映画を早送りで観る人たち の商品レビュー
とてもよかった。問いが多いし気づきも多い。サービスを提供する側の仕事をするようになったから特にこの時勢の変化は理解しておけてよかった。 自分は早送りしないと思っていたが、youtubeでは早送りすることもあるし、映像よりテキストが好きだし中々ドキッとする部分もあった。 こういった...
とてもよかった。問いが多いし気づきも多い。サービスを提供する側の仕事をするようになったから特にこの時勢の変化は理解しておけてよかった。 自分は早送りしないと思っていたが、youtubeでは早送りすることもあるし、映像よりテキストが好きだし中々ドキッとする部分もあった。 こういった本はあまり読まないが、例えも多いのでイメージしやすく没頭して読めた。 違和感を感じていたことに、新しい気づきがあって早めに読んでよかった◎
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いやぁ、出るわ出るわ・・糸井さんすら凌ぐ・・ネット社会に受けそうな『掴み』のフレーズ。 このくらい出てくると正直、シニア世代の私は吐き気がしてくる~リキッド消費・ファスト○○・ネタバレ人気・コンテンツ消費・快適主義の至上性・ラノベ潮流・多様性尊重・Z世代(X世代、Y世代)個性尊重...
いやぁ、出るわ出るわ・・糸井さんすら凌ぐ・・ネット社会に受けそうな『掴み』のフレーズ。 このくらい出てくると正直、シニア世代の私は吐き気がしてくる~リキッド消費・ファスト○○・ネタバレ人気・コンテンツ消費・快適主義の至上性・ラノベ潮流・多様性尊重・Z世代(X世代、Y世代)個性尊重・倍速視聴・ コロナ社会に入って急速にウェイとの増した定額制動画配信とYouTubeが占める社会的地位のアップ/ 若者に多い多様性尊重は ある種の『狭量・視野狭窄』とどう異なっているんだろう。 これってZ世代が得意とする―多様性尊重と個性重視の過大化すらしている標ぼうに感じるが。 言語化作業や歴史化する意義の希薄化は何処へ行くんだろう。 まぁ、一通り・・と言ってもそれこそ前半5割は3倍速読みでこなし、後半は現れる「言葉、文章」の乱切りを認識できるスピードで読み下したので、まだ、この社会について行けるか・・と思ったが、ネガティブな感想がウェイトを占めた。 とはいうものの、筆者も指摘する通り「なんでも物事の初めは批判され、叩かれ」・・それがいつの間にやら主流になって来たのが文化文明史だったし。 若者に与するような筆者、生まれを見ると十分にオジサン年代にいる方でさらに驚いた。
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結局、いつも新しいことは批判される。 映画がビデオ鑑賞されるようになったときも、音楽がレコードになった時も、それは本当に鑑賞したことにならないと言われてきた。 しかしこの映像を早送りで見るという行為に見える大きな変化とは、もはや映像作品は多すぎ、安く、簡単に手に入れられるため、...
結局、いつも新しいことは批判される。 映画がビデオ鑑賞されるようになったときも、音楽がレコードになった時も、それは本当に鑑賞したことにならないと言われてきた。 しかしこの映像を早送りで見るという行為に見える大きな変化とは、もはや映像作品は多すぎ、安く、簡単に手に入れられるため、時間とお金をかけて鑑賞するものから、早送りして消費するものになったこと。 それは時代の変化なのであって、良い悪いではないのだが、やはり大事なものを見飛ばしているに違いない...
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高校時代は「スマホが常識」のまさに一歩手前で、持ってるやつも持ってないやつもいる感じだったのだけど、それで助かったなと思った。 “話題についていくために何かをみる/読む”経験が強制される感覚があるのは怖いなと。いまの学生は大変だと思う。 お金も時間も気持ちも余裕ないのに、散々...
高校時代は「スマホが常識」のまさに一歩手前で、持ってるやつも持ってないやつもいる感じだったのだけど、それで助かったなと思った。 “話題についていくために何かをみる/読む”経験が強制される感覚があるのは怖いなと。いまの学生は大変だと思う。 お金も時間も気持ちも余裕ないのに、散々タブレットや字幕付き作品を観てるくせに、「倍速で見ること」だけを殊更に粒立てられたらそりゃちょっと腹立つよなと思った。あんたらおっさんおばさんがこの有り様作ったんやろと。
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なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。 なんのために? それで作品を味わったといえるのか? 著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、 やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという 事実に突き当たる。一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか? ...
なぜ映画や映像を早送り再生しながら観る人がいるのか――。 なんのために? それで作品を味わったといえるのか? 著者の大きな違和感と疑問から始まった取材は、 やがてそうせざるを得ない切実さがこの社会を覆っているという 事実に突き当たる。一体何がそうした視聴スタイルを生んだのか? いま映像や出版コンテンツはどのように受容されているのか? あまりに巨大すぎる消費社会の実態をあぶり出す意欲作。 鑑賞ではなく、消費ですか。そういう楽しみ方はできそうにない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
個人的にはここ数年、映像を等倍速でみることはほとんどなく、1.3−1.5ぐらいで見ているので、他の人の使い方など参考になる話が載っているのではないかと思ったが正直期待はずれだった。 著者は映画などは「鑑賞」するものであって、最近の「コンテンツ」のように「消費」するものとは根本的に違うのだ、30秒間何も動かない場面があってもその間こそが表現なのだ、という。それはそうなのだけど、一本の映画を100%、1時間かけて楽しむよりも、2本の映画を80%ずつ、同じ時間で楽しむほうが「タムパ」がよいから皆、そうしているわけで、いやなら等倍速で見ればいいだけなのでは。。。 なぜ、このような視聴法が蔓延してしまっているのかをダラダラと考察していくのだけど、途中で大学生への仕送り額が年々減っているというグラフを出してきて、最近の若者はバイトとかなんとか、生きるために必死なんだね、ゆっくり「鑑賞」する余裕がないんだね、と言い出したあたりでギブアップ。久々に、読んでいる時間に何か他のことをすればよかったと感じる内容だった。
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なぜ最近の若者は映画を早送りでこなすように見るのか?(観るではなく、見るという感じがする) その答えは3つの要素がある。 ・タイムパフォーマンス主義 ・映像作品の供給過多 ・作品に説明が増えた 現代人は忙しい。流行りが洪水のようにライングループでお勧めされ、オンリーワンになら...
なぜ最近の若者は映画を早送りでこなすように見るのか?(観るではなく、見るという感じがする) その答えは3つの要素がある。 ・タイムパフォーマンス主義 ・映像作品の供給過多 ・作品に説明が増えた 現代人は忙しい。流行りが洪水のようにライングループでお勧めされ、オンリーワンにならないといけないとキャリア教育につめられる。 だから、わかりやすい作品を短時間で大量に情報処理として見ている。 理解はできないが、この動向を把握しておく必要がある。若手の価値観を把握しないと、わからずやおじさんのままだ。 まずは若者と会話をする。 そして、自分の頭で考えるために、己の頭で考える余白を大事にしよう。 具体的にはこの書評書くなど、自分の考えを交えながらアウトプットする。
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普段映画などの芸術作品を倍速や10秒飛ばしで見ない自分にとっては考えにくい現代のコンテンツ消費者の考え方を知ることができた。 なぜユーザーは鑑賞ではなく消費になってしまったのか。 一つにはSNSにより横との繋がり、また意見の発信がしやすくなったことで話題作品を皆で共有したいと考え...
普段映画などの芸術作品を倍速や10秒飛ばしで見ない自分にとっては考えにくい現代のコンテンツ消費者の考え方を知ることができた。 なぜユーザーは鑑賞ではなく消費になってしまったのか。 一つにはSNSにより横との繋がり、また意見の発信がしやすくなったことで話題作品を皆で共有したいと考えるようになったから。そこには、作品を深く味わいたいという考え方はなく、あくまで話題についていければ良い。 もう一つには、Netflix等のサブスクの登場により、より多くの作品をより安くそしてより気軽に鑑賞できるようになったから。サブスク型の決済方法はお金を使っている感覚が麻痺しやすく、昔のように、せっかくお金を払ってレンタル・購入したならばちゃんと観ようという意識が軽薄になりやすい。 また、「鬼滅の刃」作品に抱いていたよくわからないけど何なとなくもやっとしていた違和感の言語化ができた。 それは、登場人物の心情をアニメーションではなく、わざわざ言葉にして表現をすること。 この状況でそんなこと言葉に出すかな?と思う場面が幾度となくあったが、それは普段倍速であらすじだけ読むことに慣れてしまったユーザーが、登場人物の裏側の心情をアニメーションだけでは読み取れなくなってしまったことを背景として、製作側がユーザーに寄り添った形で脚本を書いているということだった。まさに目から鱗。 Instagramのストーリー、TikTok等、より短い娯楽が人気となっている今、そのトレンドを避けることはもはや出来ない。よって、そのトレンドを楽しみつつ、逆に映画などの芸術作品はじっくりと味わうような使い分けをして、より人生を豊かにしていけたらと思う。
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読みながら自分の意見がどんどん出てくるという点で本書はめちゃくちゃ面白い。そもそも新書はそういうものが多いけれど、これほど読みながら「誰かと話し合いたい」と思う本はなかなかない。たくさんの若者、評論家への取材と彼らの深層心理が赤裸々に、適切に述べられている点が「話し合いたい」を生...
読みながら自分の意見がどんどん出てくるという点で本書はめちゃくちゃ面白い。そもそも新書はそういうものが多いけれど、これほど読みながら「誰かと話し合いたい」と思う本はなかなかない。たくさんの若者、評論家への取材と彼らの深層心理が赤裸々に、適切に述べられている点が「話し合いたい」を生み出しているのだと思う。 ”サブスクは1作品ずつが大事にされない” →作品が(ほぼ)無料だとそれを娯楽と捉え、消費の対象としてしまう。流行中のプロセスエコノミー(制作過程を売って作品を無料で公開する)はそれを拡大させないか?制作過程が希少で価値があるのはその通りだが、そこでマネタイズして作品に価格をつけないのならばそれを消費してしまうのは必然である。クリエイターはこの辺りの設計を考え直さないと現在起きている変化に対応するのは難しそう。 ・主人公が”軍師化”しているのはポケモンの影響、と言うのは違う気が、、 作品自体を”表”、”裏”で考えたとき、自分はDVD版についてくるようなメイキング映像が好きだから”裏”に興味があると思う。それと同時に”裏を好いているマジョリティではない自分”にも浸っている。 ・現代人はそんなに多忙なのか?? とはいえ、”映画を早送りで観る人たち”を「けしからん」で済まさなかった著者に拍手。
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タイトルに射抜かれて手に取った一冊。 作品を“作品”として「鑑賞」することと“コンテンツ”として「消費」することの違いについて腑に落ちた。 著者である稲田さんのタイトルに書かれた人たちに疑問を抱きながらも理解しようと寄り添う姿勢がとても素晴らしいと思った。 作品を“作品”として「...
タイトルに射抜かれて手に取った一冊。 作品を“作品”として「鑑賞」することと“コンテンツ”として「消費」することの違いについて腑に落ちた。 著者である稲田さんのタイトルに書かれた人たちに疑問を抱きながらも理解しようと寄り添う姿勢がとても素晴らしいと思った。 作品を“作品”として「鑑賞」するのか“コンテンツ”として「消費」するのか、それぞれの人達の価値観で選べたら素敵だなと思う反面、作り手側や受け手側にその体力がないことにジレンマを感じた。 自分の自由に時間を使うことがある意味、一番の贅沢なんじゃないかと考えさせられた。
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