いるいないみらい の商品レビュー
結婚するかどうか。子どもをもつかどうか。 家族のあり方というテーマを扱った短編集。 私は2人の子を授かったが、1人目のときは治療を受けた上での妊娠だった。 夫と「子どもは2人がいいね」なんて会話していたから、子どもを授かれないかもしれないと知ったときはとても絶望したし、子どもが...
結婚するかどうか。子どもをもつかどうか。 家族のあり方というテーマを扱った短編集。 私は2人の子を授かったが、1人目のときは治療を受けた上での妊娠だった。 夫と「子どもは2人がいいね」なんて会話していたから、子どもを授かれないかもしれないと知ったときはとても絶望したし、子どもがほしいという夫の希望を叶えるには離婚すべきか?と悩むこともあった。 結果として授かることができたのだけれど、仮にそうでなかったとしても、話し合いの末、夫から「そのときには猫でも飼おう」と言ってもらえて嬉しかったことを覚えている。 "家族のあり方"というのは簡単だけれど、それは答えのない難しい問題だと思う。
Posted by
子どもがいる未来といない未来、妊活するかしないか、さらには、養子縁組みするかしないか、いろんな家族の形がある中で悩んだり支えあったりする人たちを描く短編集。夫婦のあり方、家族のあり方を考えさせられる。 妊活がうまくいかないときに、どちらかが傷ついたり夫婦関係がギクシャクしたりす...
子どもがいる未来といない未来、妊活するかしないか、さらには、養子縁組みするかしないか、いろんな家族の形がある中で悩んだり支えあったりする人たちを描く短編集。夫婦のあり方、家族のあり方を考えさせられる。 妊活がうまくいかないときに、どちらかが傷ついたり夫婦関係がギクシャクしたりすること、子どもが嫌いでも、堂々とそれを言うことは憚られる社会の空気、職場で産休・育休を取る人がいると、その周辺に業務負担がかかりがちだが、それについて不満を言えない会社の雰囲気、 SNSでやたらと子どもの写真をアップする親も多いが、それにより静かに傷つく人もいることなど、共感することしきり。 そんな微妙な問題を描きながらも、それを乗り越えるのもまた家族の力だと感じさせてくれる窪美澄さんのストーリーが絶妙。
Posted by
子を持つ持たないについて考えさせられる。 意見が合わないときや思うようにいかなかったときに、パートナーと歩み寄ったり話し合ったりできることが何よりも大切ということを改めて思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本屋さんで文庫に目が止まり、あらすじを読んで興味を引かれ購入。 心に残ったのは、私は子どもが大嫌い。嫌いと言いつつ、子どものことが、みくちゃんのことが気になってしまう主人公。 みくちゃん、どうなっちゃうのかな。先が気になるお話でした。 読んでて辛い…ってなったのは無花果のレジデンス。もし自分が原因の不妊だとしたら…と考えるとあまりにも辛かった。自分が積極的に子どもを欲しがっていた訳じゃないけれども、落ち込んでしまう主人公の姿に同情した。奥さんの立場からしたら休もうか?ってしか言えないけれども、主人公の立場に立つとその言葉は無くない??気を遣ってるつもり???って腹を立ててしまう不思議。〆で素直になった主人公を見れてよかった。
Posted by
子どもがほしい夫とそれを強く望まない妻や子どもが大嫌いな女性、子どもを亡くした男性などが主人公の、子どもに纏わる短編集。子どもがほしいと夫にお願いされても、妊娠から子育ても含めて負担がかかるのは女性の方なので、踏み切れない気持ちもわかるし無理しなくて良いと思う。産んでみてやっぱ...
子どもがほしい夫とそれを強く望まない妻や子どもが大嫌いな女性、子どもを亡くした男性などが主人公の、子どもに纏わる短編集。子どもがほしいと夫にお願いされても、妊娠から子育ても含めて負担がかかるのは女性の方なので、踏み切れない気持ちもわかるし無理しなくて良いと思う。産んでみてやっぱり無理でした、では済まない。『無花果のレジデンス』にあった妊活プレッシャーは夫と妻どちらの気持ちにも共感できる。望む人の元にすんなり来てくれるシステムだったらいいのに。『私は子どもが大嫌い』が1番好きだった。どんな価値観の人にも、その人の選択によって幸せな未来が訪れますように。
Posted by
窪美澄さんの5つの短編集 「こどもをもつかもたないか」ということに真っ直ぐに向かい合った物語で、それぞれの主人公なりの考え方や生き方が描かれていて、正解を導くことはなかった。ここには、生まれ生きていく中で、新しい命を成すかどうかは、誰でもない自分あるいは自分たちで決めて行くのだ...
窪美澄さんの5つの短編集 「こどもをもつかもたないか」ということに真っ直ぐに向かい合った物語で、それぞれの主人公なりの考え方や生き方が描かれていて、正解を導くことはなかった。ここには、生まれ生きていく中で、新しい命を成すかどうかは、誰でもない自分あるいは自分たちで決めて行くのだから・・・という作者の意志が強く感じられた。 妊娠・出産といったテーマを多く描かれている窪美澄さんらしく、多様な場面や人物設定だった。どの物語でも主人公の意志が、ごく自然体で表現されていた。読み手は、きっと主人公達の何処かに気持ちを寄り添わせることが出来る作品だとも思う。「こどもをもつ」ことに否定も肯定もしない姿勢は、どんな生き方も尊重されているように感じた。 奥ゆかしさを美しんできた日本人は、性に対する意識がまだまだ閉鎖的だと思う。結婚適齢期には敏感だが、妊娠適齢期には鈍感なのも、その影響があるように思えてならない。昨今の初婚年齢の高齢化による高齢出産、それによる妊婦・こどもへのリスク、また女性特有の疾患や夫婦で取組む不妊治療に対する知識の乏しさ。 当事者になって初めて知るケースが余りに多く、男女平等が叫ばれる中、男性と肩を並べて社会に出て働いて来た女性達が嘆き悲しむ場面を、私も身近に幾つも見て来た。 第5章 金木犀のベランダ 作中の節子さん曰く 「昔はね、ふたつも選べなかった。結婚と仕事、ふたつ手に入れることは難しいことだったの。今の人は結婚も、仕事も、子どもも、手に入れることができる。ほんとうにいい時代になった。」 とあった。 まさにその通りだと思う。 今の時代はどちらも手に入れることが出来る選択肢があったとしても、その両方の表だけでなく裏も側面も知った上で、「こどもをもつかもたないか」ということに向き合うための知識と教養を培うことが大切だと思う。日本では学校教育の場でこの分野について教わることは僅少だ。受け身で待っていては手遅れになることも多い。 本作を手にした方にとって、そこに向き合うための一助となるように・・・という作者の温かい願いを感じる作品だった。
Posted by
令和の今になっても女性は結婚したら子供を産むものだ、とか、女性は子供が好きなのが当たり前、と、社会的には思われている。 子供が嫌い、など人前で言ったとしたら変な目で見られるだろう 必ずしもそうではない、いろんな人がいる、ということを周りは理解しないといけない
Posted by
重いテーマなのに、柔らかい文章とお互いを思いやる登場人物たちの優しさに読んでいて心が穏やかになる。 自分も病気で子どもが欲しくても諦めた過去があるので、いろんな人にいろんな角度からそっと心に傷をつけられたことが蘇り嗚咽をあげながら読んでしまった。
Posted by
産んでみたかったけど、産めなかった私。 産む年齢にいる人も色々と苦しみがある、そう感じさせてくれるストーリーでした。
Posted by
妹が出産して母親にプレッシャーをかけられる女性、妻から妊活を告げられ不妊治療クリニックを受診する男性、子どもが嫌いな独身女性、子どもを亡くし離婚した男性、40を過ぎてダンナから養子を迎えたいと告げられる妻。 それぞれのこどもにまつわる短編集 ある程度の年齢になると結婚→出産→子育...
妹が出産して母親にプレッシャーをかけられる女性、妻から妊活を告げられ不妊治療クリニックを受診する男性、子どもが嫌いな独身女性、子どもを亡くし離婚した男性、40を過ぎてダンナから養子を迎えたいと告げられる妻。 それぞれのこどもにまつわる短編集 ある程度の年齢になると結婚→出産→子育てが当たり前と思わされていた私たちの頃と違って、今はたくさんの選択肢があるからうらやましいけどみんなそれぞれの悩みがあるんだな 昔は結婚すると平気で子どもはまだ?と当たり前のように聞かれたけど、今はデリケートなことと理解してくれる人が多い世の中になってよかった
Posted by