生命式 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「魔法のからだ」 「性」の欲求は大きくて、大切なものなのになぜ私たち(日本人?)は秘匿的に扱う割に下品な歪んだ表現で「性」捉えるんだと、根底を問いただされているように感じました。この物語の2人の女の子のように環境に左右されず、自分の心の欲に従うことこそ美しく、純粋な「性欲」であると感じました。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「倫理的」や「生理的」という言葉を軽々に用いて相手の意見(世界観)を否定はできないなと村田沙耶香さんの作品を読むと毎回、再認識します。 ただ一つの正しい価値観、世界観は存在しません。つまり「倫理的」「生理的」というふたつの言葉は自身と同じ世界観をもつ住人ということを確認するための口裏合わせに過ぎないのかなぁと感じさせてくれました。
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「狂気」「ぶっ飛んでる」の一言では片付けられない、常識や価値観、固定概念を揺さぶられるような感覚をページを捲る間ずっと感じていた。 読後の放心状態というか、足元の覚束ない感じがクセになる。著者の描く美しくグロテスクな「生」と「性」にすっかりと魅了されてしまった。
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誰もが持っている先入観や盲目的に何かを信じることに対して嫌な角度から問いかけられている感じがした。ワクチンのことやオーガニック食品など偏った情報に踊らされがちな昨今だからこそハッとする場面も多かった。最後に収録されている環境によって自分を使い分けている話も、誰もが思い当たる部分が...
誰もが持っている先入観や盲目的に何かを信じることに対して嫌な角度から問いかけられている感じがした。ワクチンのことやオーガニック食品など偏った情報に踊らされがちな昨今だからこそハッとする場面も多かった。最後に収録されている環境によって自分を使い分けている話も、誰もが思い当たる部分が多かれ少なかれあり、自分を見つめ直すきっかけになるかも。
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うーん、、、設定のインパクトが強くて印象に残りやすいが、文体や全体的な雰囲気が軽く違和感が残った。生命という重たいテーマだからわざと軽くしてコントラストを出しているのかもしれないが、あまり没頭はできなかった。 特に登場人物の会話から登場人物のリアリティのなさを感じて冷めてしまっ...
うーん、、、設定のインパクトが強くて印象に残りやすいが、文体や全体的な雰囲気が軽く違和感が残った。生命という重たいテーマだからわざと軽くしてコントラストを出しているのかもしれないが、あまり没頭はできなかった。 特に登場人物の会話から登場人物のリアリティのなさを感じて冷めてしまった部分が多々あった。 例えば、表題作の生命式では、家族や親しい人が亡くなったことへの悲しみやショックがあまり感じられず、家族が亡くなったというのに妹のテンションが妙に高く驚いた。 二つ目の「素敵な素材」でも、人間の素材を使った道具が一流品として世に浸透しているなら道具一つ一つに名前がついているはずなのに、道具の説明ではどれも「~から作った○○」と言った風に固有名詞がない所が引っかかった。読者が分かりやすいようにあえてそうしたのかもしれないが、この物語のように強い設定のものであれば固有名詞も作った方が物語に入り込めるのになぁと思った。 他にないような斬新な設定で期待していた分、残念度が高い;;
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故人の肉を食べ、男女が”交尾”をする儀式の「生命式」や、歯や骨をアクセサリーや家具にリメイクすることが当たり前の世界の「素敵な素材」など癖が強めな短編集12編。一度単行本で読みましたが、今回も表題作の「生命式」が印象的でした。今は非常識な考え方も数年後ないし、数十年後には常識とな...
故人の肉を食べ、男女が”交尾”をする儀式の「生命式」や、歯や骨をアクセサリーや家具にリメイクすることが当たり前の世界の「素敵な素材」など癖が強めな短編集12編。一度単行本で読みましたが、今回も表題作の「生命式」が印象的でした。今は非常識な考え方も数年後ないし、数十年後には常識となっているというある意味、ディストピアぽさも感じました。あと表紙もかわいいタッチながら狂気を感じる…
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12編の短編集。全部に村田沙耶香さん節が炸裂していました…読み終わってもまだ混乱が残っています。本当に村田沙耶香さんはどうしてこんな世界観を思いつけるんだろう不思議。自分の中の「普通」とか「当然」がめちゃくちゃに壊されて(いい意味で)、元あったのとは違う自分に再構築される感じ。い...
12編の短編集。全部に村田沙耶香さん節が炸裂していました…読み終わってもまだ混乱が残っています。本当に村田沙耶香さんはどうしてこんな世界観を思いつけるんだろう不思議。自分の中の「普通」とか「当然」がめちゃくちゃに壊されて(いい意味で)、元あったのとは違う自分に再構築される感じ。いい大人になっても、本一冊でこんなに価値観が揺さぶられることがあるんだなぁ。 ちなみに最終編『孵化』だけはかなり親近感のあるお話でした。なんだか嬉しい。
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村田沙耶香ワールドには中毒性がある。はじめは気持ち悪いと思っていたはずなのに、読み進めているといつのまにか「そちら」の思考がインストールされており、読み終わるころにはもはやデフォルトに設定されている。そうそう、人体ってエコな素材だよね!
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『生命式』のインパクトがあまりにも強烈。他の話にもそれくらいの面白さを求めてしまったから、段々しりすぼみになっちゃったかな。おばあちゃん二人の話も好きだった。 解説、分かりやすくて面白かった。 読了 7月3日
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性交渉を自分の意思で、と書いてある話があったが、とても大事なことだと思った。 流されやすい年齢、その時にしっかりと自分の意思を持てる、そしてそれを恥ずかしくない 大事なことだと思った。 その他の話はありそうで無い話だったけれど 短編なので楽しく読めた。 目の付け所が面白い。 動...
性交渉を自分の意思で、と書いてある話があったが、とても大事なことだと思った。 流されやすい年齢、その時にしっかりと自分の意思を持てる、そしてそれを恥ずかしくない 大事なことだと思った。 その他の話はありそうで無い話だったけれど 短編なので楽しく読めた。 目の付け所が面白い。 動物の皮や毛皮をつかうように人間を使うこともできる?人間の素材を使うことだけを冒涜というのも、この世界が全て人間のためにできているから、なのか。 今もなくなった人のお骨でネックレスを作れるピアスを作れるというのは聞いたことあるけど 意味が違うんだろうな。 村田沙耶香さんの話は 性の話が多くて、少し疲れる。
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文学史上最も危険な短編集、と帯に書いてある。確かに!特に「生命式」異常としか言いようがない。よくこんなことを思いつくものだ、と思いながらも読むのが止まらない。不思議な短編集だ。
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