広重ぶるう の商品レビュー
江戸っ子だね❢❢ (本文より) 重右衛門は、掛軸を手にしたまま、がっくりと膝を落とした。 おれは、どこまでうつけだったのか。 おれの筆は、師匠の筆と同じだ。師匠の画風をおれはしっかり受け継いでいた。 なにが師匠を超えた、だ。歌川豊広はとっくに人の胸を打つ風景を...
江戸っ子だね❢❢ (本文より) 重右衛門は、掛軸を手にしたまま、がっくりと膝を落とした。 おれは、どこまでうつけだったのか。 おれの筆は、師匠の筆と同じだ。師匠の画風をおれはしっかり受け継いでいた。 なにが師匠を超えた、だ。歌川豊広はとっくに人の胸を打つ風景を描いていたのだ。 それを喜三郎は教えたかったのだ。 美人画と役者絵にこだわって、意地を張っていた頃に、こいつを見せられたところでなにも感じなかっただろう。 それを師匠はわかっていて、喜三郎に託したのだ。 加代がこれを広げて、喜三郎の思いがわかったって? 寄ってたかって、おれをコケにしやがって。 穏やかな豊広の顔が、加代の柔らかな笑顔が、脳裏に浮かぶ。 おれは独りじゃなかった。師匠がいて、加代がいて、喜三郎がいた。けれど、気づいたときに残っていたのが喜三郎だけだった。 掛け軸を脚に載せて、両手で顔を覆った。さんざん泣いたはずた。まだ、泣くつもりか。涙はつきねえもんなのか。
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歌川広重の生涯が描かれています。 広重の名所絵は、大胆な構図でありながら緻密に計算された情景が胸に染み入ります。 どこを切り取り、何に筆意を込めるか、 そのために不要なものは取り除く。 季節と天候の組み合わせで動と静を描きだす。 風と雨は、画に動きを出し、月と雪は静けさを出...
歌川広重の生涯が描かれています。 広重の名所絵は、大胆な構図でありながら緻密に計算された情景が胸に染み入ります。 どこを切り取り、何に筆意を込めるか、 そのために不要なものは取り除く。 季節と天候の組み合わせで動と静を描きだす。 風と雨は、画に動きを出し、月と雪は静けさを出す。 この本では、画に込められた思いが、文章で色濃く表現されています。
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初めての作家さん。タイムラインに流れてきた感想を読み、先日たまたま観たドラマの原作本だと気づいて本棚登録。 ドラマでは「広重ぶるう」によく焦点が当てられていたが、本作では必ずしもそこにのみ強い想い入れがある描かれ方ではなく、才ある絵師がしのぎを削る江戸末期に、苦しみながら自分の道...
初めての作家さん。タイムラインに流れてきた感想を読み、先日たまたま観たドラマの原作本だと気づいて本棚登録。 ドラマでは「広重ぶるう」によく焦点が当てられていたが、本作では必ずしもそこにのみ強い想い入れがある描かれ方ではなく、才ある絵師がしのぎを削る江戸末期に、苦しみながら自分の道を模索していく安藤広重(重右衛門)の半生が、やや乾いた筆致で辿られていた。 先に映像を観ていたので、どうしても俳優さんの姿が重なってしまったが、違和感なく読み進められたのは幸いだった。
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梶よう子さん著「広重ぶるう」初読みの作家さん。本年1月にドラマ化されておりそのドラマが面白かった為原作も読んでみた。 ドラマを観ていたためイメージが持っていかれてしまいどうしても広重は阿部サダヲさん、女房の加代は優香さんで読み進めてしまう。 この二人の夫婦役のキャストがドラマで...
梶よう子さん著「広重ぶるう」初読みの作家さん。本年1月にドラマ化されておりそのドラマが面白かった為原作も読んでみた。 ドラマを観ていたためイメージが持っていかれてしまいどうしても広重は阿部サダヲさん、女房の加代は優香さんで読み進めてしまう。 この二人の夫婦役のキャストがドラマでは絶妙で特に優香さんのキャスティングは最高のはまり役だったと思っている。 物語は浮世絵師歌川広重の半生が描かれている。広重の根っからの江戸っ子特有の人情味溢れる親しみ易さと絵に込める情熱が伝わってくる。それを支える女房、版元、師匠、身内、弟子達。広重が出世と共に重宝したベロ藍(広重ブルー)の経緯等も描かれおり、また「東海道五十三次」や「名所江戸百景」等のシリーズ物(連作)がどういった経緯状況で描かれていたのかも分かり非常に面白い作品だった。葛飾北斎が彼ら歌川一派からみてどういう存在だったのかも描写されておりその相関性も面白かった。そして何より広重と加代の夫婦間の幾つものエピソードが凄く感動的だった。 自分も浮世絵だけではないが美術品(特に仏像)や重要文化財、国宝等々を観るのが好きで結構な頻度で美術館や博物館に足を運んでいる。 5年位前だったと思うが原宿の太田記念美術館にて広重没後160年に合わせて催された名所江戸百景、全120図を前期後期とも観に行った。他にも手帳のような紙に下書きしたような下絵も展示されており凄く楽しめる催事だった。その事も思い出しながら今作品を読んでいた。 調べてみたら本年10月よりその太田記念美術館にて「広重ブルー」と銘打たれた特別展が催されるとの事。 まだ先の事なのでどうなるか分からないが、できれば今回も前期後期の2回観に行ければと今の段階では思っている。本作品を読んだ後で広重作品をみたらどういう風な別の感覚で観れるのか?楽しみにしている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本て、残り1/3あたりになると、どう終わるのかソワソワしてしまうが、残り1/3は涙腺が緩みがちでした。ちょっと歴史を思い出せば何が起きるかわかるのに。 読んでいる最中、たまたま国立近代美術館から東京駅まで歩くことがあったが、この時代に思いを馳せながら歩いていた。 途中で消防車が走り抜けても、今はそのまま歩みを止めずにいられる時代だけど、一大事で命懸けだった時代があったんだなーと今更ながら思うなどした。 最後に、会いたい人たちに会えてよかった。体がブルブル震えた、ぶるうなだけに
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着物や簪を質屋に預けて金を工面する加代の苦労が身に染みる…そして義弟の借金返済のために描いたワ印をクソミソに版元たちに言われる広重w
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歌川広重の生涯を描く。 北斎推しだったが、広重にも興味を持った。 作品を観に行きたいと思う。 面白かった。
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面白かった! 広重の生涯を一気読み。 江戸っ子たちの会話も小気味良いし、ホロリとさせる。広重の生き様はカッコいいけど奥さんは大変。加代さんの献身には逆にひく。そこまでしなくても、、、。 大好きな江戸の町を描いてからのラストは洒落てる〜! BS4Kでドラマ化されるとのことで、駆け...
面白かった! 広重の生涯を一気読み。 江戸っ子たちの会話も小気味良いし、ホロリとさせる。広重の生き様はカッコいいけど奥さんは大変。加代さんの献身には逆にひく。そこまでしなくても、、、。 大好きな江戸の町を描いてからのラストは洒落てる〜! BS4Kでドラマ化されるとのことで、駆け込みでなんとか読み終わった!蔦屋も登場するので、来年の大河の前に地上波でも放送されるのでは? はじめての梶よう子さん。他の作品もぜひ読みたい。
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浮世絵師、歌川広重の生涯を描いた物語 広重の代表作「東海道五十三次」は私も好きな作品のひとつ この時代は歌川豊国と葛飾北斎という二大巨頭がいたから 他の絵師は霞んでしまっていたが そんな中でも頭角を表した1人が広重だった 実際の広重がどんな人だったのかは知らないが この物語の広重...
浮世絵師、歌川広重の生涯を描いた物語 広重の代表作「東海道五十三次」は私も好きな作品のひとつ この時代は歌川豊国と葛飾北斎という二大巨頭がいたから 他の絵師は霞んでしまっていたが そんな中でも頭角を表した1人が広重だった 実際の広重がどんな人だったのかは知らないが この物語の広重はやんちゃな江戸っ子というイメージ 絵を描くこと 朝湯 酒 それが広重の好きなこと いつでも豊国と北斎に追いつけない焦燥 ベロ藍との出会い そして人生の最後は湯屋で 死出の旅時に向かう この作家の作品初めて読んだけど 実に粋に締めくくってくれました
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大好きな梶さんの作品。 進むべき道を迷っている自分には響いた。 やりたいことより、やるべきことが、人にはある。 そしてそれは周りの人が気づいている。 人との繋がりも素敵。お世話になった人に感謝したくなった。
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