ウェルカム・ホーム! の商品レビュー
同じ著者さんのデフ・ヴォイスがよかったので図書館で借りてみました。 また違ったテイストで描かれており、文章は軽く読みやすい。 でも考えさせられることは多い本。 特に、介護の仕事は人手不足、大変などはニュースで取り上げられたり、聞いたことがあっても、 入所者の思いなど…そちら側...
同じ著者さんのデフ・ヴォイスがよかったので図書館で借りてみました。 また違ったテイストで描かれており、文章は軽く読みやすい。 でも考えさせられることは多い本。 特に、介護の仕事は人手不足、大変などはニュースで取り上げられたり、聞いたことがあっても、 入所者の思いなど…そちら側は実際に関わったことがないと想像しにくい。 でも実際に、身近な人や自分が立つのは介護側よりもそちらの立場の方が可能性が高いもんな。と思うと、これからの介護の在り方について考えさせられる。
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著者自身が介護経験者。介護者資格を取るための特老ホーム実習中に東日本橋大震災に遭遇。本作は、その時の体験に着想を得たとのこと。 本編を読み、あとがきを読み終えて思ったのは「これは続編を読みたい!」ということ。 介護現場を垣間見た気分になりました。 職員が日常何気なく流してしまっ...
著者自身が介護経験者。介護者資格を取るための特老ホーム実習中に東日本橋大震災に遭遇。本作は、その時の体験に着想を得たとのこと。 本編を読み、あとがきを読み終えて思ったのは「これは続編を読みたい!」ということ。 介護現場を垣間見た気分になりました。 職員が日常何気なく流してしまっていること、不快感を抱きながらも「仕方ない」と諦めていること。 客観的な立場で想像することや思いやることはできても、いざ自分がその環境に介護士として放り込まれたら果たしてどうだろう…。 介護現場の身近にある事柄が取り上げられていて、どの章も興味深く面白かった。 他の仕事に就くまでの腰掛けで働きだした康介が良い先輩に出会い、いろんな経験を経て少しずつ変わっていくのがいい。 認知症だったり不明瞭な発声の人と接していて感じた、康介のじわりとした喜びが伝わってきた。 彼の成長をこれからも見守っていきたい。 慢性的な人手不足の介護医療現場。 介護する側の問題、される側の問題。本作に描かれているようにクリアするには幾つものハードルがあり相容れないこともたくさんあると思う。色んな問題が絡み合っていて一朝一夕には解決しないし、本当に難しい。 ただ、“認知だから” を建前にした、人を人とも思わない振る舞いには悲しくなる。 『入居者にも、したいこととしたくないことがある。重い認知症の人にも、好きなことと嫌いなことがある。何も考えてないわけじゃない。何も感じてないわけじゃない。』 丸山さんの作品は読むと意識や見える世界が変わっていく。 ずっと追いかけていきたい作家さんの1人。
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派遣切りされ「とりあえずの職場」として特別養護老人ホーム「まほろば園」に就職をした新米介護士の大森康介。認知症などを患う入居者を相手に日々奮闘しながらも、少しづつ仕事をする喜びを知り、介護士としても一人の人としても成長していくお話。 慢性的な人手不足だったり、介護する側とされる...
派遣切りされ「とりあえずの職場」として特別養護老人ホーム「まほろば園」に就職をした新米介護士の大森康介。認知症などを患う入居者を相手に日々奮闘しながらも、少しづつ仕事をする喜びを知り、介護士としても一人の人としても成長していくお話。 慢性的な人手不足だったり、介護する側とされる側との意識の違いだったり、リアルな介護の現場の問題が描かれています。丸山さんにしてはコメディタッチで軽い読み心地なんですが、でもやはりそこは丸山さん、震災時の避難のことだったり「きょうだい児」(障害がある兄弟姉妹を持つ人のこと)のことだったり、あまり知られていないけれど私たちの知るべき社会の問題をさりげなく教えてくれます。 生きていれば絶対に避けられない介護の問題。私の母も旦那の両親もまだまだ元気ですが、それぞれ持病もあったり、年齢的にもいつ何があるかわからないような現状です。3人とも「子どもたちの世話にはならない」と言ってますが、介護は家族がやるべきかプロに任せるべきか…難しい問題ですよね。 丸山さんの『ワンダフルライフ』も介護がテーマのお話でしたよね、まだ読んでないのでこちらもぜひ読みたいです。 *** 「誰だって最初から年寄りだったわけじゃない。輝くような時代があり、淡い恋があった」(131頁)
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特養老人ホームで働き出した新米介護士の大森康介が、先輩職員の浦島鈴子の指導のもと成長していく物語。 認知症の人が、何も考えていないわけではない… そして、何も感じていないわけではない… 康介が、そう思ったのは毎日同じ作業の繰り返しの中で、入居者のちょっとした行動になぜ⁇の疑問か...
特養老人ホームで働き出した新米介護士の大森康介が、先輩職員の浦島鈴子の指導のもと成長していく物語。 認知症の人が、何も考えていないわけではない… そして、何も感じていないわけではない… 康介が、そう思ったのは毎日同じ作業の繰り返しの中で、入居者のちょっとした行動になぜ⁇の疑問から答えを発見したことで、わかるのだった。 介護士だからといって、一人一人のことが完璧にわかるわけでもなく、ましてや心の中まではわからないし、わかろうとする人がどれだけいるのだろうか? 少ない人員で回していくのに必死の状態では、そこまで求めるのは無理なことだろうか? 親の介護もせずに施設に任せきりの者には、言うべきことではないのかもしれない。 いかに介護をするのは体力も精神も時間も奪われて過酷であるかを言うのは今更だが。 だけど言葉かけひとつにしても感情のこもったものかどうかは、その人を見て聞いて肌で感じているのではと思う。 そういう介護士にお世話になりたいものだ。
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地獄絵図もあるんだろうけど、みんなに看取られ逝けるならホームも悪くないのではと思ってしまう。「入所者の願いと自分たちの希望は突き詰めていけば相容れなくなる」イヤならホームに入らなければいいじゃないか、では済まないか。介護問題は本音、本気で取り組まないと、この国は滅んでしまう。
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安定の丸山氏。 介護の現場の話。 きょうだい児のはなしが、刺さる。 親はこどもに期待する。 親は老いる。
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「デフ・ヴォイス」シリーズの丸山正樹さんの新作です。今度は特別養護老人ホームの新米介護士を主人公にした物語。 あとがきに「主人公の青年が少しずつ成長していく物語の・・・・かつコメディータッチ」という書かれていますす。確かにその方向で頑張っているし意図も分かります。でも成功している...
「デフ・ヴォイス」シリーズの丸山正樹さんの新作です。今度は特別養護老人ホームの新米介護士を主人公にした物語。 あとがきに「主人公の青年が少しずつ成長していく物語の・・・・かつコメディータッチ」という書かれていますす。確かにその方向で頑張っているし意図も分かります。でも成功しているとは言い辛い。もともと地の文が軽くない上に時々挟む主人公の「気づき」がシリアスで重過ぎるのです。これが例えば山本幸久さんならもっと軽快な物語に仕上げたと思います。 元々作風が違う上に、さほど器用な作家さんには思えません。テーマとか問題提起とか、その当たりは流石なのですが、物語としてはイマイチ、中途半端でどっちつかずになっている気がします。 まだもう少し自分の作風で押して行けば良いのではないかと思います。
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新米介護士の康介の成長もの。 介護は高齢化の今大多数の人がする側、される側として直面が予想される。ホームだけでなくデイケアはここ10年で施設が激増したと感じる。 康介や鈴子のような介護士が世の中を支えてくれている。でも待遇はあまり良くない。その上最近のコロナ。もっと色々なこと、例...
新米介護士の康介の成長もの。 介護は高齢化の今大多数の人がする側、される側として直面が予想される。ホームだけでなくデイケアはここ10年で施設が激増したと感じる。 康介や鈴子のような介護士が世の中を支えてくれている。でも待遇はあまり良くない。その上最近のコロナ。もっと色々なこと、例えば力仕事をロボットで介助したり、便の匂いがなくなる薬の開発みたいなことが進んでいくことを願う。 続編希望。
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介護の実際がわかる、でも実際はもっと夢ないんだろうなとも思う 面白おかしく書いてるのが良さでもありフィクションだな〜と思う要因でもある、ライトに読みたい人にはいいかな
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前半は介護を舞台としたほっこりした成長物語かなって思っていたが、後半は介護を取り巻くさまざまな問題を含めて描かれていた。 著者ならではというだけで終わらず、広く多くの人に読んでもらいたい本である。 続編を希望します!
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