広重ぶるう の商品レビュー
初めての作家さん。タイムラインに流れてきた感想を読み、先日たまたま観たドラマの原作本だと気づいて本棚登録。 ドラマでは「広重ぶるう」によく焦点が当てられていたが、本作では必ずしもそこにのみ強い想い入れがある描かれ方ではなく、才ある絵師がしのぎを削る江戸末期に、苦しみながら自分の道...
初めての作家さん。タイムラインに流れてきた感想を読み、先日たまたま観たドラマの原作本だと気づいて本棚登録。 ドラマでは「広重ぶるう」によく焦点が当てられていたが、本作では必ずしもそこにのみ強い想い入れがある描かれ方ではなく、才ある絵師がしのぎを削る江戸末期に、苦しみながら自分の道を模索していく安藤広重(重右衛門)の半生が、やや乾いた筆致で辿られていた。 先に映像を観ていたので、どうしても俳優さんの姿が重なってしまったが、違和感なく読み進められたのは幸いだった。
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内容は良い! 文庫の字が薄くて単行本を買ったんだけど、文庫で修正が入ってることに気づいた。文庫化で修正したなら文庫本の最後に「文庫化にあたり加筆・修正しました」って書いてあると思ってて、文庫を買う目安にしていたのだけど、新潮文庫は書いてないのかな?
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梶よう子さん著「広重ぶるう」初読みの作家さん。本年1月にドラマ化されておりそのドラマが面白かった為原作も読んでみた。 ドラマを観ていたためイメージが持っていかれてしまいどうしても広重は阿部サダヲさん、女房の加代は優香さんで読み進めてしまう。 この二人の夫婦役のキャストがドラマで...
梶よう子さん著「広重ぶるう」初読みの作家さん。本年1月にドラマ化されておりそのドラマが面白かった為原作も読んでみた。 ドラマを観ていたためイメージが持っていかれてしまいどうしても広重は阿部サダヲさん、女房の加代は優香さんで読み進めてしまう。 この二人の夫婦役のキャストがドラマでは絶妙で特に優香さんのキャスティングは最高のはまり役だったと思っている。 物語は浮世絵師歌川広重の半生が描かれている。広重の根っからの江戸っ子特有の人情味溢れる親しみ易さと絵に込める情熱が伝わってくる。それを支える女房、版元、師匠、身内、弟子達。広重が出世と共に重宝したベロ藍(広重ブルー)の経緯等も描かれおり、また「東海道五十三次」や「名所江戸百景」等のシリーズ物(連作)がどういった経緯状況で描かれていたのかも分かり非常に面白い作品だった。葛飾北斎が彼ら歌川一派からみてどういう存在だったのかも描写されておりその相関性も面白かった。そして何より広重と加代の夫婦間の幾つものエピソードが凄く感動的だった。 自分も浮世絵だけではないが美術品(特に仏像)や重要文化財、国宝等々を観るのが好きで結構な頻度で美術館や博物館に足を運んでいる。 5年位前だったと思うが原宿の太田記念美術館にて広重没後160年に合わせて催された名所江戸百景、全120図を前期後期とも観に行った。他にも手帳のような紙に下書きしたような下絵も展示されており凄く楽しめる催事だった。その事も思い出しながら今作品を読んでいた。 調べてみたら本年10月よりその太田記念美術館にて「広重ブルー」と銘打たれた特別展が催されるとの事。 まだ先の事なのでどうなるか分からないが、できれば今回も前期後期の2回観に行ければと今の段階では思っている。本作品を読んだ後で広重作品をみたらどういう風な別の感覚で観れるのか?楽しみにしている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本て、残り1/3あたりになると、どう終わるのかソワソワしてしまうが、残り1/3は涙腺が緩みがちでした。ちょっと歴史を思い出せば何が起きるかわかるのに。 読んでいる最中、たまたま国立近代美術館から東京駅まで歩くことがあったが、この時代に思いを馳せながら歩いていた。 途中で消防車が走り抜けても、今はそのまま歩みを止めずにいられる時代だけど、一大事で命懸けだった時代があったんだなーと今更ながら思うなどした。 最後に、会いたい人たちに会えてよかった。体がブルブル震えた、ぶるうなだけに
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着物や簪を質屋に預けて金を工面する加代の苦労が身に染みる…そして義弟の借金返済のために描いたワ印をクソミソに版元たちに言われる広重w
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歌川広重の生涯を描く。 北斎推しだったが、広重にも興味を持った。 作品を観に行きたいと思う。 面白かった。
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面白かった! 広重の生涯を一気読み。 江戸っ子たちの会話も小気味良いし、ホロリとさせる。広重の生き様はカッコいいけど奥さんは大変。加代さんの献身には逆にひく。そこまでしなくても、、、。 大好きな江戸の町を描いてからのラストは洒落てる〜! BS4Kでドラマ化されるとのことで、駆け...
面白かった! 広重の生涯を一気読み。 江戸っ子たちの会話も小気味良いし、ホロリとさせる。広重の生き様はカッコいいけど奥さんは大変。加代さんの献身には逆にひく。そこまでしなくても、、、。 大好きな江戸の町を描いてからのラストは洒落てる〜! BS4Kでドラマ化されるとのことで、駆け込みでなんとか読み終わった!蔦屋も登場するので、来年の大河の前に地上波でも放送されるのでは? はじめての梶よう子さん。他の作品もぜひ読みたい。
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浮世絵師、歌川広重の生涯を描いた物語 広重の代表作「東海道五十三次」は私も好きな作品のひとつ この時代は歌川豊国と葛飾北斎という二大巨頭がいたから 他の絵師は霞んでしまっていたが そんな中でも頭角を表した1人が広重だった 実際の広重がどんな人だったのかは知らないが この物語の広重...
浮世絵師、歌川広重の生涯を描いた物語 広重の代表作「東海道五十三次」は私も好きな作品のひとつ この時代は歌川豊国と葛飾北斎という二大巨頭がいたから 他の絵師は霞んでしまっていたが そんな中でも頭角を表した1人が広重だった 実際の広重がどんな人だったのかは知らないが この物語の広重はやんちゃな江戸っ子というイメージ 絵を描くこと 朝湯 酒 それが広重の好きなこと いつでも豊国と北斎に追いつけない焦燥 ベロ藍との出会い そして人生の最後は湯屋で 死出の旅時に向かう この作家の作品初めて読んだけど 実に粋に締めくくってくれました
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大好きな梶さんの作品。 進むべき道を迷っている自分には響いた。 やりたいことより、やるべきことが、人にはある。 そしてそれは周りの人が気づいている。 人との繋がりも素敵。お世話になった人に感謝したくなった。
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江戸の風景が大好きで、貧富の差なく、老若男女どんな人にも観て喜んでもらいたいと描いた『名所江戸百景』や、『東海道五十三次』で有名な浮世絵師・歌川広重が主人公。 本作を読んでいる間に訪れた「大阪浮世絵美術館」で広重の浮世絵を鑑賞し、今までは永谷園の商品に入ってるカードの絵の人だなぁ...
江戸の風景が大好きで、貧富の差なく、老若男女どんな人にも観て喜んでもらいたいと描いた『名所江戸百景』や、『東海道五十三次』で有名な浮世絵師・歌川広重が主人公。 本作を読んでいる間に訪れた「大阪浮世絵美術館」で広重の浮世絵を鑑賞し、今までは永谷園の商品に入ってるカードの絵の人だなぁくらいにしか思ってなかったけど、広重の絵に込めた想いなどを知ってから観ると、とても感慨深いものがありました。 西欧から入って来た「ベロ藍」と呼ばれた青色絵具を使い、ぼかしの技術を駆使した空や海のグラデーションの素晴らしさはもちろん、雪模様を空摺した娘のお辰が一番好きと言った雪の浅草寺の画をいつか観てみたいです。
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