人間 の商品レビュー
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構成が良かった。 永山の生きづらそうな青年期が1章から3章まで書かれ、最後の4章には永山の全てを受け入れてくれる両親と沖縄の景色が描かれていていた。 永山の「ミチ」という名前は影島道生のミチと何かしらの関連がある?と思ってしまった。 影島とナカノタイチのやりとりはハラハラするけど、私はどちらの意見もなんかわかるなって思いながら読んだ。第三者だから冷静に見てられるけど、当事者だったらこんなことも言いたくなっちゃうだろうなと思った。
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人間が拙い人たちのお話。正直少し分かり難かった。何者かたらんとする若者の自意識と、不器用ながらも自意識と折り合いを付けつつ生活をやり過ごす嘗ての若者たち。 お笑い芸人・又吉直樹の手に為る作品として読むことを前提としていると思う。そうでなければ多分よく分からない。一部の登場人...
人間が拙い人たちのお話。正直少し分かり難かった。何者かたらんとする若者の自意識と、不器用ながらも自意識と折り合いを付けつつ生活をやり過ごす嘗ての若者たち。 お笑い芸人・又吉直樹の手に為る作品として読むことを前提としていると思う。そうでなければ多分よく分からない。一部の登場人物は又吉の半身とも読める。或る種の自伝的作品とも言えるか。勿論多かれ少なかれ騙りは含まれるのだろうし、彼一流の破綻も忍ばせてあることだろう。 作者とテキストを切り離して読むことの是非によって評価の分かれる作品かも。
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又吉直樹というひとのイメージを良い意味で覆される。 人間の嫌な部分、弱い部分をこんなにも文筆で表せるのかと、文芸の力に驚いた。 人を裏切ることが相手の精神に与える苦痛を知れた。
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読み終わった、で登録しているけれど実際のところ半分で辞めてしまった。 全体的に暗く、読みにくく、読み続けられなかった。
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「火花」「劇場」は読んだことがあったけどこれが1番読みにくくて読後感も暗く感じました。 読みにくさは主人公 永山の視点で語られることによる独りよがり感。特に誰に伝えるわけでもない永山の心の動きが訥々と続きます。読みにくいといえば読みにくいのだけど、人間の個人の胸のうちとはこうい...
「火花」「劇場」は読んだことがあったけどこれが1番読みにくくて読後感も暗く感じました。 読みにくさは主人公 永山の視点で語られることによる独りよがり感。特に誰に伝えるわけでもない永山の心の動きが訥々と続きます。読みにくいといえば読みにくいのだけど、人間の個人の胸のうちとはこういうものだよなと思いました。 「人間」というタイトルだけあって凄く人間臭くて本を投げ出したくなるところも所々ありました。作者が自己や生きることと対峙したうえでうまれた作品なのだと言うことをひしひし感じました。
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面白かった。火花も嫌いではなかったけれど、文藝春秋で読んだときのメモでは「芥川賞の2作、羽田さんのほうが好みだったなー。」という雑な感想しか記録していなかった。 人間の本質に多面的に切り込もうとしているところにも、描かれた人間像にも、共感する部分が大きかった。自分も含めて、結局人...
面白かった。火花も嫌いではなかったけれど、文藝春秋で読んだときのメモでは「芥川賞の2作、羽田さんのほうが好みだったなー。」という雑な感想しか記録していなかった。 人間の本質に多面的に切り込もうとしているところにも、描かれた人間像にも、共感する部分が大きかった。自分も含めて、結局人間ってこうだよなぁ、と。 虫と魂の件、最初のエピソードで爆笑していたから、後で回収されていて嬉しかった。ピースの魂のネタも思い出して2度美味しかった。 『人間失格』、読んではいるはずだけど記憶があまりない。読み返そうと思う。
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日々感じているあらゆる違和感、うまく言葉に出来ないものから自分自身ですら見落としてしまうものまで、そのかけら達をひとつひとつ拾い集めている 四章が特に好きだった。 難しく考えすぎない、という強さ それは何にも考えていないわけではなくて経験や環境、その器が物語るものなのかなと…...
日々感じているあらゆる違和感、うまく言葉に出来ないものから自分自身ですら見落としてしまうものまで、そのかけら達をひとつひとつ拾い集めている 四章が特に好きだった。 難しく考えすぎない、という強さ それは何にも考えていないわけではなくて経験や環境、その器が物語るものなのかなと… 都会は広いようでものすごく狭く息苦しいのだろうと、この作品の世界ではそう思えたが、実際自分は田舎の息苦しさ生きづらさを経験してきたので、一概にそうとは言えない… メールのやり取り、言葉で殴り合うあのシーンも好き 引っかかる言葉が沢山あってとても面白かった
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4章構成。1章の途中からかなり作品に引き込まれていった。 それぞれの章に意味があって、4章は特に良かったように思う。 作品全体の雰囲気とポロポロと溢れる面白さが本当に好き。
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「人間」という永遠のテーマにも感じられるこのタイトルの中で作者は何を語るのかとても気になっていたが、表現や考えの違いで世間に評価されたり、批判、揶揄されたり。その時の世間の流れであったり風潮に左右されるこの現実にどこか親近感が湧きもどかしさを感じた。 271Pでもカスミの言葉で...
「人間」という永遠のテーマにも感じられるこのタイトルの中で作者は何を語るのかとても気になっていたが、表現や考えの違いで世間に評価されたり、批判、揶揄されたり。その時の世間の流れであったり風潮に左右されるこの現実にどこか親近感が湧きもどかしさを感じた。 271Pでもカスミの言葉で 私なんて誰でもない。額みたいなやつ。自分に意味なんてない。自分ではない誰かでいたい。自分らしくとか、自分として強制されたくない。 この言葉が読後1番心に残っていた。 普段は気配りしたり自分を隠して何者かを演じてる自分を少し肯定してくれている様な気持ちになった。同じ気持ちを感じる方もいるのはないでしょうか。はたして人間とは、、
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自分はまわりとは違う、他の人よりも優れているとまわりを見下しながら生きるも、自身は何も成し遂げることができないよくいるサブカル大学生のような主人公の人柄を、巧みな例えを用いながら表現していて面白かった。あの批判記事が実際に存在することに驚いた。小説の中でそれに対して反論しており、テレビやyoutubeで見るときの知的で優しそうな又吉さんと違い、腹黒い部分も垣間見えた。最後の田舎のパートだけよくわからなかった。
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