を織り込みながら、小説技法の入れ子構造に仕立て上げた作品です。 文学か?エロ本か? 思案しどころですが、村上春樹氏の作品などもかなり辛辣な性描写をふんだんに使っていても、文学作品としてのカテゴリーにいるわけですから、それは読者が決めればいいと思います。
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美しきサークルクラッシャー麻紀により、非モテ男子部員がことごとく陥落しクラッシュした京大文芸サークル。 かつての部員が新人賞を受賞し作家デビューを果たすのだが、受賞作である『受賞第一作』という作中作が、ほぼ改行の無い長編キテレツ小説であり、まずはこの作中作で頭を悩ますこととなる。...
美しきサークルクラッシャー麻紀により、非モテ男子部員がことごとく陥落しクラッシュした京大文芸サークル。 かつての部員が新人賞を受賞し作家デビューを果たすのだが、受賞作である『受賞第一作』という作中作が、ほぼ改行の無い長編キテレツ小説であり、まずはこの作中作で頭を悩ますこととなる。かつての文芸サークル部長が主人公である本編でも、大学卒業後、就職、結婚とストーリーが展開しており、苦悩の日々が描かれる。 本編も作中作も、とにかくえげつない。そもそもサークルがクラッシュする原因からえげつない。 本来、人には知られたくない心の中の汚い部分をこれでもかとズラズラ並べ立てている。 ラスト近くで、かつてのサークルメンバー3人が集まるのだが、びっくりするくらい爽やかな再会シーンだ。普段はこんなもんなのだ。 欲望や嫉妬を書き連ねてみれば、誰しもえげつなくなるのではないか? カルト作家、佐川恭一の描く小説は下品極まりない。でも、だいたいみんなこんなもんじゃないの?と開き直ることの出来る、活力剤のような作品だった。
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著者の本を初めて読んだ。ブクログで私ごときの感想にいいねして頂いた方の本棚から★5の本を読むようにしている。★5だったのは著者の別の本(清朝時代に…)だが、こちらから読んだ方が良い気がした。 装丁から軽めの本かと思っていたが、なかなかどうして予想外に心に響く話であった。読んでいる...
著者の本を初めて読んだ。ブクログで私ごときの感想にいいねして頂いた方の本棚から★5の本を読むようにしている。★5だったのは著者の別の本(清朝時代に…)だが、こちらから読んだ方が良い気がした。 装丁から軽めの本かと思っていたが、なかなかどうして予想外に心に響く話であった。読んでいると学生時代や勤務先での想い出など次々と蘇り、忘れていたことを思い出したり…。 特に久々に再会した部長と麻紀が飲んでいる場面は良かった。部長への共感が沸く。 私は文学についてちゃんと齧ったこともないのだが、文学を学んだ人であれば、ともしびメンバーへの共感は尽きないのではないだろうか。 まさか序盤のあの展開からは思いもしなかった、しみじみと暖かい読後感を得ることになろうとは!
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佐川恭一好きだなあと思ってたけど、これはあんまりだった。 うーん、自分男だったら絶対主人公みたいな非モテ童貞だし気持ちがわからんわけでもないし、下品なのも全然良いんだけど、やっぱり女の子の見方がちょっと悲しかったのかも。紅一点みたいに尊敬もあって、好きなものの話で純粋に盛り上がれ...
佐川恭一好きだなあと思ってたけど、これはあんまりだった。 うーん、自分男だったら絶対主人公みたいな非モテ童貞だし気持ちがわからんわけでもないし、下品なのも全然良いんだけど、やっぱり女の子の見方がちょっと悲しかったのかも。紅一点みたいに尊敬もあって、好きなものの話で純粋に盛り上がれるなら、オカズにされない美人じゃない女の方になりたい。 創作に対する価値観は好きだった。 それだけってものがある人生やっぱり楽しい。
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なんて本を読んでしまったんだ。 自分の読書経験だと、樋口毅宏や森見登美彦のような要素は感じるんだけど、なんて括ったらいいのかわからない。 ものすごい情報量がとてつもないスピードで過ぎ去っていく。物語の中の物語に句点がなく、主人公の頭の中で連想ゲームのように話や思考がどんどん原型を...
なんて本を読んでしまったんだ。 自分の読書経験だと、樋口毅宏や森見登美彦のような要素は感じるんだけど、なんて括ったらいいのかわからない。 ものすごい情報量がとてつもないスピードで過ぎ去っていく。物語の中の物語に句点がなく、主人公の頭の中で連想ゲームのように話や思考がどんどん原型を忘れるくらいに飛んでいくので、どこで一区切りついて休めば良いかわからなくなり、手が止められなくなる。そして物語の中の現実なのか、物語の中の物語なの境界線がボヤけてきて同一化することにより、さらに頭の中が心地いい混乱を覚えてくる。中毒性が高すぎる。 その特殊な構造と欲望溢れる文章に夢中になり、どんな壮絶な、破滅的な結末を迎えるのかと期待が高まっていたら。いい意味ですっかり裏切られた。 冒頭で切って捨て去られたと思い込んでいた馬鹿みたいな純粋さに帰結していく。愚直なまでにひとつのことを愛する気持ちと挫折だと思い込んでいた日々を糧にして、再び主人公がペンを取るところは、作品の中でずっと軽んじられていたように見えていた熱量を感じた。 そして、サークルクラッシャー麻紀の存在が全く別のものになり物語は始まりに戻っていく。 読んでいる間圧倒されるし疲れるけど、必ずまた読んでみたくなる傑作。
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冒頭のふざけ具合から、お?おふざけ小説か?って思ったけど読み進めるうちに意外に考えさせられるぞ?と感じつつ、なんとも不思議な読後感だった。 登場人物をモチーフにした作中作を挟んでいて、若干読み進めにくさを感じたけど、文句なしに面白かったです。これは自分の問題だけど、壮大なSFを読...
冒頭のふざけ具合から、お?おふざけ小説か?って思ったけど読み進めるうちに意外に考えさせられるぞ?と感じつつ、なんとも不思議な読後感だった。 登場人物をモチーフにした作中作を挟んでいて、若干読み進めにくさを感じたけど、文句なしに面白かったです。これは自分の問題だけど、壮大なSFを読んだ後に読んだせいもあっていい意味で低俗さを強調された。舞台が京大なのも良い。 万人にはオススメしないのが無難。
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2023-01-28 中根すあまちゃんに激推しされて、高い積読を飛び越して読了。 題名からは予想もしなかった、拗らせ文人の右往左往が哀しくもあり楽しくもあり。 著者は否定するかもしれないけど、文学(を含む芸術)に対する信頼と愛情と憎しみが混在してる。 大好きだけど、薦める人は選ば...
2023-01-28 中根すあまちゃんに激推しされて、高い積読を飛び越して読了。 題名からは予想もしなかった、拗らせ文人の右往左往が哀しくもあり楽しくもあり。 著者は否定するかもしれないけど、文学(を含む芸術)に対する信頼と愛情と憎しみが混在してる。 大好きだけど、薦める人は選ばざるを得ない(アドムルコもそうだったけど)
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ロンブー淳さんのラジオで紹介されてて、あまりの褒められっぷりについついポチリ。 なるほどなるほど、確かに確かに。 物を作る人全員読むべき!には全く異論なし
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過去作品の再編集版であるが、これはこれで良くまとまっている。 セクシャルな表現は多いが、例にもれず佐川さんの本らしく精神性を表現たものとなっている。 それも、超現代的な精神性。 古臭さはまったくなく、逆に言えば読者に言い訳を許さないほどの現在進行形の内容。 一旦読んでみましょう。
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