緑の歌 ―収集群風―(下) の商品レビュー
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【あらすじ】 文化への渇望、そして“バンドをやってる友達”・南峻の後押しを受けて、初めての海外、日本・東京を訪れた少女・緑(リュ)。レコードショップで手に入れた、はっぴいえんど『風街ろまん』と細野晴臣『HOSONO HOUSE』を握り締めて、台湾に帰国した緑(リュ)は、音楽と物語への想いを、そして心に芽生えた南峻(ナンジュン)への恋心を、一層募らせていく。そんななか、敬愛する細野晴臣の台湾・台北でのコンサートツアーが決定して……。 細野晴臣デビュー50周年記念ドキュメンタリー映画『NO SMOKING』台湾版で、イラスト&デザインを担当した台湾在住の漫画家が贈る、初連載作品、完結巻。大切な音と大切な時間を隣で共有してくれた、大切なあなたへ。魔法の夜よ、どうか……。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 最も純粋でまだ綺麗な部分しか知らない、初恋の頃を思い出させる作品でした。全てが輝いていて、切なくて、30代後半のおじさんである私にとっては記憶の彼方になりつつある感覚で、ちょっと苦しかった。だって、絵の描写と語りの言葉が綺麗すぎるんですもん。涙が出そうです。この作品を敢えて「オトコ編」の9位に持ってくるマンガ大賞のセンスに脱帽です。 恋愛もそうですが、やっぱり一生の趣味や好きなものを見つける時間として、大学生の時期はとても重要だなと再認識しました。時には悩むことも、モラトリアムも大事です。
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読んでて色が見えたのは初めてだった 自分を見てるみたいで苦しかったけど大好きで愛しい漫画 南峻みたいな人 惹かれずにはいられない はっぴぃえんど聴く度にタイムトラベルしちゃうな〜〜
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台湾の女の子を支えてくれたのは日本の文学と音楽、そしてそれを教えてくれた人。あの時代の熱さやまっすぐさや青さや苦さ、焦燥感。そういうものが物語の中に溢れていた。あのころの全てを抱きしめて生きていくんだと思う、人は。
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主人公・緑の、自分の気持ちと向き合おうとする姿に胸打たれます。私は薄っぺらく生きてきてしまったなぁ…
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漫画のアシスタントをしてる友達から、急に読めと言って渡された二冊。 しばらく本棚に寝かせていて(誰かから押し付けられた作品はいつだってそうなってしまう。自分だって誰かにそうやって押し付けるくせして)、「あれ、持って来てくれない?」と言われ読み切った。 純粋で不器用で真っ直ぐな少女。高校を卒業して、大学へ進学して、授業には単位の最低限だけ出席して、音楽を聴き漁り、バンドのライブに足運ぶ。両親がいて、お金に困っても無くて、見たところバイトもしてない。奨学金を借りている感じも無い。ハウスで育ったツルツルで綺麗でこじんまりとした野菜が、季節外れにスーパーの棚で陳列されていて、やけに高い値段で売られている、そんなイメージを主人公には思う。つまり、ひまそう、なのだ。 そんなありふれた女の子が、ある日授業(高校)をサボって海岸で時間を潰していたとき、そのあと自殺したのだろう、何か思いつめた表情をして海を眺める男の人を見つけ、写真に納める。彼女は、後から声を掛けられなかったことを後悔する。 他にも、彼女は海岸で見つけた動物の死骸を写真に「印」と称して残すが、この彼女の習慣と先の一件が、彼女と世界との隔たりを象徴しているよう。無垢で無知な少女が少しずつ外界(生があり死がある。生きるための営みと痛み、風が吹き、雨が降り注ぎ、雷や雹の降ってくることもあるハウスの外、空の下)へと足を踏み入れていく前兆。 そうして彼女は色々なものに手を伸ばす。音楽を夢中になって聞いた時期のあったわたしにとって、知らない曲をひたすら聞き漁っては、CDを買ったり、CDプレイヤーやウォークマンやアイポッドで音楽を再生するのは懐かしい記憶だった。今はイヤホンを耳に刺すことすら稀になった。暇じゃなくなったのかしら。それとも余裕がなくなったのかしら。 そうやって巡り合った曲の先に、恋が待っていた。恋と書いてしまうと、途端にありふれて陳腐な響に変わってしまうと感じるのはわたしだけだろうか。(傍から見れば)自由に好きな音楽を追及する彼との出会い。バイトをしながら、バンド活動をして作詞作曲する彼。彼女から見れば彼は、なんて自由で自分にないものを兼ね備えていて、かっこよく見えることだろう。彼女の恋は、特定の個人ではなく、そういった数限りない要素のいくつかを兼ね備えている構造にだったのかもしれない。でも、恋はそういうものだと思う。 そこから彼女は台湾から東京に訪れ、その恋を旺盛な食欲で消化、吸収していく。彼の見ている世界、聞いている音、立っているところに近づくたび、幻想が剝がれ、自分の無知さと幼さが露出されていく。誰もが笑っている絵と、常夏のなかにいるような頬の赤らみの優しいタッチのなかで、緩和されているようにも見えるけれど、確かに彼女の絶望と孤独が描かれていた。そこが好きだ。 “好き”でいることと“好きになってもらう”ことの残酷な違い。ウキウキしたりドキドキしたり、どの瞬間をも特別に変えて、この充足感が永遠に続くかのような錯覚をもたらす恋の副作用。それらがしっかりと後半にかけて描かれていく。 筋としては、彼は自分の夢を追いかけるための人生を歩み始めて、そこに彼女は告白する余地も、つけ入る余地もなく、離れていく。彼女の人生のなかで偶発的に生じた恋は彼女の人生のなかに溶け込んで行って、それが彼女という画用紙に色を足して薄れていくような。人生は一枚の絵だと思う。 最後、彼女が彼に向けて放ったメッセージが、 They are boy and girl from nowhere,we think they're going somewhere. But somewhere is nowhere too,and nowhere could be somewhere いまここにいる男の子と女の子、わたしたちはふたりがどこかへ行っちゃうことを知ってるの。 でもね、そのどこかはきっといまここなんだよ、それで、いまここはきっとどこかなんだよ。(訳はめちゃくちゃ) よく汗を掻いて、顔を赤らめてる彼女が、わたしには眩しくて、健全で退屈で、ああでも恋のなかにいる女の子は、こんな顔をしているんだろうかと思うと、自分がどんな顔をしているんだろうかと気にする間もないくらいの、没我的な恋は、もしかするとギフトなんじゃないかと、そう思わせてくれた作品だった。
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台湾出身の漫画家、高妍の漫画。台湾で暮らす女子大学生の瑞々しい感性を繊細に描いている。はっぴいえんどや村上春樹等、日本文化への愛が詰め込まれており、絵だけでなく台詞にも魂が宿っていた。何らかの作品を愛し、影響を受けた経験がある方なら心に染みるであろう逸品。
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なんですかね、この気持ち。 ひたすら音楽聴いて本読んで過ごしたい。 私が愛した音楽と文学 が、これでもかと漫画に詰め込まれた漫画だった。
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音楽への純粋な情熱とか、日本や台湾映画のような湿度の高い空気感とか、取るに足らないよくある恋愛の機微とか、全てが眩しい・・・・・・・
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小説を読んでいるみたいだった。 感情の機微がこんなにガシガシ入ってくるなんて、びっくりした。 セリフのない曖昧な表情だけで伝わる感情が、絵のタッチの緻密さも相まって、繊細さMAX! 絵が上手すぎる。 台湾の「文青」、こんな感じなんだろか。空気を感じられたような気がする。 文学と...
小説を読んでいるみたいだった。 感情の機微がこんなにガシガシ入ってくるなんて、びっくりした。 セリフのない曖昧な表情だけで伝わる感情が、絵のタッチの緻密さも相まって、繊細さMAX! 絵が上手すぎる。 台湾の「文青」、こんな感じなんだろか。空気を感じられたような気がする。 文学とか音楽のオシャレな雰囲気。 緑が履いているサンダルがtevaみたいな形で、最近のものなのだなと分かる。後で調べて若いイラストレーターさんが描いた漫画だと知って、納得した。 驚いたときの表現が、日本のものとは違っていて面白い。 緑の字、彼女っぽい可愛らしい字だった。
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なんかもう、すごく良かった。青春讃歌ではないけれど、若いときのなんにでも感性が動いてちょっとしたことに感動できる瞬間っていうのはやっぱりあったなって思う ステキなマンガをありがとう
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