残された人が編む物語 の商品レビュー
突然の失踪 動機は不明 音信不通 警察に届けてはみるが、大人の場合事件性がないと捜索はしてもらえない。 探偵事務所に頼む他にもいろいろな方法があるらしい事を作品で知りました。 行方不明者捜索協会(作中では)に訪れる依頼人を サポートする女性・静香さんが冷静にサポートして 発見に...
突然の失踪 動機は不明 音信不通 警察に届けてはみるが、大人の場合事件性がないと捜索はしてもらえない。 探偵事務所に頼む他にもいろいろな方法があるらしい事を作品で知りました。 行方不明者捜索協会(作中では)に訪れる依頼人を サポートする女性・静香さんが冷静にサポートして 発見に尽力してくれます。 短編5話はどれも辛い話でした(*_*) けれど見つからないままでは先に進む事ができない 失踪理由はさまざま、亡くなった理由も… 失踪してから亡くなるまでの物語 悲しい話だけど一歩前に進む希望のある結末です。 最終話はサポート静香さんのお話 静香さんがまた笑える日も近いといいな(^ ^)
Posted by
テーマとしてはよく考えられている。失踪して亡くなった人の行動や思いをヒアリングしながら明らかにしていく。その遺族の気持ちを描く。 でも読んでいて希望のない重たい気持ちになってくる。結局5話中3話目の途中で挫折しました。
Posted by
どれも何とも哀しい物語で読んでて辛くなる場面もあったが、各編の主人公たちはそれでも前を向いて進もうとする想いに引き込まれた。この著者の作品は初めて読んだが、他の作品も読みたくなった。
Posted by
「弟と詩集」「ヘビメタバンド」「最高のデート」「社長の背中」「幼き日の母」 5話収録の連作短編集。 行方不明者捜索協会で働く西山静香と、そこを訪れた依頼者が失踪者の足跡を辿り亡者の人生の物語を編んでいく。 関係者を訪ね歩く中で見えて来るのは良い事ばかりではない。 亡くなった後...
「弟と詩集」「ヘビメタバンド」「最高のデート」「社長の背中」「幼き日の母」 5話収録の連作短編集。 行方不明者捜索協会で働く西山静香と、そこを訪れた依頼者が失踪者の足跡を辿り亡者の人生の物語を編んでいく。 関係者を訪ね歩く中で見えて来るのは良い事ばかりではない。 亡くなった後で知る深い愛情もあれば、家族に隠していたドス黒い本性まで色々だ。 動機も分からぬままの突然の失踪で取り残されていた人達。 真実を知る事できっと彼らは前へと歩み出せるはず。 最終話で綴られる西山静香自身の人生も胸に沁みた。 涙腺が緩む喪失と再生の物語。
Posted by
いなくなった人に想いを馳せる生きている人の為のお話だと思った。誰かを亡くした人にとってはこういう風に解釈してもいいんだよと寄り添ってくれるような優しい良い本だった。
Posted by
失踪、亡くなった人の人生を辿ることで自分や故人の来し方を思い、前向きに生きて行こうとする姿が感動的でした。「行方不明者捜索協会」は心のサポートも行ってくれるのですね。
Posted by
その名前の通り、依頼を受けて行方不明者を探す「行方不明者捜索協会」に勤める西山静香が主人公の連作短編集。 失踪の理由は哀しいものだが、どの話も上手くまとめてある。最後は主人公自身の話で締めくくられている。
Posted by
家族、友人、別れた配偶者、前の会社の上司。その気になればいつでもつながれると思っていた暫く離れている人が亡くなっていることが判ったら…。5つの短編はそこから始まります。「行方不明者捜索協会」の業務は行方不明者の捜索が終了すると一旦終わりますが、突然残されてしまった人のために亡くな...
家族、友人、別れた配偶者、前の会社の上司。その気になればいつでもつながれると思っていた暫く離れている人が亡くなっていることが判ったら…。5つの短編はそこから始まります。「行方不明者捜索協会」の業務は行方不明者の捜索が終了すると一旦終わりますが、突然残されてしまった人のために亡くなった人が最期にどんな暮らしをしていたかを知るための手伝いをするサービスが付帯しています。5編ともそのサービスを通じて残された人が亡くなった人を再認識する、そしてその過程で亡くなった人に対する自分の気持ちを再発見する物語です。5編目は「行方不明者捜索協会」のベテラン担当員、西山静香の母親のエピソード。よく笑う少女だった彼女がなぜ笑わない寂しげな大人になったのかが失踪した(と思われた)母親の最後を辿ることで明らかになります。各編とも読後に静かな感動がわきあがる佳作だと思います。
Posted by
あの人どうしているかなと思って探したら既に亡くなっていた。どうして亡くなったのか。生前何を考えていたのか。故人を知るために動き出す人たちの話。 亡くなった人は確かに美化される部分もある。綺麗な思い出だけ覚えておきたい気持ちは分かる。逆に真実を知ることがそんなに重要なのかと疑問に...
あの人どうしているかなと思って探したら既に亡くなっていた。どうして亡くなったのか。生前何を考えていたのか。故人を知るために動き出す人たちの話。 亡くなった人は確かに美化される部分もある。綺麗な思い出だけ覚えておきたい気持ちは分かる。逆に真実を知ることがそんなに重要なのかと疑問に思えてくる。 短編のひとつに、失踪した夫が実は腹の中では妻を見下していたり後輩の手柄を横取りしたりしていたことが分かる話がある。 まさに知らない方が幸せだったと言えよう。 自分に都合の良い解釈をしたって良いのだ。死者はもう何も語らない。 死者の物語が時として生者の励みにもなり得るのであれば、事実をねじ曲げて解釈することも私は歓迎だ。
Posted by
突然、失踪した家族、友人、恩人が 身元不明の死者として見つかったら すぐには受け入れられず なぜ?どうして?と 自分自身を責めたり、悔やんだり 他の誰かを恨んだりするかもしれない。 それまで知らなかったその人の一生を 辿って見つめ直すことで 身近な人の死に対してやっと 気持ちを整...
突然、失踪した家族、友人、恩人が 身元不明の死者として見つかったら すぐには受け入れられず なぜ?どうして?と 自分自身を責めたり、悔やんだり 他の誰かを恨んだりするかもしれない。 それまで知らなかったその人の一生を 辿って見つめ直すことで 身近な人の死に対してやっと 気持ちを整えることができるように思う。 そして残された者としてまた再生される。
Posted by