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アタラクシア の商品レビュー

3.7

42件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

    7

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

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2026/04/03

面白くて一気読みしたが、感想を持つのが難しいなというのが率直な感想。 それぞれの登場人物の解像度が高いけれど、みんなちょっとおかしい。英美が一番感情移入できたけれど。 各々のパートではその人の思考や心に触れたり、触れられなかったり、もどかしさが繰り返された。 由依の気持ちが知りた...

面白くて一気読みしたが、感想を持つのが難しいなというのが率直な感想。 それぞれの登場人物の解像度が高いけれど、みんなちょっとおかしい。英美が一番感情移入できたけれど。 各々のパートではその人の思考や心に触れたり、触れられなかったり、もどかしさが繰り返された。 由依の気持ちが知りたい。なぜ桂がストーカーしていると知ってて結婚に至ったのか。スマホを奪われそうになったのに、なぜ振り切って別のところ(瑛人)に行こうとしなかったのか。考えても分からない。 分からないからこそ自由に考える余地があり、それが小説の醍醐味だよな、と思い直す。 結婚ってこんなに難しいものなのか?と、ものすごく平穏に結婚して平穏に結婚生活を送っているつまらない人間からすると、こういうドラマチックな結婚生活を送る世界線も自分にあったのかねぇとなんか寂しくなった。

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2026/03/27

2020年第5回 渡辺淳一文学賞 30を前後する男女の群像劇 渡辺淳一文学賞受賞作らしい一作。 この〈アタラクシア〉という、心の平穏を意味するという。なんともストーリーに敵対するのではとも思われるタイトル。 三十歳前後の満たされない男女の群像劇の構成を持つが、おそらく考えた末...

2020年第5回 渡辺淳一文学賞 30を前後する男女の群像劇 渡辺淳一文学賞受賞作らしい一作。 この〈アタラクシア〉という、心の平穏を意味するという。なんともストーリーに敵対するのではとも思われるタイトル。 三十歳前後の満たされない男女の群像劇の構成を持つが、おそらく考えた末ではなく、アタラクシア的でない人間関係を描こうとして積み上げたストーリーが、この小説の形体となったのでは。 金原ひとみさんの小説の登場人物達は、決してパワーカップルではないけれど、ハイソ、あるいは意識高い系、または自由人。一般的日本人からすれば、関わる事が少ない人種と思っている。しかし、それは思い違いで、いまや彼らのような在り方は、決して特異なものではないのかもしれない。 豚汁ではなく、タンシチューな感じ。 女性達は、苦しんでいる。 その苦しさは理解できる種類のものではあるけれど、そこまで日常に、あるいは人生において、異性の存在を不可欠とする感覚には、どうにも同意しきれない。 男性達は、悩んでいる。 彼らは、関わる女性達の苦しさを十分に理解できずにいる。その戸惑いや停滞は、むしろ現実的で、受け入れやすい。 苦しみと悩みは交差しないまま、それぞれが持続する。日常生活はどこかで綻びながらも、それでもなお、彼らは何かを欲望し続けている。 欲望し続けるかぎり、彼らはアタラクシアには至らない。 案外と、全てを手放したところにしか、その静けさは訪れないのではないかと思うのです。 それは、一般人も同じですね。

Posted byブクログ

2025/12/14

いつの間にか右手にある紙の重みよりも左手にある重みの方が軽くなっていて驚いた。 そのくらい、この本に没頭していたという自覚はなかったから 隙間風がずっとどこかから吹いているような、だけど探すまでもないから微妙にがまんするくらいの心地悪さ 人には人の地獄、酸っぱい葡萄

Posted byブクログ

2025/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

暗めの雰囲気、不倫、セックス、長い文章、金原作品の特徴がつかめてきた。 未来、希望、笑顔、笑い声といったポジティブ要素はほぼなし。読んでいていい気持ちになるものではないがこれがリアルだったりもしたり、しなかったり。 結婚というものは現実的でめんどくさくて問題だらけで誰もが求める理想郷ではないのにそう想像してしまうのはなぜだろうか。 由依がわたしとは対極にいる人間で、あまり感情移入できなかったのに、彼女の本当の気持ちを知りたいと思ってしまうのは、わたしもまた彼女に魅了されているのだろうか。 幸せじゃない結婚も、簡単に離婚に踏み切れない子どもという存在も、幸せじゃない結婚生活の満たされなさを他人に求めてしまうところもわたしにはリアルだったなあ

Posted byブクログ

2025/11/28

真奈実の気持ちわかるなあ 生々しい感情をむき出しにして、その感情を主題にした演技くささの残る劇に登場しなきゃいけないのは嫌だ、自分が役者であることすら完全に忘れて生身で空気に触れているのならむしろ楽しいけど だいたい自分を外側から見る視点が消えない p77「暴力というのはその真骨...

真奈実の気持ちわかるなあ 生々しい感情をむき出しにして、その感情を主題にした演技くささの残る劇に登場しなきゃいけないのは嫌だ、自分が役者であることすら完全に忘れて生身で空気に触れているのならむしろ楽しいけど だいたい自分を外側から見る視点が消えない p77「暴力というのはその真骨頂で、こちらにとっては痛みよりもその暑苦しさのほうが地獄なのだ」 暑苦しさから逃れたくて涼しい観客席に避難するような生活を送っている 感情を持つというのは偶然なのか必然なのか 必然と感じて理由をこじつけて納得しようとしたり今までの経験を振り返って根拠を模索したりするが、そう感じるような反射づけが環境によって偶然生じたと考えると偶然の要素の方が大きいか 自分がたまたま持ってるモラルっぽいもので人を裁こうとしてしまったり、人を評価した後から自分の意見の不確かさ、全てが思い込みであるという事実に打ちのめされてしまったりするくらいなら、自分固有の確実で普遍的な価値観なんて存在しないということを常に自覚できるように自分にも他人にも無関心でありたい 「カラシあるよここに」の一言で問題があっさり解決してしまうことがあるように、自分の中で言語化もままならない想いがどんどん気化して体積を増して内側から圧排されていく感覚は、自ら大事にしているだけで簡単な切り口で軽く流せるものかもしれない なぜ愛されていることに感謝しなきゃいけないのかわからない、愛するって、ただそれがお気に入りだったっていうその人の嗜好なだけで、大切にするというのもその人なりの基準でその人のしたいことをしているだけ、欲の発散と大差ないと思う しかも愛しているということを大義名分にこちらに期待の圧をかけてくることも多々あるわけで。 こんなことを言うと、たくさん何かしてもらってるじゃん気にかけてもらってるじゃんって叱責を食らいそうだけど、誰かの嗜好、趣味のような愛する作業において、こちらに利益があったらありがたく受け入れる、ただそれだけなのに 相手が同じ生物種であることに過剰な一体感、シンパシーを感じすぎだと思う。他人は違う生物種。 こんな考えだから利害損得で裏付けされた関係じゃないと安心できなのか 由依は感情とモラルをキッパリ線引きしていたが、それはそれでそんなに単純な構造かと疑問がある。 外部化されたモラルによる影響で規範化された感情が知らず知らずの間に生成され、それを未加工の原始的な情動と勘違いしている場合もあるのでは。結局、偶然性に身を任せた不安定な人生を漂うように生きるよりは、今後どうなるか最低限予想できて、理想的ではないとしても最低限セーフティネットとして生を継続できる程度の心理的安全が情や馴れ合いで保証されるような、最大多数のための適度な幸福を目指した中途半端な功利主義で外部化したモラルをもとに生きていくのが楽 そうじゃないといちいち、これは自分の本物の感情か?と問いかけながら、自分の意思で必然の一石を偶然の大波に投じてみる途方もない、そして報われづらい作業に延々と苦しめられてニヒリズムに陥りそう ここまで色々メモしてたけど、なんか人生どうでも良くなってきて惰性で読み進めて、そんなに共感も感動もせずに終わった気がするこの本 気分の波と相関するのか読書量にも大波! 軽躁状態に切り替わるタイミングのラスト読書だったのであまり記憶に残っていない 読むのに時間がかかった

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2025/08/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

金原ひとみの本を読み続けている。 この本は、複数の登場人物が順にそれぞれの視点で語っていくから、途中で、誰が誰だっけ?となり、しばらく読まない期間も。 1番近いはずの夫、妻と、どうしてこんなにも離れてしまうのだろう。。ただ、不倫をして自分を保てるというのは、幸せなのではないだろうか...

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2025/03/12

 2019年に単行本として刊行。  本作は良い。様々な若い女性や男性に視点を置き、男女関係や夫婦関係、家族関係等における多様な軋轢・すれ違いを描いていてリアリスティックである。金原さんは言語感覚も若く、今時の若者をうまく描いていると思う。  もっとも、本作では下の名前で章ごとに視...

 2019年に単行本として刊行。  本作は良い。様々な若い女性や男性に視点を置き、男女関係や夫婦関係、家族関係等における多様な軋轢・すれ違いを描いていてリアリスティックである。金原さんは言語感覚も若く、今時の若者をうまく描いていると思う。  もっとも、本作では下の名前で章ごとに視点が動いてゆくのだが記憶力が弱く人の名前を覚えられない私にはその点がちょっと苦手だった。  女性たちはそれぞれの個性が際立つというほどでもないが、唯一、「由依」だけは異常な人物で、コミュニケーションに根本的な欠落があり、彼女が何を考えているか誰にも分からず、まるでサイコパスのような人間だ。自分なら絶対に近づかない人間だと思う。  しかし、全体的には様々なコミュニケーションの危機を描いて、面白い小説であった。

Posted byブクログ

2025/02/22

ラストにびっくり。 登場人物たちの言語化能力の高さよ。金原さんって感じの文章でヒリヒリした。 誰に対しても感情移入はできなかったけど、人間誰しも不安定だなと思った。日常と非日常が必要なのかもね。

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2024/11/04

金原ひとみさんの本は確かこれで3冊目だと記憶している。蛇にピアス、アッシュベイビー、そして本書。これらの本だけで判断すると、彼女が書いた本は一気に読んでしまった。 決して楽しい、明るい、喜ばしいと言う単語は使えない感想を持つ。けれど、人間の本性を練り上げた文章でじっくりと描写に共...

金原ひとみさんの本は確かこれで3冊目だと記憶している。蛇にピアス、アッシュベイビー、そして本書。これらの本だけで判断すると、彼女が書いた本は一気に読んでしまった。 決して楽しい、明るい、喜ばしいと言う単語は使えない感想を持つ。けれど、人間の本性を練り上げた文章でじっくりと描写に共感できるものが確かにある。

Posted byブクログ

2024/09/16

様々に移り変わり、見る人の断面により異なる色んな関係性を人と人の組み合わせや状況で描いてる。その状況や出来事はアタラクシア(平穏)からかけ離れた不穏さを炙り出していく。じわじわと読み手に共感を呼び、関係性の中に潜む不安をかき混ぜられ煮詰められる。没入厳禁

Posted byブクログ