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両手にトカレフ の商品レビュー

4.1

224件のお客様レビュー

  1. 5つ

    72

  2. 4つ

    98

  3. 3つ

    35

  4. 2つ

    6

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2022/10/16

"私は私だ。私の価値を決めるのは私。それを外側から上げ下げする人間がいるのはムカつく。"(p.106) "人との人との関係に対等なものなどない。"(p.195) "「たくさん本を読んで、こことは違う世界に行きなさい」"...

"私は私だ。私の価値を決めるのは私。それを外側から上げ下げする人間がいるのはムカつく。"(p.106) "人との人との関係に対等なものなどない。"(p.195) "「たくさん本を読んで、こことは違う世界に行きなさい」"(p.130) "この母を私は選んでいない。母が連れてくる男たちだって私は選んでいない。子どもには何も選べない。 もう悲しいとは思わなかった。ただ私は悔しかった。自分が子どもであることが、自分では何一つ選べないことが、猛烈に悔しかった。"(p.56)

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2022/10/13

ドラッグ依存、次々と変わる男女関係、貧困によって子どもを育てられない大人に翻弄されながら、なんとか生きる子どもの賢さに心を打たれました。 イギリスの貧困団地に住む中学生のミアと、ミアが読み進める小説の中の日本人のフミの物語がシンクロしながら進み、どちらの話も面白く最後まで続きが...

ドラッグ依存、次々と変わる男女関係、貧困によって子どもを育てられない大人に翻弄されながら、なんとか生きる子どもの賢さに心を打たれました。 イギリスの貧困団地に住む中学生のミアと、ミアが読み進める小説の中の日本人のフミの物語がシンクロしながら進み、どちらの話も面白く最後まで続きが気になる展開が続きました。 生活環境が悪化し、絶体絶命のピンチが訪れますが、最後には二人とも恵まれない世界から別の世界へ、考え方を変えれば自分で行けることを見い出し救われる思いでした。 恵まれない環境にいて人生を諦めている人が希望を持つのにお勧めです。 好きな箇所 ミアのリリックに曲をつけたウィルが、ミアに送ったテキストメッセージ 「僕に君のことなんかわかるはずがない。正直、君のリリックを読んだとき、そう感じて悲しくなった。でも、わからないから知りたい。わからない言葉の意味を少しでもわかるようになりたい。だって人間は、わからないことをわかるようになりながら生きているものだよね? だから、僕がそうできるように助けてくれないかな。もちろん、僕も君を助ける。両手にトカレフを握って立つ君を、トラックで支援する。必要なときには、君の後ろからリボルバーだってライフルだって撃つ」

Posted byブクログ

2022/10/12

とても読みやすくて、休日でもあったけど2日くらいでさくっと読めた 僕はイエローで、もジェンダーとか貧富の差とか、重いことをテーマにしていたけど、今作も子供の問題をわかりやすく書いてあった しかも昔の日本の小説をイギリスの子供が読んでてリンクしていて、世界のどこでも問題というのは変...

とても読みやすくて、休日でもあったけど2日くらいでさくっと読めた 僕はイエローで、もジェンダーとか貧富の差とか、重いことをテーマにしていたけど、今作も子供の問題をわかりやすく書いてあった しかも昔の日本の小説をイギリスの子供が読んでてリンクしていて、世界のどこでも問題というのは変わらないのかな、と どうにも救いがないかと思ったけど、ちゃんと手を差し伸べてくれるところはあって でもやっぱり誰知らず苦しんでる人がたくさんいるのも現実だって考えさせられた ウィルみたいに周辺環境じゃなくて、その人をその人だけでちゃんと見れる人って素敵

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2022/10/12

フィクションだからこそ描けるリアルがある。想像力を喚起する事が出来るぎりぎりソフトな表現になっており、子どもに読める1冊になっていた。ラスト、ジョン・レノンとオノ・ヨーコの出会いのエピソードを彷彿とさせる。

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2022/10/11

ブレイディさんの小説。ノンフィクションよりもリアリティのあるフィクションでした。イギリスの労働者階級の生活がどんなものなのか、心に迫ってくる作品でした。

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2022/10/04

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のブレイディみかこさん、今回はエッセイではなく小説です。14歳のミアは重い現実を生きる女の子。母親は依存症から育児放棄、弟の世話をしながら図書館で出会ったカネコフミコの自伝を読みふけるミア。ある日、同級生のウィルにラップのリリックを書...

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』のブレイディみかこさん、今回はエッセイではなく小説です。14歳のミアは重い現実を生きる女の子。母親は依存症から育児放棄、弟の世話をしながら図書館で出会ったカネコフミコの自伝を読みふけるミア。ある日、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれてから彼女の世界は変わり始める。本と音楽は彼女の力となる?心が揺さぶられる物語。   

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2022/10/04

ブレイディみかこの両手にトカレフを読みました。 14歳のミアは母親が男依存で生活保護を受けていてドラッグもやっていて食事も思うように取れない日々。 ある時図書館で浮浪者のような男が持っていた本に興味がわき、読み始めると大正の頃の同じような境遇のふみの自伝でした。 ミヤと自伝の話が...

ブレイディみかこの両手にトカレフを読みました。 14歳のミアは母親が男依存で生活保護を受けていてドラッグもやっていて食事も思うように取れない日々。 ある時図書館で浮浪者のような男が持っていた本に興味がわき、読み始めると大正の頃の同じような境遇のふみの自伝でした。 ミヤと自伝の話が交互に書かれていてなかなか面白かったです。 日本でも今生活に苦しい子どもたちは沢山いるのでしょうね。

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2022/10/02

ぼくはイエローで・・には書けなかったティーン。 母親の依存症(薬、男)、貧困、まわりの大人から見えない存在とされ生活するミアと弟チャーリー。逃げ場はなく重い現実を話せずにいると、カネコフミコの自伝と出会い、同じような境遇に思いを馳せるが、どちらも過酷な日々が続く。ここじゃない別の...

ぼくはイエローで・・には書けなかったティーン。 母親の依存症(薬、男)、貧困、まわりの大人から見えない存在とされ生活するミアと弟チャーリー。逃げ場はなく重い現実を話せずにいると、カネコフミコの自伝と出会い、同じような境遇に思いを馳せるが、どちらも過酷な日々が続く。ここじゃない別の世界へと憧れる先になにが待っているか。 この話以外でもまだ知らないたくさんの現実があるんだろうな、ということを突きつけられた。 282冊目読了。

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2022/11/13

家族を守るために強がって気を張り詰めて日々を送っている主人公。100年前の異国の少女の自伝をなんとか踏み止まる唯一のよすがにしているのがいじらしくて切なかった。 現実は多分もっと残酷で過酷で、だからこそ作者はこの小説の中では希望の光が見える結末を迎えさせたのだと思う。 作者の視線...

家族を守るために強がって気を張り詰めて日々を送っている主人公。100年前の異国の少女の自伝をなんとか踏み止まる唯一のよすがにしているのがいじらしくて切なかった。 現実は多分もっと残酷で過酷で、だからこそ作者はこの小説の中では希望の光が見える結末を迎えさせたのだと思う。 作者の視線が公平で公正で暖かい分、怒りややり切れなさを強く感じた。

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2022/09/28

主人公ミアがエピローグでは明るい未来に繋がる様子が見えてよかった。 苦しんでいる子供達が希望を見出して欲しいという願いが込められていると感じた。 「ここじゃない世界に行きたいと思っていたのに、世界はまだここで続いている。 でも、それは前とは違っている。 たぶん世界はここから、...

主人公ミアがエピローグでは明るい未来に繋がる様子が見えてよかった。 苦しんでいる子供達が希望を見出して欲しいという願いが込められていると感じた。 「ここじゃない世界に行きたいと思っていたのに、世界はまだここで続いている。 でも、それは前とは違っている。 たぶん世界はここから、私たちがいるこの場所から変わって、こことは違う世界になるのかもしれないね。」 ミアがウィルに向けたメッセージ。 文子のみた当時の世界とはまた違うけど、 でも同じように文子も違う世界はここから始まって、広がってゆくのを感じたのだと思う。

Posted byブクログ