まっとうな人生 の商品レビュー
主人公の夫が、主人公に対して「なんでも自力でやりすぎる」と言って 「あんたは何でもわかろうとしすぎやわ。それで自分のわかった範囲で正しさを決めるが。自分がわかったことのなかだけで判断して、人をそこにあてはめるのはよくないわ。」 とつづける。 なんでもわかろうとすることが、 ...
主人公の夫が、主人公に対して「なんでも自力でやりすぎる」と言って 「あんたは何でもわかろうとしすぎやわ。それで自分のわかった範囲で正しさを決めるが。自分がわかったことのなかだけで判断して、人をそこにあてはめるのはよくないわ。」 とつづける。 なんでもわかろうとすることが、 人を信用せず、頼れない、 ということに繋がっていることに 私自身もハッとした。 人に頼るって 経済的に頼りにするとかだけじゃなくて すべてが大丈夫だと、なんとかなるもんだと おおらかに構えておくことなんだろうなと思った。 数年後、コロナの時代はこんな感じだったと 読み返すのにいい本だと思った。
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すごくすごく良かった。 全体的に「わかるなぁ〜」って感じで、ここ数年の2019〜2022年を舞台にしていて身近な感じも珍しくて良かった。コラムみたいな感じ。 あと、福岡出身の主人公が富山で暮らすという地方感も良かった。富山が識れて面白かった。 『まっとうな人生』は『逃亡くそたわ...
すごくすごく良かった。 全体的に「わかるなぁ〜」って感じで、ここ数年の2019〜2022年を舞台にしていて身近な感じも珍しくて良かった。コラムみたいな感じ。 あと、福岡出身の主人公が富山で暮らすという地方感も良かった。富山が識れて面白かった。 『まっとうな人生』は『逃亡くそたわけ』の続編で、実際に主人公の時間が経過して今現在という設定になっている。 『逃亡くそたわけ』の内容はすっかり忘れたけど、問題なく読める。 大事なのは時間の経過ということであって、内容ではない。 『逃亡くそたわけ』から『まっとうな人生』までの時間経過はそのまま私を含む全ての人に経過した時間で、 だから『逃亡くそたわけ』を読んだ時の私が若いゆえに共感し、月日を経て年をとった私が年をとったからこそ『まっとうな人生』に共感する。 その事実が、すごいなと思う。 特にp64〜73の(5) が良かった。 全文引用して紹介したいくらい、共感した。 「そうなんだよ」ってなった。 そして、それは、やっぱり時間が経って私も老いたから分かるんだとも思った。 昔の自分を思い出した。 20代の頃、私は家族や親しい人の死を体験したくないから誰よりも先に死にたいとしょっちゅう考えていて、そんな時に父が「若いと感度が高いからな、怖いよな。でも俺もお母さんもまだまだ死なないし、まぁもうちょっと待てば今度はお前が年をとる。そうすると良くも悪くも感度は鈍くなるんだよ。他人の死なんて大した事じゃなくなる。それでそうやってどんどん鈍くなって自分の死を迎えるんだよ。人間はそういう風にできてるんだ。だから今死ぬ必要はない。大丈夫」って。私は「鈍感になるなんて耐えられない!」ってなったけど、結局父の言う通り鈍感になった。 人生ってすごいなとしみじみ思う。
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久しぶりに絲山秋子さんを読みました。「まっとうな人生」、彼女の最新作のようです。十数年前に気に入った作品の、続編(?)でしたが、懐かしい登場人物たちが、なんとか「まっとう」に生きようというしてきた、している姿に胸打たれる思いでした。 あれから、新しい命も誕生し、誕生した新しい...
久しぶりに絲山秋子さんを読みました。「まっとうな人生」、彼女の最新作のようです。十数年前に気に入った作品の、続編(?)でしたが、懐かしい登場人物たちが、なんとか「まっとう」に生きようというしてきた、している姿に胸打たれる思いでした。 あれから、新しい命も誕生し、誕生した新しい命が、母や父といったおじさんおばさんたちの「まっとうな人生」を支えている姿を書く絲山秋子の「まっとうな」書きぶりに拍手!でした。 ブログにも感想書きました。よろしければどうぞ。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202208280000/
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p70あたしも親と別れるのがさびしかったのだった。でもそれは、我々親子の問題というより、親一般に対する典型的な思いという感じがする。
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「逃亡くそたわけ」を呼んだのが9年前。 妙に印象的な話だった。 ちょうど息子の精神疾患がわかった時期だったせいかも。 2年前に読んだ「絲的ココロエ―――「気の持ちよう」では治せない」 では、これまで読んできたどの本よりも、鬱の内面が説明されている感じがした。 まさか「花ちゃん」...
「逃亡くそたわけ」を呼んだのが9年前。 妙に印象的な話だった。 ちょうど息子の精神疾患がわかった時期だったせいかも。 2年前に読んだ「絲的ココロエ―――「気の持ちよう」では治せない」 では、これまで読んできたどの本よりも、鬱の内面が説明されている感じがした。 まさか「花ちゃん」が「なごやん」に再会するとはね。 まっとうな人生とは 『暑いときも寒いときも、からだが苦しいときも頭がおかしいときも、その気持ちをきちんと感じる。不安も恐れも受け止めるしかない。楽しかったら笑い、美味しかったらちゃんと喜ぶ。』 つまりそういうことよね。 まるでコロナの実況中継のような時系列で、現実にはまだまだこの先が読めないわけだけど。 アキオちゃんと娘の佳音との暮らし、なごやん一家、柴犬の小太郎(すごいな、こいつ)の存在が、まっとうな人生「きっと大丈夫」的な予感につながる。 富山の様子がいろいろと出来て来て、思わずGoogleを見てしまった。 私にも縁のある土地なので、もう一度訪れたい、と強く思った。
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前作、7年前に読んでいるみたい。再読せねば、、、 コロナ渦、子供の小学校卒業、入学。 今の私とどんぴしゃ。
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人の心の中をこんなに覗く事があるだろうか?と思いながら読んだ。コロナ禍でモヤモヤしている私の気持ちを文字で表してくれていると感じる箇所が多々あった。
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はなちゃんお母さんになってた〜。 生活の「こうあるべき」、にイラッとしたり、コロナ禍でモヤモヤしたり揉めたり、っていうの、私の話かと思った。 まっとう。「正しい」の結論を急ぐのは、狹くて、危険…
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富山は駅周辺に少し行ったことがある程度であまりイメージは湧かなかったけど、主人公(しずか?)のし生きづらさとかどんよりした感じは自分も常に持っているものと同じ感じがした。 まっとうな人生って、なんなんだろうなぁ。
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なんとなく分かる場所の様子(アルビスとか大阪屋とかスーパーも分かる)や方言。話自体はあんまり面白くなかったが、富山が舞台ということで面白かった。
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