映画を早送りで観る人たち の商品レビュー
観たいコンテンツがあり過ぎるが故に、早送りで消化することはある。早送りすることによって没入感、理解のしやすさ、考える余白が薄まるのはわかっている。しかし溢れるでるコンテンツをタイパよく消化するには使わずにはいられない。 たまに映画館に行くといいかもしれない。倍速は存在しないので...
観たいコンテンツがあり過ぎるが故に、早送りで消化することはある。早送りすることによって没入感、理解のしやすさ、考える余白が薄まるのはわかっている。しかし溢れるでるコンテンツをタイパよく消化するには使わずにはいられない。 たまに映画館に行くといいかもしれない。倍速は存在しないので。 情報系動画はガンガン倍速かけていく。 もしサブスク機能に早送りや倍速が無くオプション課金だとしたら、どのくらいの割合で課金するだろうか。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日頃から倍速を駆使しているのと、学生に関わって生きているので、そりゃそうだよなあといった感想。 個人的な倍速する気持ちを自分より上の年代の人たちに説明するとしたら、 「TSUTAYAでDVDレンタルしてきたけど、明日までに5本全部観終わらないと延滞料金かかっちゃう!」 という状況に常に置かれていますといったところ。 自分はTSUTAYAとサブスクのはざまの年代だと思うのだが、それぞれ一長一短だと思う。 TSUTAYAでずらっと並んだDVDから観たいものを選んでそれにお金を払ってじっくり観るのも好きだったし、今知人たちから勧められた"コンテンツ"を家に帰ってすぐサブスクで観て、相手の「おもしろかったからあなたに勧めたい」という気持ちの鮮度を損なわないまま次の日に話ができるところは好ましいと思う。 近所にあったTSUTAYAもサブスクの普及による経営難からか潰れてしまった。 "映画"を味わって観ようという気持ちを感じる術を1つ失った気がした。
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この一冊でZ世代を理解したと言うのは危険かもしれないが、納得というか物凄く腑に落ちた。私は早送りで見ないので、何故そんなに急いで見る必要があるのか分からなかったが、内容を知れれば良いだけなら納得。話題についていくためだったり、自分も推しだからと言いたい思いで見るなんて。そりゃ忙...
この一冊でZ世代を理解したと言うのは危険かもしれないが、納得というか物凄く腑に落ちた。私は早送りで見ないので、何故そんなに急いで見る必要があるのか分からなかったが、内容を知れれば良いだけなら納得。話題についていくためだったり、自分も推しだからと言いたい思いで見るなんて。そりゃ忙しくなって時間もないからタイパって言うし、やることが多くて大変だなぁ。この先どうなるのか分からないのが面白いと思うし、伏線を見つけると嬉しくなるけどな。辛いところは見たくないとか、幸せで終わってほしいというところは、共感力が高いからなんだろう。 楽しみ方がこんなにも違うのかと驚き。ナンバーワンじゃなくて良いと言われて気楽になるどころか、オンリー・ワンでなければならないことで、逆に追いつめられるなんて、皮肉だな。
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体験に価値があり、それを共有する事で、集団への帰属感を得て、それが生きる意味にも繋がる。人間にとってはある種の本能行動だ。だとすれば、「より多く」を求めるのは摂理であり、特に非難するものではない。何の話かというと、本書の話。鑑賞は体験。体験を披露し、承認される事で生き甲斐を感じる...
体験に価値があり、それを共有する事で、集団への帰属感を得て、それが生きる意味にも繋がる。人間にとってはある種の本能行動だ。だとすれば、「より多く」を求めるのは摂理であり、特に非難するものではない。何の話かというと、本書の話。鑑賞は体験。体験を披露し、承認される事で生き甲斐を感じる性質をシステム化したのがSNSや「いいね」の仕組みである。 で、この「より多く」に対して更に都合が良いのが、コンテンツのデジタル化による複写性や通信環境の進化。見ても減らない、のでサブスクみたいなサービスができるようになった。そうなると、チャンネルザッピングのように「選択にコストがかからない」状態になり、より多くを求める中で〝早送り“という行動に至る。 試食みたいなものとも言えるし、体験入会、観光地を速足でとにかく回る、というような行為と大して変わらない。著者は対象の本質を味わえないと嘆くし、私も確かにそうだとは思うが、この本に登場するインタビュイーは、じっくり見る価値が無さそうなものに対して早送りする、と言っているので、大した問題ではない。心を動かされれば、立ち止まる事もある。ただ、作り手も商業主義にインスタントなもの、焼き直しコンテンツが増えているのも事実。ストーリーは無限にあるようでいて、人間の知覚できる色や動き、論理パターンには限りがあるから、時代が進めば、表現はいずれ組み替えるしかなくなっていくのだ。 読書における、速読か遅読かという議論にも通ずるだろうか。理解する、と味わう、が異なるので、読む本や読解力にもよりけり。結論、どちらでも良いと思うのだが、新たな環境が、集中力散漫なザッピングし易い社会を生んでいるのは確かだ。「体験」を人との繋がりに用いたり、優劣をつけたりするような価値観や習慣を捨てれば、この早送りな人生の煽動から逃れられるかもしれない。
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2023年新書大賞2位に選ばれた実質個人的1位の力作 新書を普段読まない人に是非とも読ませたい迷ったらとりあえず読んでほしい現代人の鏡になります。 倍速で見る、飛ばして見る。これらは一度YouTubeやネトフリ、プライムなんかでやってきませんでしたか? 別に普通じゃね?珍しくな...
2023年新書大賞2位に選ばれた実質個人的1位の力作 新書を普段読まない人に是非とも読ませたい迷ったらとりあえず読んでほしい現代人の鏡になります。 倍速で見る、飛ばして見る。これらは一度YouTubeやネトフリ、プライムなんかでやってきませんでしたか? 別に普通じゃね?珍しくないよな。そう思うのが普通でした。卒論研究で読むまではです! 読んでみて、あれ、現代人って確かにこれだけどなんかやってることおかしくない? 確かにこんなことしてたけど、これってよくないかもって思うには思うだけ じゃあ倍速視聴を手放せますかって言われたらいや、できないかと思います。 私も同じです。けど間違いなくタイパ的にはいいんですよね。時間をかけて過ごしたくないんですよね。時代に追いつけないからダメなんですよ。それをわかっているから読んでいて今までを反省しました。 私たちは間違いなく時間に囚われている!それはこれからの私たちの未来だと思います。 倍速視聴は文化の発展かそれとも後退か、これを機に考えるべきだと思います。 個人的にこれを読んで気付いたことがあって、YouTube、映画、ドラマ、サブスク、読書、SNS、TikTok、ゲームと明らかに現代人の娯楽が多すぎると思います。そして明らかに切り離せないものの共通点が全部ネットに集まっていること、つまり映画、ドラマ、読書、場合によってはゲームにおいては切り離しが可能なんですね。この時点でヤバさに気づかない人は今すぐ読んでください。 そして切り離せるそれらが今、離れしている。離れを防ぐ手段として倍速があること。
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ネット記事公開時点での世間の反応を鑑み、書籍出版でのスタンスとしてはファスト視聴側に歩み寄る姿勢を見せつつも、「わざわざ本を買って読む層=反ファスト」を想定したファスト叩きにも映る。しかし、多角的な視点でファスト映画を含めた現代メディアコンテンツと若年層との交わりを総括した20年...
ネット記事公開時点での世間の反応を鑑み、書籍出版でのスタンスとしてはファスト視聴側に歩み寄る姿勢を見せつつも、「わざわざ本を買って読む層=反ファスト」を想定したファスト叩きにも映る。しかし、多角的な視点でファスト映画を含めた現代メディアコンテンツと若年層との交わりを総括した20年代のベスト書籍の座は揺るがない。 個人的には、文化的なものに最も時間とお金をかけていた時代(CDや映画DVD、漫画本の大量購入)がサブスク直前だった。故に、その後の配信全盛期に、自身にとってのハードルが一気に取り払われた時代に突入したにも関わらず、単純な体力の問題で前屈みにサブスクを享受できない一方で、同世代がソレを違和感なく受け入れる様を見てきて、頭では自分もその環境を受け入れて享受すればよいとわかっていても、言葉にならない違和感を抱えながら、言語化できないために逆張りの精神でいまに至ってもCDや漫画本の購入を続けていた。そのため、「違和感=時代の要請butそれでもおかしい」の論調は読んでる自分に寄り添う姿勢でとても心地よく、心地よ過ぎて後半少し警戒しながら読んでしまった程だった。 すると、現代の若者の認識は実際の学生のアンケートを引きながら分析される一方で、サブスク以前の認識に関してはアンケート等の引用はなく、フェアな比較になっていないように感じられた。 若者のコンテンツ享受の姿勢が快適主義化している、とするのは本書の分析の一つだが、出版サイドもまた、同じ穴の狢と化してはいないか、と。つまり、本をわざわざ買って読む層が求める回答ありきで全体が構成されてるように感じた。 「タイトルで内容を説明」は本書におけるなろう系ラノベの分析であり、「ポルノ的消費」は、しばしば供給過多の環境にある若者が、自身が享受したコンテンツを自己批判的に説明する際に用いられる表現だが、新書界隈にもその2点が当てはまるように感じる。 とは言え、その点にさえ留意すれば、前述した通り、現代メディアコンテンツと若年層との交わりを具体例を含めて論じたものとして非常に有意であることに変わりはない
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確かに私も映画とか本とか、 話題のやつとかとにかく見ないと読まないと!ってコンテンツ消費を頑張っているところあるなー そういえばこの間YouTubeで友近サスペンス、飛ばしたり早送りしないで約2時間見てめちゃ面白かった!昔のサスペンスドラマにはあった間とか俳優さんの表情とかああ...
確かに私も映画とか本とか、 話題のやつとかとにかく見ないと読まないと!ってコンテンツ消費を頑張っているところあるなー そういえばこの間YouTubeで友近サスペンス、飛ばしたり早送りしないで約2時間見てめちゃ面白かった!昔のサスペンスドラマにはあった間とか俳優さんの表情とかああいうの今のドラマにはないけど面白いよね!今のドラマにあったらスキップされちゃうんだろうな…
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私は早送り学習を大学受験・社会人になってからの資格勉強に取り入れていたので、なんでこんなに騒がれているのかちょっとよくわからなかった。 やってみるとわかると思うけど、感情を込めずに詰め込む対象を習得するのには、もってこいの方法なのです。 -- 75 人はタダで手に入れたものを...
私は早送り学習を大学受験・社会人になってからの資格勉強に取り入れていたので、なんでこんなに騒がれているのかちょっとよくわからなかった。 やってみるとわかると思うけど、感情を込めずに詰め込む対象を習得するのには、もってこいの方法なのです。 -- 75 人はタダで手に入れたものを大切に扱わないから 100 小説投稿サイトは2010年以降勢いを増した。(新人発掘を目的に) 177 大学新入学生の、仕送り-家賃の生活費(年々下がっている)
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映像作品が供給過多の原因で、現在の若者たちは早送り、10秒飛ばし見を結構されている。いわば、時間がそんなにないから、コスパとタイパを追求する。それによって、もともとの鑑賞行為から消費行為へ変化していく傾向がある。 また、情報収集として、最新の映画、ドラマなど概ね内容がわかれば...
映像作品が供給過多の原因で、現在の若者たちは早送り、10秒飛ばし見を結構されている。いわば、時間がそんなにないから、コスパとタイパを追求する。それによって、もともとの鑑賞行為から消費行為へ変化していく傾向がある。 また、情報収集として、最新の映画、ドラマなど概ね内容がわかれば、十分である。みんなの話題についていければ、孤立されるリスクが低くなるのである。そのため、大切な休暇を使って必死にネタバレを消費したり、ファスト映画を見たり、した。 この他の原因と背景もあるので、全部本書に書かれている。「現代の人々はなぜ、早送り、十秒飛ばし見、ファスト映画などをするのか?」に興味を持つなら、ぜひ、読んで見てください。 ここで、簡単にまとめさせてください。主な原因は「映像作品は供給過多なので、コスパとタイパを追求」である
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第96回ビブリオバトルinいこま「ノミネート」で紹介された本です。チャンプ本。 2022.10.23
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