子宝船 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
『きたきた捕物帖』の約2年ぶりの続編が到着した。前作の感想に、主人公の北一は岡っ引きではないと書いたが、2作目の本作では、岡っ引き見習いとして手足となり、本格的に動く。いや、元々見習いだったっけ? 表題作の第一話「子宝船」。武家も商家も、切実に跡継ぎを欲する。嫁への期待、というよりプレッシャーは、現代の比ではあるまい。そして、せっかく誕生した赤子が無事に育つ確率も、現代より低いわけである。そんな背景を踏まえて。 ある酒屋の主人が書いた宝船の絵が、子宝にご利益ありと評判になる。つい求められては絵を描く主人。ところが、その絵のせいで子が早世したと怒鳴り込まれ…。情の前には理屈など無力だ。北一たちはどうやって収拾させるのか? ある人物曰く、岡っ引きが扱ういざこざは、こういう種類のものの方がうんと多いとか。両方の言い分を聞きつつ、丸く収める。北一もその一端を担った。典型的な捕物帳ではないこういうエピソードこそ、宮部流時代物の本質が詰まっている。 第二話「おでこの中身」と第三話「人魚の毒」は、物語としては一続きである。倹しくも幸せに暮らす一家三人が毒殺された、凄惨な事件。北一も義憤に駆られて動くが…。このシリーズの作品世界と、他の宮部さんの時代物作品との繋りが、本作ではより明確になる。「おでこ」とはさて? まさかこんな形で再登場とは。 第一話同様に時代背景が興味深い。当時の事件捜査に公平さの欠片もなく、容疑者を捕らえて拷問で吐かせ、下手人の一丁上がり。冤罪だらけである。そんなご時世に、北一たちの行動は危険だ。そもそも岡っ引きとは悪人上がりが多い事実。 情報は意外な方面からもたらされた。北一の観察力と執念、そして「おでこ」の能力で、ようやく見つけた相手。うーむ、生い立ちを聞いてみて、同情する面もあるようなないような…。相手が悪すぎたというべきか。 北一の相棒である喜多次は、前作以上に目立たない。キーパーソンが多いこのシリーズ、主人公の北一も、油断すると食われそう。早く続編を。
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続編うれしい!!!!!!! 3編収録。「人魚の毒」がよかった。ぞわぞわしたけど。 がっつりおでこさんが出てきて喜んでしまった。 大きくなったなあ・・・笑。弓の助も元気そうでなによりだ。 「ぼんくら」も読みたくなったな。 あと関係ないけど元うなぎ屋のお店って、「ぼんくら」にも出て...
続編うれしい!!!!!!! 3編収録。「人魚の毒」がよかった。ぞわぞわしたけど。 がっつりおでこさんが出てきて喜んでしまった。 大きくなったなあ・・・笑。弓の助も元気そうでなによりだ。 「ぼんくら」も読みたくなったな。 あと関係ないけど元うなぎ屋のお店って、「ぼんくら」にも出てきたよね・・・?(時期が合わないから別物・・・?)
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子宝船/おでこの中身/人魚の毒 北一はちょっぴり頼りない。 おかげでみんなが気にかけて助けてくれる。いろんな経験をしていって、誰かを助けられる人になって欲しいなぁ。 そん時は、よくわからない喜多次もわかるようになってるとなお良いなあ。
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すごく楽しみにしてました。 ようやく読めた。 まだまだ始まり、これからもずっと楽しみ。 懐かしい人たちの顔がちらりほらり、 これからも誰に会えるか 早く会いたいけど待つ事も楽しもっと。
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前作から待ち遠しかった続編。北一の成長譚ですね。 宮部ワールドの懐かしい顔ぶれがチラホラと出てきて、古参の読者には嬉しい再会。 おでこさん、大人になってる〜というのはネタバレにはならないでしょう。
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