ウェルカム・ホーム! の商品レビュー
エンタメ要素を持ちながら高齢者施設の介護の世界を垣間見る。 真面目に読まなくてよいのか心配になるくらい軽いタッチで覗かせてくれる。 この本を読んだ後は、自然と介護の世界にアンテナが立ちました!手に取った方は迷わずページをおめくりください!
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特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めた大森康介が、利用者さんや同僚との日々のなかで成長していく。読み進めると日々の煩雑さと気くばりの連続で介護の仕事に関わる方には頭が下がる思いになる。そして施設で暮らす高齢者が家族にあまり会えない寂しさを抱え、体は思うようにならないという暮...
特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めた大森康介が、利用者さんや同僚との日々のなかで成長していく。読み進めると日々の煩雑さと気くばりの連続で介護の仕事に関わる方には頭が下がる思いになる。そして施設で暮らす高齢者が家族にあまり会えない寂しさを抱え、体は思うようにならないという暮らしに思いを寄せることができた。いずれは皆、高齢者になることを忘れてはいけないと思った。
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前から読みたかった一冊。 ホームのリアルな描写は、作者ご自身の体験ならでは。かな。 メッセージのようなものも伝わってきて、色々考えさせられました。 東日本大震災は、決して東北だけの話ではないんだなぁと思ったりもしました。
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私自身が従来特養に務めている この物語は従来特養を舞台にしているため、めっちゃ共感する 認知症や夜勤コール、お看取りや家族の反応など、現場の空気感が本当に現場そのままだ 介護現場の現実が良く描かれてる 『臭い』の問題 最初の課題だけれどこれは本当に…慣れる! 病院と同様に施設も...
私自身が従来特養に務めている この物語は従来特養を舞台にしているため、めっちゃ共感する 認知症や夜勤コール、お看取りや家族の反応など、現場の空気感が本当に現場そのままだ 介護現場の現実が良く描かれてる 『臭い』の問題 最初の課題だけれどこれは本当に…慣れる! 病院と同様に施設も独特の臭いがある 特に特養などは便失禁(漏らしてしまうこと)が多いため便の臭いなどは多い 最初の頃は鼻の中に臭いが残ったものだ 便の臭いで誰の排便か分かると書かれているが、これも当たってる! これ…すごく分かる 認知症って本当に不思議な病気 ふとした時に過去のことを思い出したりされる 家族が分からない訳ではなく、大人になった子供たちだから分からないんですよね あと認知症だからって覚えられない訳じゃなくて、自分の食事の席や居室はちゃんと覚えてる 本で描かれてるのは認知症の中でも本の一部だけ 同じような症状の人はいないから、日々勉強をさせてもらってるんだ 介護って、なんとなーく始めるには厳しい世界だと思う 理不尽なことも多いし労働も大変だし 向き不向きはある仕事だと思う けれど、ハマれば凄くやり甲斐を見い出せる仕事ではあると思うんだ でもやはり、描かれている通り課題の多い仕事でもあると思う 職員不足や拘束ギリギリなこと、食事や排泄 本当は個別ケアが理想的で、一人一人のタイミングに合わせた起床や食事や排泄のタイミングで対応してあげたい けれども、正直今の現状では厳しいのが現実だ 私自身、対応が疎かになってしまったり、忙しい中頑張ってるのに苦情が来たりしてつい、強い口調で声掛けしてしまう 人手不足しから業務都合の関わりになってしまうが、改めてご利用者目線に立つ大切さを思い出す 彼のように、ご利用者様から学ぶ姿勢で仕事をしたいな
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こんなに泣かされるなんて思いも寄らなかった。 第四話『別れのワルツ』で主人公と一緒に号泣。 ようやく落ち着いたのに最終話で再び涙。 舞台は特別養護老人ホーム。 「とりあえずの職場」として働き出した康介が、介護の世界の奥深さに触れ、成長していくたびに何とも言いがたい幸せな気持ち...
こんなに泣かされるなんて思いも寄らなかった。 第四話『別れのワルツ』で主人公と一緒に号泣。 ようやく落ち着いたのに最終話で再び涙。 舞台は特別養護老人ホーム。 「とりあえずの職場」として働き出した康介が、介護の世界の奥深さに触れ、成長していくたびに何とも言いがたい幸せな気持ちになる。 介護士の苦労も描かれているが介護される側の人々にスポットが当てられているのが良い。 病で上手く言葉を発せない人、要望があっても介護士に遠慮して飲み込む人。 要介護者の心の内面を想い胸が詰まる。 人間の尊厳を尊重した心ある介護が胸を打つ一冊。
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今までの丸山さんの作品とはイメージが少し違って、 ハードルが低い、門戸が広いという感じです。 描いている内容は軽くないけどタッチが軽めで 康介が少しずつ成長していくお仕事小説のよう。 これは続編(シリーズ?)がまた読めそうな予感。 (その後が気になる人もいるし)
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【収録作品】ウェルカム・ホーム/真夜中の行進曲/立派なお仕事/別れのワルツ/揺れる康介/とりあえずのトリアージ/パニック・イン・三〇五 腰掛けのつもりで始めた新人介護士の康介の視点で、介護施設の日々を描く。 職員さんたちにはほんとうに頭が下がる。
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何度か派遣切りあった後、介護職員研修を受けて、特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めた康介が、くじけそうになりながらも1人前の介護士へと成長する様子を描いたストーリー。 人手不足で効率重視になりがちなホームでのケアのやり方が描かれていて、現実の世界でもこういうところが多いと思うと心が痛むが、初めは卑屈になりがちだった康介が、入居者の気持ちを理解し、彼らのためを思って動けるようになっていく様子を読んで、少しホッとした。 また、依田さんが籠城、立て籠りをしてホーム側に要求したことは、食事の質の改善、昼間はカーテンを開けておく、オムツは必要な時に随時交換するなど、一見些細ながら、入居者にとっては日々の生活そのもの。 自分の意思とは関係なくホームで余生を過ごさなければならない人たちがせめて心地よく、楽しく過ごせる場所であってほしいと願わずにはいられない。 これからの時代、誰でもそういう施設で最期を迎える可能性はあるのだから、もっと多くの人がこの手の問題に関心を持ってもよいのに。。
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一気に読み終えた。介護施設の話なので考えさせられることもあるが、そう思えたのは著者の描写のリアルさがあるからだと思う。そしてそれもそのはず。実際の職には就かなかったようだが、介護ヘルパーの資格をとるべく介護施設へ実習に行き、現場で働いている方々からヒアリングもされていたそうな。 ...
一気に読み終えた。介護施設の話なので考えさせられることもあるが、そう思えたのは著者の描写のリアルさがあるからだと思う。そしてそれもそのはず。実際の職には就かなかったようだが、介護ヘルパーの資格をとるべく介護施設へ実習に行き、現場で働いている方々からヒアリングもされていたそうな。 やはり現場を経験している人と机上の空想とは言葉のリアルさが違うのだと改めて思う。 だが逆に机上の空想のハズだよね?と確認したくなる程のリアルさを持つ物語もこの世には多く出回っている。本当作家さんってすごいなとこの感想を書きながらだから読書はやめられないなと思った。
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お金を貯めるため、足がかりとして介護士になった康介。勤務先の特養という状況下での日常のミステリーと共に、新人介護士・康介が、泣いたり笑ったり、様々な経験を積み成長する姿に、ページをめくる手が止まらない。特に、アンパンマンのマーチを歌いながらの心臓マッサージはとにかく泣ける。初めて...
お金を貯めるため、足がかりとして介護士になった康介。勤務先の特養という状況下での日常のミステリーと共に、新人介護士・康介が、泣いたり笑ったり、様々な経験を積み成長する姿に、ページをめくる手が止まらない。特に、アンパンマンのマーチを歌いながらの心臓マッサージはとにかく泣ける。初めての深夜勤務でこの経験はどんなに不安だったことか… 介護士とはなんて尊い職業なんだろう。介護者、入居者、その家族それぞれの想いの溝を埋める難しさ。今作も面白さの中に深いテーマを巧く添えてある。康介のその後、ぜひ読みたいと思う。
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