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アタラクシア の商品レビュー

3.8

31件のお客様レビュー

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2024/11/04

金原ひとみさんの本は確かこれで3冊目だと記憶している。蛇にピアス、アッシュベイビー、そして本書。これらの本だけで判断すると、彼女が書いた本は一気に読んでしまった。 決して楽しい、明るい、喜ばしいと言う単語は使えない感想を持つ。けれど、人間の本性を練り上げた文章でじっくりと描写に共...

金原ひとみさんの本は確かこれで3冊目だと記憶している。蛇にピアス、アッシュベイビー、そして本書。これらの本だけで判断すると、彼女が書いた本は一気に読んでしまった。 決して楽しい、明るい、喜ばしいと言う単語は使えない感想を持つ。けれど、人間の本性を練り上げた文章でじっくりと描写に共感できるものが確かにある。

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2024/09/16

様々に移り変わり、見る人の断面により異なる色んな関係性を人と人の組み合わせや状況で描いてる。その状況や出来事はアタラクシア(平穏)からかけ離れた不穏さを炙り出していく。じわじわと読み手に共感を呼び、関係性の中に潜む不安をかき混ぜられ煮詰められる。没入厳禁

Posted byブクログ

2024/10/10

金原ひとみ3冊目。この本を読んで、私は金原さんと友達になりたい、仲良くなれそうと思った。(おこがましい) 結婚とは?愛するとは?をすごく考えさせられる小説。運命の人と結婚して幸せになりました!みたいな点と点を1本で繋げたクリアな話とは真逆。いろんな感情と思考が複雑に絡み合いそれ...

金原ひとみ3冊目。この本を読んで、私は金原さんと友達になりたい、仲良くなれそうと思った。(おこがましい) 結婚とは?愛するとは?をすごく考えさせられる小説。運命の人と結婚して幸せになりました!みたいな点と点を1本で繋げたクリアな話とは真逆。いろんな感情と思考が複雑に絡み合いそれをそのまま模写するような、写実的な捉え方でこの命題を考えている気がする。 周りの人間をよく観察し、よく分析している。その解像度がめちゃくちゃ高い。私が他人や自分に対して抱いてる感想をドンピシャで的確に表現してくれる感じが読んでいて爽快だ。超気持ちいい。 自分自身や親しい友人のことであっても、どこか感情が乖離しているような、遠くから眺めて箱で捉えているような。私は友人のこの面が好きだけど、この面は好きじゃない。恋人のこの面だけを愛して欲していて、でもその満たされない部分を浮気相手で満たしたい、みたいな。行動だけを見ると感情的にも見えるが、そこに行き着くまでの過程は理性的と思える。この小説からみえる一貫したその姿勢が、私と私の周りの人間との関わり方に似ている気がして嬉しくなった。

Posted byブクログ

2024/08/24

いまいち著者が何を書きたいのかよく分からなかった。婚姻関係がキーワードの1つになるものとは思いますが、それほどそこの点を気にしているわけでもないような。 それぞれ登場人物のキャラ、環境が独立していて共通点があるわけでもないし、あるテーマに対して多角的に視点を持たせているわけでもな...

いまいち著者が何を書きたいのかよく分からなかった。婚姻関係がキーワードの1つになるものとは思いますが、それほどそこの点を気にしているわけでもないような。 それぞれ登場人物のキャラ、環境が独立していて共通点があるわけでもないし、あるテーマに対して多角的に視点を持たせているわけでもないし…。 ときおり、おっ、となる文章もあったり面白くないわけではないけれど、今のところ人におすすめできる作品ではないかな、と思います。

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2024/07/27

私は既婚して子どももいるけど、やっぱり結婚は希望ではないなと再認識した。 元から浮気性、浮気性って言葉もあまり好きではないけど、その人だけというのが難しいひとも普通にいる。私もそうだし。 第一誰かに希望を与えよう与えてもらおうだなんて驕りも過ぎてる。でも皆んな一生懸命生きてる。...

私は既婚して子どももいるけど、やっぱり結婚は希望ではないなと再認識した。 元から浮気性、浮気性って言葉もあまり好きではないけど、その人だけというのが難しいひとも普通にいる。私もそうだし。 第一誰かに希望を与えよう与えてもらおうだなんて驕りも過ぎてる。でも皆んな一生懸命生きてる。自分一人で生きるには退屈すぎるから結婚したりする。私は危害を与えてくる人と同じ空間にいるということが本当に理解出来ないから真奈美のことはずっと分からなかった。英美は救いがなくて可哀想だった。怒りっていちばんエネルギー消費する感情だと思うから余計辛かった。 …とここまで書いて、文系ステーションの金原ひとみのインタビュー記事を読んだら、また物語の印象が変わった。平穏になりたいようななりたくないような。 決してスッキリしないし、明日から頑張ろうという気持ちになるわけじゃないけど、これでいいんだと受け止めてくれる優しさはあると思う。 荒木はいいやつでいてほしかったから、それが残念。

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2024/02/25

金原ひとみさんのエッセイを読んだ後に小説を。 彼女の生きてきた人生が投影されているなと感じる。 パリや妊娠、夫との関係など、彼女の人生が随所に散りばめられている。

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2024/02/17

導入の面白くなさから第二章への展開が秀逸、かつ毒のあるもの言いが最高。私も憎き人にこのような口の利き方をしたいものだと切望。ま、悪口ポルノとでもいうべきか。 その後色々な人が出てくるが、もはや興味を持てず途中退場。

Posted byブクログ

2023/12/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう」 登場人物があまりにも多いので、相関図をメモしながら読むことを推奨します。 私は明誠社で働く佐倉真奈美を見て、まるで自分をネタに書かれているのかと思うほど共感してしまいました。 暗黙のルールのもとに成り立つ関係。 そしてその距離感を無視して極端に重い言葉、軽い言葉を吐けば一瞬で崩壊してしまう空気感。 夫も彼も両方いて初めて成り立つ関係であること。 どちらも等しく必要な存在であること。 金原ひとみさんの作品はどれも自伝かと思うほど、体験していなければ書けないはずのことが書かれているので読んでいて驚きます。 そして、 夢心地のような幸せと、絶望感しかない現実のあまりにもアンビバレントなバランスを描くのがとても上手い作家さんだなと。読むたびに痺れます。 しばらくこの世界観を引きずるだろうな… 以下ネタバレ 章ごとに視点が変わる形で、それぞれの目線から描かれるのですが、 周りから見た姿と本人があまりにも違う印象だったりするから、ちゃんとメモしてないと登場人物を覚えるのが難しい。 印象最悪なツイッタラー・コウボクノマックと、 真奈美の優しいセカンドパートナー・荒木が同一人物だったことに驚いた。 枝里20歳、被害者22歳だそうだから、ここは繋がってないだろうけど、それにしても続きが知りたい。荒木のことを何度も回想してしまう。

Posted byブクログ

2024/02/05

昔に「蛇とピアス」を読んだ時に全く合わず、ずっと敬遠してた作家。 テレビ番組で「デクリネゾン」を紹介していて本屋に買いに行ったが無くてこの本に興味が沸いて衝動買い。 年を重ねたせいか人生経験を積んだせいかとても心に響いた。 全ての人物に共感するとこは無いが、全否定は出来ない...

昔に「蛇とピアス」を読んだ時に全く合わず、ずっと敬遠してた作家。 テレビ番組で「デクリネゾン」を紹介していて本屋に買いに行ったが無くてこの本に興味が沸いて衝動買い。 年を重ねたせいか人生経験を積んだせいかとても心に響いた。 全ての人物に共感するとこは無いが、全否定は出来ない。 色んな人の心の葛藤を苦しいまでに赤裸々に描いている。 又、やはり文章と言うか筆力が凄くて評価に値する作家だなと思い改めた。 綿矢りさより金原ひとみの方が個人的には評価が高い。それ程面白かった。 他の作品も読んでみよう。

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2023/11/23

アタラクシア。心の平穏。 誰ひとり平穏じゃなくて、みんな情緒不安定すぎる。 ”望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう” 「誰も愛してなくても、誰からも愛されなくても、普通に生きていける人間になった方がいい。」 私は、普通に生きていける人間になって、...

アタラクシア。心の平穏。 誰ひとり平穏じゃなくて、みんな情緒不安定すぎる。 ”望んで結婚したはずなのに、どうしてこんなに苦しいのだろう” 「誰も愛してなくても、誰からも愛されなくても、普通に生きていける人間になった方がいい。」 私は、普通に生きていける人間になって、そのうえで、ちゃんと、心から、真剣に、人を愛したい。 祈りのような愛。

Posted byブクログ