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残された人が編む物語 の商品レビュー

3.6

43件のお客様レビュー

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2022/08/17

疎遠になった人を捜索したら亡くなっていた。 亡くなった人のその後の人生はどうだったか? 思い出し辿っていくことも、弔いだ。 第5話行方不明協会の西山さんは捨てられたという思いから心に蓋をしていたが、周囲の人の優しさを思い起こすことが出来た。 「真実なんて誰にもわからないんだよ。...

疎遠になった人を捜索したら亡くなっていた。 亡くなった人のその後の人生はどうだったか? 思い出し辿っていくことも、弔いだ。 第5話行方不明協会の西山さんは捨てられたという思いから心に蓋をしていたが、周囲の人の優しさを思い起こすことが出来た。 「真実なんて誰にもわからないんだよ。だったら好きな物語を、大切にしていけばいいじゃないか。」

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2022/08/16

家族も何もかも捨てて、一人で遠くに行きたい。戻れなくて構わない。と、思い立つ事は何度かあった。実行はしなかったが。 そんな性格もあってか、この本を日経の書評で知った時に是非とも読みたいと思った。 つまらなくはなかったが、少し、期待しすぎたのかもしれない。文体、シチュエーションなど...

家族も何もかも捨てて、一人で遠くに行きたい。戻れなくて構わない。と、思い立つ事は何度かあった。実行はしなかったが。 そんな性格もあってか、この本を日経の書評で知った時に是非とも読みたいと思った。 つまらなくはなかったが、少し、期待しすぎたのかもしれない。文体、シチュエーションなどなど、細かい違和感が重なり、物語に深く入り込めるほどではなかった。 作家との相性が良くなかったのかな。

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2022/08/07

大切な人が突然亡くなったことを知った時に大事なのは残された人がその死を受け入れることが出来るかどうか。そのたむには物語が必要だ。その物語は真実でなくてもいい、残された人がその後の世界を生きていけるように。例え嘘でも生きる希望に、自分を取り戻すパワーになるのかもしれないのだから。 ...

大切な人が突然亡くなったことを知った時に大事なのは残された人がその死を受け入れることが出来るかどうか。そのたむには物語が必要だ。その物語は真実でなくてもいい、残された人がその後の世界を生きていけるように。例え嘘でも生きる希望に、自分を取り戻すパワーになるのかもしれないのだから。 ただ、ぶつぶつと切れるような文体はなんというか私には合わなかった。

Posted byブクログ

2022/08/02

突然いなくなってしまった人。連絡を取ろうとしたら行方がわからなくなっていた人。どうしていなくなったのか。その理由やその人の知らなかった日々を探す。悲しい結末が待っていてもその人が生きた日々を知ることで受け入れていくことが出来たり前に進もうと思えたり。人を知ることや、自分で想像する...

突然いなくなってしまった人。連絡を取ろうとしたら行方がわからなくなっていた人。どうしていなくなったのか。その理由やその人の知らなかった日々を探す。悲しい結末が待っていてもその人が生きた日々を知ることで受け入れていくことが出来たり前に進もうと思えたり。人を知ることや、自分で想像することで救われもする。悲しく寂しい物語だけれどちゃんと光があってその人に対する後悔や負の感情を肯定してくれるようなものがある。とても静かな連作集だけど人を想う強い気持ちが溢れている。

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2022/07/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

兄弟、友人、配偶者、上司、親...もし身近な人が失踪したらどうしよう?本作は失踪者を追う5話のケースが書かれているが、特筆すべきはどの話も失踪者は死亡していたという事。どこかで人生をやり直していた、なんてケースはゼロ。かなり現実的だ。はじめの2話くらいは実直すぎる展開ゆえか「ふーん...」という感想であまりそそられなかったが、読後はじわじわ沁みる思いが押し寄せる。作中では「どのようにして亡くなったかの事実がすべてではない。物語を作って供養する」とある。そんな静かな優しさがにじむストーリーとなっている。

Posted byブクログ

2022/07/18

失踪者を探しだし依頼者をサポートする「行方不明者捜索協会」。そこで働く西山静香を軸に失踪者5人の物語が展開される。残された人の悲しみが苦しかった。静香の心からの笑顔が訪れますように…

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2022/07/06

行方不明者の捜索を請け負う団体に舞い込む依頼がそれぞれ短編になっている。 残念ながら全ての行方不明者は亡くなっている事が判明するのだけど、そこからその人が亡くなる前までにどういう人生を過ごしてきたのかを辿って行く。 淡々と静かに進む話の中で、読むと心に広がる小さな幸せ。 何気なく...

行方不明者の捜索を請け負う団体に舞い込む依頼がそれぞれ短編になっている。 残念ながら全ての行方不明者は亡くなっている事が判明するのだけど、そこからその人が亡くなる前までにどういう人生を過ごしてきたのかを辿って行く。 淡々と静かに進む話の中で、読むと心に広がる小さな幸せ。 何気なく過ごしている毎日の尊さ。 これは凄くいい本だった。

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2022/07/05

行方不明捜索協会は、警察の捜索とは違う民間企業で行方不明の方を主にネットやSNSを使って情報を集めたり調べたりする。 生きているのかどうかは、念のために遺体で発見された身元不明情報が掲載されている警察のホームページをチェックすることが先決である。 突然消えた人の人生には、なんら...

行方不明捜索協会は、警察の捜索とは違う民間企業で行方不明の方を主にネットやSNSを使って情報を集めたり調べたりする。 生きているのかどうかは、念のために遺体で発見された身元不明情報が掲載されている警察のホームページをチェックすることが先決である。 突然消えた人の人生には、なんらかの事情がある。 知っている時の記憶を思い出して、遡ってみるが 失踪してからの期間がかなりあるとその間の失踪人たちの事情が違って見えてくる。 ここには、それぞれ5つの物語がある。 弟や大学の同級生や夫や社長、そして実母とすべて亡くなっていたのだが、いちばん心に深く残ったのは、第一話の「弟と詩集」である。 ずっと疎遠だった弟の人生を知ることにより、いつも誰かのことを考えて親切にしてたと聞かされるだけでも安心するものである。 寂しかった人生だったのかも知れない… だが、弟のことを嫌わずにずっと思っていけるのではとそして今の生活に丁寧に向き合えるのだと感じられた。 動機不明で音信不通の中、失踪者を知る人たちから自分の知らない失踪者の人生を見る。 それがとても辛いものであっても知ることで、思いだして記憶に残すことは、大切なんじゃないかと思った。

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2022/07/03

自殺や行き倒れで発見された身元不明の遺体はどうなるのか。家族や友人などが行方不明となったときはどのように探せばいいのか。この2つの問題を組み合わせ、死者の姿と残された人の思いを浮き彫りにする連作短篇集。5篇の物語が収録されている。「行方不明者捜索協会」に勤める西山静香が、キーパー...

自殺や行き倒れで発見された身元不明の遺体はどうなるのか。家族や友人などが行方不明となったときはどのように探せばいいのか。この2つの問題を組み合わせ、死者の姿と残された人の思いを浮き彫りにする連作短篇集。5篇の物語が収録されている。「行方不明者捜索協会」に勤める西山静香が、キーパーソンとしてすべての作品に登場する。 誰にも気づかれず死んでいった人達を探す理由と、死と向き合いながら故人の生前の様子を知ろうとする姿に共感した。それが知りたかった真実ではなかったとしても、受け入れることで何かが変わるのかもしれない。 本作に登場する「行方不明者捜索協会」は架空の民間企業(たぶん)だが、実際に同じような活動を行っている特定非営利活動(NPO)法人「日本行方不明者捜索・地域安全支援協会」があることを初めて知った。

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2022/07/01

「弟と詩集」「ヘビメタバンド」「最高のデート」「社長の背中」「幼き日の母」の五編。 アンガーマネジメントが出来ない弟、同性愛者のバンド仲間、優しかった夫、ポンと300万円を貸してくれた前の会社の女性社長、婚家と合わず家出した母。そうした行方不明者を探す依頼人とそれを支援する「行方...

「弟と詩集」「ヘビメタバンド」「最高のデート」「社長の背中」「幼き日の母」の五編。 アンガーマネジメントが出来ない弟、同性愛者のバンド仲間、優しかった夫、ポンと300万円を貸してくれた前の会社の女性社長、婚家と合わず家出した母。そうした行方不明者を探す依頼人とそれを支援する「行方不明者捜索協会」の西山静香。 結局みんな亡くなっているのですが、話の中心はその後で、最後に至る過程を追跡して行く物語です。 死んだ人の為の真実では無く、残された者達が生きて行く為に亡くなった人の最後の物語を再構築する。その考え方は良いのですが、 物語の手触りがあんまり良くないのです。木工品に例えれば削り残した毛羽が有ったり、違う素材の木で継いであったり、そんな感じです。素材は面白いのでもう少し練り込めばと残念な気がします。

Posted byブクログ