夜に星を放つ の商品レビュー
人と関わることで何かしらの心の傷を抱えている人達。 それでもやっぱり人と関わり続けたいと思ってしまうのが、自然な人間の姿なのかなと思う。 人との距離感が難しい時代だからこそ、心に染みる。 ちょうど手元にあるときに、直木賞受賞のニュースがありビックリ! 直木賞には珍しい短編集だけど...
人と関わることで何かしらの心の傷を抱えている人達。 それでもやっぱり人と関わり続けたいと思ってしまうのが、自然な人間の姿なのかなと思う。 人との距離感が難しい時代だからこそ、心に染みる。 ちょうど手元にあるときに、直木賞受賞のニュースがありビックリ! 直木賞には珍しい短編集だけど、納得の1冊。
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帯の「もう何も失いたくない。でも私は、また人と関わりたいと思った」という言葉が気になって買った本。 すると、読んでいる途中で直木賞を受賞した、というニュースが入ってきてびっくり。いいタイミングで読めたな〜。 帯の言葉が表しているように、この五つの短編の語り手は、年齢も性別も立場...
帯の「もう何も失いたくない。でも私は、また人と関わりたいと思った」という言葉が気になって買った本。 すると、読んでいる途中で直木賞を受賞した、というニュースが入ってきてびっくり。いいタイミングで読めたな〜。 帯の言葉が表しているように、この五つの短編の語り手は、年齢も性別も立場も異なるが全員心に喪失感を抱えて生きている。それでいて、心のどこかでやっぱり人との繋がりを求めてしまう。そんな五人に優しく寄り添う作品だった。 短編なので少しあっさりしているように感じてしまったのが残念。他の作品も読んでみたい。
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インターネットのお陰でいつでもだれかと繋がることができる現代。コロナによって遠方の家族に会えなくても、ビデオ通話やラインでコミュニケーションがとれる。 しかし、生きたコミュニケーションとは程遠い。人肌のぬくもりや、生身の声の温度などは、直接でなければ感じられないものがある。 登...
インターネットのお陰でいつでもだれかと繋がることができる現代。コロナによって遠方の家族に会えなくても、ビデオ通話やラインでコミュニケーションがとれる。 しかし、生きたコミュニケーションとは程遠い。人肌のぬくもりや、生身の声の温度などは、直接でなければ感じられないものがある。 登場人物たちは、今まで身近にいた人を失い、孤独の中でそうした生きたコミュニケーションに飢えているように思う。 彼らが夜空を見上げ、星を眺めるのはなぜだろうと考えたとき、星座というものが星と星との固い結びつきでできているからではないかと思った。星座を見上げることは、彼らにとって憧れを仰ぐことでもあり、慰められることでもあるのかもしれない。 星は繋がっている、けれど自分は孤独だ。孤独だけれど、今を、これからを生きる。世の中はコロナでつらい孤独な思いをすることもあるが、それでも生きていたらいいことがあるかもしれない。そんな小さな希望を胸に、強く生きていきたいと思った。
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心の揺らぎが煌めくように、 闇の隙間に星が瞬く、5つの短編集。 大切な人を失って、喪失感で立ちすくむ。 そんな人たちが、再び誰かと心を通わせていくように、新たな星座を導き出していく。 そんな希望の夜の光。 人と人とが寄り添い合う、そんな光のような、 星と星とが繋がり合う、そん...
心の揺らぎが煌めくように、 闇の隙間に星が瞬く、5つの短編集。 大切な人を失って、喪失感で立ちすくむ。 そんな人たちが、再び誰かと心を通わせていくように、新たな星座を導き出していく。 そんな希望の夜の光。 人と人とが寄り添い合う、そんな光のような、 星と星とが繋がり合う、そんな星座のように、 闇を溶かし紡ぎ合う、そんな優しい光のような、 あたたかな5つの物語。 ゆらめきが心に灯る、どれも素敵な作品です。
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昨晩、読み終わった後直木賞の受賞が決まるという。 ちょっと驚き、なるほど〜と改めてしみじみとした。 短編5編の物語。 どれも離れがたい想いを抱えた者の気持ちを丁寧にあらわしている。 切なくて、哀しくてだけど温かな思いがする。 みんなの未来は、キラキラするよ、大丈夫だよと望みがあ...
昨晩、読み終わった後直木賞の受賞が決まるという。 ちょっと驚き、なるほど〜と改めてしみじみとした。 短編5編の物語。 どれも離れがたい想いを抱えた者の気持ちを丁寧にあらわしている。 切なくて、哀しくてだけど温かな思いがする。 みんなの未来は、キラキラするよ、大丈夫だよと望みがある気がした。
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五つの短編それぞれの主人公が、人間関係に悩んだり傷付いたりしている作品。それなのに、どのお話も人のあたたかさを感じることができたり、一歩前に踏み出す勇気を垣間見ることができたりする点が魅力の短編集でした。
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テレビをつけたまま、この本を読んでいたら、直木賞受賞のニュースが流れてきた。すごいタイミング、その偶然で私にとって忘れられない作品となった。窪美澄さんの小説は、何作も読んだが、いつも社会で目立たないような人の日常に焦点がおかれている。いろんな人の気持ちがとても丁寧に描かれていて、...
テレビをつけたまま、この本を読んでいたら、直木賞受賞のニュースが流れてきた。すごいタイミング、その偶然で私にとって忘れられない作品となった。窪美澄さんの小説は、何作も読んだが、いつも社会で目立たないような人の日常に焦点がおかれている。いろんな人の気持ちがとても丁寧に描かれていて、切ない話でもなぜかホッとしてしまう。
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Amazonの紹介より かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。 コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボ...
Amazonの紹介より かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を通わせることができるのかを問いかける短編集。 コロナ禍のさなか、婚活アプリで出会った恋人との関係、30歳を前に早世した双子の妹の彼氏との交流を通して、人が人と別れることの哀しみを描く「真夜中のアボカド」。学校でいじめを受けている女子中学生と亡くなった母親の幽霊との奇妙な同居生活を描く「真珠星スピカ」、父の再婚相手との微妙な溝を埋められない小学生の寄る辺なさを描く「星の随に」など、人の心の揺らぎが輝きを放つ五編。 5つの短編集で、共通しているのは「別れ」。別れというと、冷たく淋しいイメージをもちますが、この作品はそれだけでなく、新しいスタートの始まりというちょっと暖かみのある捉え方もあって、気持ちが和らぎました。 どのエピソードも切なく悲しい内容でしたが、心の成長が垣間見えて前向きな気持ちになれました。 特に印象的だったのは、「真珠星スピカ」で、ファンタジー要素のある作品です。幽霊が登場するのですが、怖いといった雰囲気ではなく、温かく見守っている空気感なので、どこか安心感がありました。ただ、全体としては切ない展開ですが、スカッとした爽快感もあって良かったです。 窪さんというと、女性を主人公にした物語が印象的で、時に耽美に、時に繊細にと、女性の心の表現を上手く捉えている人だなというのがありました。 この作品では、耽美な表現は少々で、女性だけでなく男性も心の変化を繊細に丁寧に描いている印象がありました。 「何か」を失った時、どう埋めていくのか?喪失感から徐々に色んな出来事を通して、「何か」で心が満たされていく展開がこちらにもじんわりと温かさがくる感覚がありました。 結末は、新たなスタートでもあります。気持ちを切り替えて、新たな良い人生を歩んでほしいです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
星が絡められる5つの短編集。どのお話もハッピーエンドとはいかないのですが、ちょっとだけ希望が見えるような余韻が残る。5人の主人公、その周囲の人たち、みんな、何かに悩んだりしながらも前へ進もうとする姿が切ない。 ただ、直木賞候補作、そして窪さんの作品、という事で期待値のハードルを上げ過ぎてしまったためか、物足りなさがありました。
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この作者の作品を読むのは初めてだったが、面白かったといえば面白かった。 が、コロナ禍の人との絆を描くという設定だったが、なんというかそれが可もなく不可もなく、みたいな。現実にありそうな設定ばかりで身近に感じられるのだが、小説ならではの深みだったり、人間のエグさだったりなどがもっと...
この作者の作品を読むのは初めてだったが、面白かったといえば面白かった。 が、コロナ禍の人との絆を描くという設定だったが、なんというかそれが可もなく不可もなく、みたいな。現実にありそうな設定ばかりで身近に感じられるのだが、小説ならではの深みだったり、人間のエグさだったりなどがもっと出ていたら、もっと引き込まれたような気がする。 どの短編も星座モチーフということで美しく描かれているのは心地よい。いいエンディングもあれば、そうでないものも含めて
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