生命式 の商品レビュー
どの村田沙耶香作品をみても既視感があるのになんで毎回こんなおもろいの!? 中でも『孵化』は最高。本当の自分はいったい誰なのか、自分の人生史を振り返ってもそんな気がしてしまう。読んでて最高に不安になりました。 途中わけわかんないのもあったけど総じて面白い! またいつか読み返した...
どの村田沙耶香作品をみても既視感があるのになんで毎回こんなおもろいの!? 中でも『孵化』は最高。本当の自分はいったい誰なのか、自分の人生史を振り返ってもそんな気がしてしまう。読んでて最高に不安になりました。 途中わけわかんないのもあったけど総じて面白い! またいつか読み返したい。 解説も最高でした。 毎回解説が天才なのも不思議。
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面白かった。短編集で思ったより読みやすく4時間ほどで読み終えた。 「生命式」 最初はひぇっと思ったが、なぜだか主人公たちの思想に納得がいくようになった。山本を美味しそうとさえ思うようになった。海辺での出会いはさすがに少し抵抗があったけど、それでも主人公の嬉しそうな様子を想像する...
面白かった。短編集で思ったより読みやすく4時間ほどで読み終えた。 「生命式」 最初はひぇっと思ったが、なぜだか主人公たちの思想に納得がいくようになった。山本を美味しそうとさえ思うようになった。海辺での出会いはさすがに少し抵抗があったけど、それでも主人公の嬉しそうな様子を想像するとなんだかいい話だと思った。海辺で植物のように重なり合う人々の光景も独特で神秘的とすら思った。 「ポチ」 これは世にも奇妙な物語的な面白さで、ポチの鳴き声の意味が気になった。この本の中でも奇妙な空気がかなり好き。後から調べてわかった「2時までに仕上げてくれ」か!何度読んでもわからなかったよ、、笑 会社で働いてて心を病んでおかしくなってしまった人なのかな、、。闇深い。 「街を食べる」 これも生命式と似たような感情の動き。初めは蒲公英を食べることにものすごい抵抗感があったけれど、炒め物にしてお弁当に詰めるようになってからは、美味しそう、食べてみたいとすら思った。自分でも街の雑草を持って帰ってきて調理して食べてみたいと思う自分に驚いた。 「孵化」 この話が1番好き。コミュニティによって多かれ少なかれ見せる顔が変わる。それをこんなにもわかりやすく言語化した、物語化した作品に出会えたことが嬉しい。極端ではあるけれど、たしかにそういうことってあるよね。本当の自分なんてないんじゃないかと思うけれど、もしかして全部本当の自分なのか。うーんでも、一人でいる時に心の中、頭の中で言葉を発してるこのネガティブな自分が本当の自分なのかな。こういうのをペルソナと言うらしい。すごく考えさせられる話だった。
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故人の肉を食べて弔い、生殖して新たな生命に繋いでゆく__ 倫理観が崩壊した衝撃の短編集 読み進めていくと、湧き上がる拒絶感 しかし、それを上回る怖いもの見たさの好奇心 かつてない表現で命の重さと儚さをつきつけられたようだった 孵化の話が1番リアリティがあったなぁ〜 コミュニティ...
故人の肉を食べて弔い、生殖して新たな生命に繋いでゆく__ 倫理観が崩壊した衝撃の短編集 読み進めていくと、湧き上がる拒絶感 しかし、それを上回る怖いもの見たさの好奇心 かつてない表現で命の重さと儚さをつきつけられたようだった 孵化の話が1番リアリティがあったなぁ〜 コミュニティに合わせて人間性が変わる主人公の話 平野啓一郎さんの「私とは何か」を思い出しながら読んだ
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・本能なんてこの世にはないんだ。倫理だってない。変容し続けている世界から与えられた、偽りの感覚なんだ。 ・世界を絶対的なものだと思いすぎてるよ。そうあってほしいという願望が強すぎるっていうかさあ。 ・まるで一億年前からそうだったような顔をして、人を裁くのはやめてほしいの。変わるんだから、不確かなものなんじゃない。不確かなのに、皆宗教みたいに信じ込んでる。 ・世界はずっとグラデーションしてっててさ、今の世界は、一瞬の色彩なんだよ。
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死んだ人間を食べることや死んだ人の一部を衣服やインテリアに使用することって考えただけでもゾッとするけど、人間がそうなだけで、私たちは普段から鶏肉とか豚肉とか動物の肉を食べるし、羊の毛が使われたりする服を着たりする。そこの違いが何なのかと言うことが明確に表すことができない。 「当た...
死んだ人間を食べることや死んだ人の一部を衣服やインテリアに使用することって考えただけでもゾッとするけど、人間がそうなだけで、私たちは普段から鶏肉とか豚肉とか動物の肉を食べるし、羊の毛が使われたりする服を着たりする。そこの違いが何なのかと言うことが明確に表すことができない。 「当たり前」って何なんだろうって考えさせられる。 それこそ30年後には人肉を食べる世界が当たり前になってるかもしれないし、何があるか分からない。 人間の外から見た様子、内側の様々な器官の様子までありえないほどに細かく描写できるのがすごいと思った。 最後の「孵化」というお話、あそこまで極端ではないけど共感できるものがあった。 所属するコミュニティによって微妙に自分を使い分けたり、相手の望む反応をしたりするのって多かれ少なかれ誰にでもあることなんじゃないかと思う。 2023.02.04
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『生命式』『素敵な素材』のような、気持ち悪いのに言ってることは合理的な感じが、村田沙耶香っぽいなと思う。合理的というだけでは生きていけないところが、人間の難しさであり良さでもあるなと思った。 個人的に一番好きだったのは『孵化』。コミュニティごとに期待されるキャラを演じてしまうこ...
『生命式』『素敵な素材』のような、気持ち悪いのに言ってることは合理的な感じが、村田沙耶香っぽいなと思う。合理的というだけでは生きていけないところが、人間の難しさであり良さでもあるなと思った。 個人的に一番好きだったのは『孵化』。コミュニティごとに期待されるキャラを演じてしまうことが、特に子どもの頃の自分に心当たりがあって、それを極端にした主人公の設定が面白かった。 「夫婦」という最小人数のコミュニティの中で、作ったキャラで呼応しあう関係が本当に窮屈そうで、いい終わり方だった。
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村田さんは人間臭さを書くのが上手くて読むのが楽しい。不気味な設定の話が多くて気持ちわりーってなるけど共感できる話が多いと思う。『生命式』みたいに社会の常識だって分かってるけどなんか受け入れられない、なんてことあるよね。
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最後の話が1番好きだった。こういう人いるんだろうな感じがする話ばっかりだった。世界観が独特だけど絶対ないとは言いきれないから怖い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小説を読んで吐き気を催したのは初めて。 表題作の「生命式」は、葬式の代わりにスタンダードとなった故人を送る儀式だ。 故人の肉を皆で食し故人を偲ぶと同時に、受精相手と出会う場として定着した。死から生をうむから、生命式。 主題と違うところでとにかく拒否反応が出てしまい(そういう意味では描写力が抜群ということか)、ずっとこの感じだったら読了できないのではないかと心配だったが、グロテスクさは後半の作品になるにつれ落ち着いてきて、代わりにしんとした狂気に満ちて、ゾクゾクする。
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読み始めてすぐに衝撃を受けた。あまりに気持ち悪い設定。30年前は常識ではなかったことが、30年経った今では普通のこと、、、とはいえ、家族や友人の生命式で下ごしらえまでできるだろうか?衝撃的な内容をさらっと書いているので読み終えることはできたけど、次の短編を読み始めて途中で断念。読...
読み始めてすぐに衝撃を受けた。あまりに気持ち悪い設定。30年前は常識ではなかったことが、30年経った今では普通のこと、、、とはいえ、家族や友人の生命式で下ごしらえまでできるだろうか?衝撃的な内容をさらっと書いているので読み終えることはできたけど、次の短編を読み始めて途中で断念。読みづづけられなかった。
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