ただしさに殺されないために の商品レビュー
白饅頭日誌(著者のサブスク日刊マガジン)の読者です。 この本はコロナ期に出版された物であることから、今とはある程度思想が違うのかもなという印象は受けました。明確にここが違うという訳では無いのですが、全体的に着眼点が今と違う気がします。 また、中で参照しているのが公官庁等のデータな...
白饅頭日誌(著者のサブスク日刊マガジン)の読者です。 この本はコロナ期に出版された物であることから、今とはある程度思想が違うのかもなという印象は受けました。明確にここが違うという訳では無いのですが、全体的に着眼点が今と違う気がします。 また、中で参照しているのが公官庁等のデータなどよりネット記事等が多いのは少し気になるところではあります。"物語の否定"を主題としているけれど、"好都合な物語"の否定の為に"事実"では無く"不都合な物語"を用いているイメージ。著者自身も"物語"の持つ凄まじいパワーからは逃れられなかった。 こういった批判を踏まえた上でも、たくさんの発見があり読み応えのある書物だった事に間違いはありません。願わくばもっと多くの人に読んで欲しい。 これまで目を向けてこなかった耳の痛くなるような話に、本当にたくさん気付かせてくれる。しかし個別の事案の成否よりも、よりおおきな事実に目を向けられるようになることが、この本を読む事の真の価値だと思います。即ち、世の中は綺麗に善悪二元化できるような単純なものではなく、複雑で難解で、そしておおかた不都合な事実が絡み合った物である、ということ。 読みやすさにもとても拘っている。段落分けや空間がとても平易で、肩に力を入れずに読める。"事実"ではなく"物語"ベースになってしまっているのも、読みやすさの為にはある程度仕方なかったのかもしれません。
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普段意識できていなかった「物語」の裏側が暴かれる。たしかに目を背けたくなる話もあるし、いますぐ自分にどうこうできない話もあるけど、知っているか否かではこれからの生き方が変わってくる。
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「〇〇を倒せば世界はもっと良くなる」と期待できるわかりやすい悪を明確に提示してくれる「単純系」と、「あなたの生き面だや苦しさは、あなたのせいではなく〇〇の加害によってもたらされた」とする「責任の外部化」が、反ワクチンやフェミニズム、ヴィーがんなど多くのラディカルな思想に共通する。これらは「私憤」から「公憤」「義憤」へ昇華しているとも捉えられる。 ハンデのある人の感動の物語は「ハンデを抱える人は努力を重ねて卓越しなければならない」という社会的メッセージと同義であり、今の社会を肯定するマジョリティにとっての「赦し」でもある。 食肉や喫煙など、個人の自由が温暖化や感染症など、社会のリスクのために失われつつある。 自分にとって害や不快感のある人を排除して快適な暮らしを選ぶのであれば、自分にとって益や助けとなる人々の登場をも同時に諦めなければならない。
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普段、意識することはあっても、そこまで真剣に考えるテーマではなかったため、刺激的でとても面白かった。序盤は読んでいて少し気が重かったが、2章以降は興味があったためかスラスラと読み進めることができ、それによって序盤の内容も後から理解が追いついてきた。 「自由」や「平等」がヨシとされ...
普段、意識することはあっても、そこまで真剣に考えるテーマではなかったため、刺激的でとても面白かった。序盤は読んでいて少し気が重かったが、2章以降は興味があったためかスラスラと読み進めることができ、それによって序盤の内容も後から理解が追いついてきた。 「自由」や「平等」がヨシとされている中で、意外とそれらの言葉が条件付きのものであることが明快に述べられている。わりと当たり前とされていることや、共有されている価値観みたいなものについて改めて考えてみることができる。 著者は各トピックについて話題提供を行うのみで、その答えは読者に委ねられているようである。もちろん、著者なりの見解もあり、首肯できるものもあれば、そうでないものもある。多くの人の意見を聞いてみたいと思える内容であった。
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序章、一章は面白かったが、それ以降がつまらなかった。 友達と普段議論していることが本になったようなイメージ。考え方や論点は面白かったが、特に新しいことが学べたわけではなかった。 また、ケーススタディを重ねて同じようなことを繰り返し言っているような気がした。
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強い光を放つ善意の物語からこぼれ落ちる、物語にもならない打ち捨てられた断片を可視化した記録である。美しく輝き、人々の心を打つ物語の陰で、だれからも見向きもされず、埃をかぶって、ときに腐敗していたものをつむいで、紙面に浮かび上がらせたものだ。(エピローグより) 今まで考えたことがな...
強い光を放つ善意の物語からこぼれ落ちる、物語にもならない打ち捨てられた断片を可視化した記録である。美しく輝き、人々の心を打つ物語の陰で、だれからも見向きもされず、埃をかぶって、ときに腐敗していたものをつむいで、紙面に浮かび上がらせたものだ。(エピローグより) 今まで考えたことがない視点からの問題提起に、自分の想像力の欠如や欺瞞をあぶり出されるような感覚を持ちながら読みすすめた。たまたま図書館で見つけて手に取って読み始めたものだ。著者は会社員のかたわら文筆業に携わっているらしい。もっと多くの人に読んで欲しい本だ。 追記 別の本を読んでいて著者の名前を見つけた。著名なネット論客だそうな。ネットで多くの読者を惹きつけて、本として出版される。雑誌の廃刊で有能な書き手が育たない嘆きを読んだことがあるが、こんなふうに世間に名を知らしめる方法があるのだな、と新しい時代の到来を痛切に感じた。極端な論説が世を席巻する怖さは増幅したが。
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タイトルがもう不穏ですね。これを手に取る人は自分なりに「正しさ」というものについてきちんと一度は考えたことのある人なんではないかなと想像。 「本書は物語の否定である」確かに読み終えて振り返るとそういう一冊だったと思う。 私自身が往々にして、世間によくある「いい話」を見たり聞いたりすると鼻白むことがあるのは、著者が言うような「誰からも快く受け入れられるように美しく整えられた物語」だと感じさせられるからだなとわかった。もやもやしていたものが言語化されてちょっとすっとしましたね。 「不寛容には不寛容に対処すべき」「被害者ポジション」「面倒くさい他者が訪ねてきたらもっとふさわしい場所があるよと優しく排除」「どんどん潔癖で倫理的になっている善良な市民」響く言葉や文章が目白押しでした。 「排除アート」なる言葉を本書で初めて知りました。しかしモノは見たことがあります。 そ、そういうことだったのか、と己の無知を痛感しました。 しかし、本書が刺さる人はどのくらいいるでしょうか。これを手に取る人でも全編に頷ける人は少ないかもしれない。 ただ、頷けなくてもここに著された人たちが世の中には見えないだけですごくいる、ということに気づくこと自体にも意味はあると私は思いたい。 そういう視点を忘れずに社会を観る姿勢を持ち続けていきたいと私は思いました。 本書も最も読むべき人にこそ一番届きにくい一冊だな…としみじみ感じます。
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そもそも数字で出せるようなものでないのかもしれないが、こじつけや揚げ足取りのような話の展開が散見された。 終章では読者から「妄言」と捉えらることに著者も自覚はあるようで、安心したがここまで考えての終章のような気もする。 問題提起で終始するのも、結局すぐに解決できる問題はほとんどな...
そもそも数字で出せるようなものでないのかもしれないが、こじつけや揚げ足取りのような話の展開が散見された。 終章では読者から「妄言」と捉えらることに著者も自覚はあるようで、安心したがここまで考えての終章のような気もする。 問題提起で終始するのも、結局すぐに解決できる問題はほとんどないから行動・発言する前に少し考えてみようって話なのかな。 少し考える余裕もある種の贅沢品なのかもしれないが。
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ところどころ共感できる部分はありました。 ただ、共感できないところの方が多く、男女の話題、特に非モテ男子についての話はよく理解できませんでした。
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逆バリの結論ありきなので、時事評論というよりはどうしても非モテ文学的なコラムに見えてしまう。特に後半は視点が完全に非モテ男性に固定化されてしまって、読んでいて辛くなった。 ただ、ところどころに見るべきものがあるのも確かで、年収300万の男女が結婚すれば世帯年収600万でやっていけ...
逆バリの結論ありきなので、時事評論というよりはどうしても非モテ文学的なコラムに見えてしまう。特に後半は視点が完全に非モテ男性に固定化されてしまって、読んでいて辛くなった。 ただ、ところどころに見るべきものがあるのも確かで、年収300万の男女が結婚すれば世帯年収600万でやっていけるとの主張は上野千鶴子も言っていた。これほど立場の違う同士が同じことを主張するのかと目から鱗が落ちた。
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