残された人が編む物語 の商品レビュー
図書館の新着コーナーで題名に惹かれて読み始めた「残された人が編む物語」自分から離れてしまった人達、そのきっかけは不慮の出来事だったり、故意的だったり、環境の変化だったり。 その人がもうこの世にいないとわかった時点で少なからずの後悔を感じてしまう。その人がどういう思いを持ってこの...
図書館の新着コーナーで題名に惹かれて読み始めた「残された人が編む物語」自分から離れてしまった人達、そのきっかけは不慮の出来事だったり、故意的だったり、環境の変化だったり。 その人がもうこの世にいないとわかった時点で少なからずの後悔を感じてしまう。その人がどういう思いを持ってこの世を去ったのか、どういう人生を送ってきたのか、知らなかったほうがいい事の方が多いのかもしれない。でも、真実を知らないままであれば、その人との物語は完結しない。尊い物へとはならない。ただの思い出。 今までその人の人生の最後だけをみて、哀しみを感じていたけど、その人の人生に触れる事で尊い物となるんだなと感じた。 人の人生って十人十色。人が生きた一生は敬うべき尊いもの。
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かつて共に暮らしたり身近にいてお互いによく知っていると思っていた誰か。その人がある日行方不明になっていたと知る。 何かのきっかけで疎遠になっていたとして、まさか行方不明になっていたなんて、そしてその結果、身元不明者のまま死亡していたなんて。 自分はあの人の何を知っていたのだろう。いや、その人の人生の何を知っていると思っていたのだろう。 日本では年間7~8万人もの行方不明者があるという。その中で何人が自ら選んで行方不明になっているか、何人がその命を失っているか。 行方不明になった理由を思う、そして疎遠になっていた何年もの時間を悔やむ。もし連絡を取り合っていたら…と。同時に、自分が知っている「その人」の認識が揺らぐこともあるだろう。本当はこういう人だったのか、こんなことを考えていたのか。そしてたどり着く「知らなかった」という思い。 知らない間に逝ってしまったその人の、知らない間の出来事を完全に知ることはできない。悲しみも苦しみも、もしかすると喜びもあっただろう。記憶の網から零れ落ちていくその自分の知らない時間。 けれど、点と点の間を想像で埋めることはできる。きっと、こうだったんだろう、という希望でつなぐことはできる。たとえそれが残されたものにとっての自己満足であったとしても。 その手助けをする「行方不明者捜索協会」という組織のことを初めて知りました。 一人ではたどれなかった暗闇の中で寄り添ってくれる存在。 協会の西山静香さんが彼らに届けたのは単なる「事実」ではない。 彼女自身の背景が本の背のように4つの物語をつなぐ。 残されたものが生きていくために、必要な喪の作業。逝ってしまった人の足跡をたどり、その人の思い出を集め、そしてそれを紡いで物語にする。 自分の中に生き続ける物語。それは新しい明日を迎えるための、糧となる。
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2022/06/25予約 20 突然の失踪。動機は不明。音信は不通。 その人たちを探す民間の行方不明者捜索協会へ依頼する人たち。 行方不明者捜索協会を訪れる依頼人と、そこで働く西山静香。 静香のもとを訪れる人たちの物語。 静香自身の物語。 真実を伝えることだけが、正しい訳では無い、真実でない物語を信じて残された人が生きていくことができるようにすることも、私の仕事、と話す静香。 死人に口無しを逆に捉える感じかな… 自分自身に、このような体験がないので、想像でしかないが、失踪動機を知りたいのかな、知られたくないから失踪、行方不明になったのでは、とも思う。 なんとも、私は、違和感というか、落ち着かない気分になった。
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